8月18日 「DevOpsとは何か」 ~開発者のためのMicrosoft Azure実践編~
財団法人 えひめ産業振興財団様主催による「開発者のためのMicrosoft Azure実践編」講座を開催しました。
クラウドプラットフォームの2強として、Microsoft AzureとAWSがありますが、本講座ではAzureの技術的な側面を下支えとして、そもそもなぜクラウドなのか?DevOpsとは何か?という側面での解説を行いました。
AWSは2006年、Azureは2008年よりサービスがスタートし、今や両社は様々なサービスを提供しています。また、サービス内容は日々アップデートや追加が為されている状況です。このような背景を考え、個々の技術の細部を掘り下げる事よりも、クラウドプラットフォームが何故支持されるに至ったのか、どのように活用出来るのか、あるいはそのアンチパターンとはどのようなものなのかを知っていただくことが、ビジネスで活用するうえでより重要であると考えて、講座内容を調整しました。
受講された方は、概ね満足していただけたとの感想を頂きました。ありがとうございます。
頂いたご意見の要約と解説をさせていただきます。
- Gitの使い方が学べた
- 分散ソースコード管理システムとしてGitを、そしてそのサービスプロバイダーとしてのGitHubを紹介させていただきました。
- 実際にはどのようなソースコード管理システムを使っても構いません。重要なのは「多人数での支障のない開発」「外部サービスとの連携の重要性」です。これらを満たしつつ、導入がスムーズで将来展望のあるサービスとして、GitとGitHubが最もお勧め出来るサービスだと考えています。
- 事業の達成と継続について
- 今回の講座はAzureと銘打っていますが、近年のクラウドプラットフォーム導入失敗事例を見ていると、そもそもクラウドの技術側面ではなく、クラウドを使って「どのように事業を成功していくのか」と言う所が押さえられていないように感じます。
- この項は、一見講座内容とは無縁のように見えますが、実はクラウドをうまく使うための大前提となる、重要なポイントとなります。本講座で解説した内容から、何かを学び取って頂ければ幸いです。
- DevOpsやMVPという考え方
- 上記に繋がりますが、クラウドプラットフォームを使用して高速開発を実現していくためには、MVP (Minimum Valuable Product) という考え方が重要です。ご自身の所属企業の商習慣との兼ね合いもあり、ここを改善することはチャレンジングではありますが、クラウドを使うか使わないかにかかわらず、企業をより前進させるための処方箋であると思っております。
- そして、「DevOps」は、高速開発を実現して行くための具体的な道具となる考え方です。講座を受講された方々は、重要性について把握して頂けたのではないかと思っております。更に詳細に深掘りしたい場合は、リーン開発に関する書籍やアジャイル(スクラム等)の書籍から情報を集め始めることをお勧めします。
- 運用面にフォーカスした講座
- 講座の内容は、一見すると運用面にフォーカスしているように感じられたかもしれません。実際には、これまでの開発手法があまりにも「開発サイド」と「運用サイド」が分離され、別々に語られてきた事に問題があり、開発においては運用を、運用においては開発を、究極的には開発と運用が一体となって進まなければならないのが真実です。
- そのためには、開発が終わったら「保守フェーズ」のような、別個の考え方ではなく、運用や保守の方法にまで踏み込み、そこにクラウドプラットフォームを有効活用できるように考え、その上でどのような開発を行うのかという「逆の発想」が重要です。
- 逆の発想が出来る(運用→開発)ようになれば、本来の方向(開発→運用)の効率化を考えることも出来ます。この両者のサイクルがDevOpsであり、最終的にリーンフィードバックループに繋がります。したがって、開発や運用という個別のフェーズ分けをしないで、これらを一体のものとして検討して、日々チームで実践します。
本講座を受講して頂きありがとうございました。クラウドプラットフォームを生かすも殺すも開発者次第だと思っております。是非、企業の発展に有効活用して頂きたいと思います。