ネットワークエンジニアを本格的に目指すわけではないけれども、簡単なネットワークの構築やトラブル対応は自分でもできるようになりたい。
この記事はそんな新人ITエンジニアのための記事です。
疎通確認を行うnslookupコマンド
「ping」コマンドを使ってあるコンピュータと、通信相手のネットワーク機器との間の経路に、異常がないかどうかを確認することができます。この確認を「疎通確認」といいます。
ちなみに「ping」は「ピン」または「ピング」と読みます。一説にはピンポン(卓球)の「ping pong」から来ているという説があります。その名の通りパケットが行き来して通信相手との疎通確認を行うのです。
例えば、次の様なトラブル時に「ping」コマンドが活躍します。
パソコンから社内のファイルサーバーにアクセスできない
パソコンからインターネットにつながらない
そんな時に自分のパソコンにpingを打つ
同一LAN内の隣のパソコンにpingを打つ
中継しているルーターにpingを打つ
社内と社外を隔てているファイアウォールにpingを打つ
社外のWebサーバーにpingを打つ
これらによって疎通確認を行い、問題個所を特定していきます。
新人エンジニアのためのpingコマンドの基本
コマンド書式
1 |
>ping “IPアドレスまたはドメイン名” |
コマンドプロンプト上で、上記のコマンドを入力して[Enter]キーを押します。
“IPアドレスまたはドメイン名”には、疎通確認したい機器のものを入力します。
「ping」を実行すると、コマンドプロンプトに実行結果が表示されます。
疎通が確認できた例
まずは疎通が確認できた例です。

※表示される数値は、その時の通信状況で変化します
pingコマンドは通常、疎通確認のパケットを4回送信します。
通信が良好であれば、上の例の様に受信と送信は同じ4回になります。
通信が良好であれば、上の例の様に受信と送信は同じ4回になります。
バイト数」「時間」「TTL」の値が表示されます。
最後に統計データも表示されます。
最後に統計データも表示されます。
なお、最後のTTLとは、Time To Liveの略です。
TTLは、ルーティングするごとに減算され、0になったパケットはそれ以上ルーティングされずに破棄されます。
これにより、行き先がわからなくなったパケットが永久にネットワーク上をさまよう無限ループを防ぐ仕組みです。
送信に対して受信が少なくなることがあります。それは以下のような場合です。
- 疎通確認したい通信相手がセキュリティーの観点からICMPを無効化している
- 通信相手が物理的に非常に遠く離れた場所にいる
- 通信経路の途中に通信状態が悪い場所がある
とくに1番目の「ICMPを無効化」というのは多い原因です。
悪意を持った通信相手のping送信にも応答しないように設定することで、通信可能な端末の存在を教えないマシンは多数存在しています。
指定した通信機器と通信できなかった場合
次に存在しないIPアドレスに対してpingコマンドを打ってみます。

「ping」で指定した通信機器と通信できなかった場合、上記の様に「要求がタイムアウトしました。」と表示されます。