研修で提供できるのは、つまるところ「メタ認知とロール・モデル」の2つではないか?

漠然と私が考えていたことを、以下の受講者の方の感想メールで気づかされました。

ちなみに「メタ認知」というのは、自己を客観視することで得られる気づきのことであり、

「ロール・モデル」とは、お手本のことです。

受講者の欠点を指摘することは逆効果です。批判だけなら誰でも出来ます。

講師は良い見本を見せるのがその役割ではないでしょうか?

少し長くなりますが、以下に往復メールを紹介させていただきます。

セイ・コンサルティング・グループ株式会社 山崎さま

お世話になっております。
○○ です。

先日の「ITプロフェッショナルのためのコミュニケーション」研修では
大変お世話になりました。
その後、毎日文章を書く際は研修でのことを思い出し、
構造化するように努力しています。
ありがとうございました。

さて、研修での気づきについて、
私からは二点思ったことがありましたので
感想として以下に述べたいと思います。

一点目は、
文章構成は他人に見てもらうと大きな気づき(改善)が得られるということです。

先日の演習では、自分では良いと思っているピラミッド構造も、
他人から見ると切り口が甘いということを感じました。
特に予備知識が無い方に話を聞かせた際にモヤッとした顔をされるようでは
まだまだである、という教えは、ペアで作業をしていてまさにその通りであると感じました。

逆に言えば、自分の考えたピラミッド構造に自信が無い時は、
人に話してみればヒントが得られるのかもしれないと考えるようになりました。
タイミングには気をつけつつ、悩んだときは積極的に相談していくことが大事だと
感じました。

二点目は、プレゼンテーションでの「えー。あー」の改善は、
TOBEとしたいパフォーマンス像を想像すると
改善の近道になるのではないかという気づきです。

私の場合、癖になっている動作を無理に消そうとすると、
かえって自分のリズムを失ってうまく話せなくなってしまう
ということがよくあります。
このようなとき、「一般的には頭が真っ白になる」といった言い方をしますが、
私は頭だけでなく体全体がどこかに飛んでしまったような感覚に陥ります。
口も手も足の動きも、自分というものを丸ごと忘れてしまったような気分です。

ところが先日の研修では、なぜかいつもより「えーあー」を少なくできた気がします。
このとき私が行ったのは、先生の話し方をとにかくまねることでした。
つまり、「えーあーを言わない」という否定的な行動を意識するのではなく、
「こうなりたい」という肯定的な行動を意識するほうが、
よりリラックスした状態に移行できるのではないかと思います。

ただ、ASISとあまりにかけ離れているTOBEを想像してもうまくいきませんので
少し背伸びしたイメージを持つのが、自分には合っているのかなと感じました。

以上、感覚的な気づきではありますが、
感想とさせていただきたく。

この度は本当にありがとうございました。

(講師が返信したメール)

○○様

お世話になります。
セイ・コンサルティング・グループ山崎です。

お忙しいにもかかわらず感想をいただきありがとうございます。
(中略)

以下、いただきましたコメントに少し補足させていただきます。

1.について、

全くそのとおりで人は客観的になることは無理のようです。
○○さんの書いておられた、他社にレビューしてもらうことが
いかに大切かということは、私自身多くの失敗を通じて学びました。

それ以外の方法として、、
しばらく寝かせてから読むのと、読み上げソフトの使用をおすすめしたいと思います。

テキスト読み上げソフト
「棒読みちゃん」
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se475579.html
私は大事な文章は、このソフトに読ませて、おかしくないかチェックしています。

2.について、

「TOBEとしたいパフォーマンス像を想像」することを
私達、人材育成の世界ではロール・モデルと呼んでいます。
職場でも何よりも良い先輩につくことが大切といわれているのはこのことです。

逆に、欠点の指摘は本人の無意識を意識化し、
刷り込みになるという点で気をつける必要があります。

個人的な経験で恐縮ですが、以前担当させていただいた新人研修で
受講者の一人がスーツのポケットの上についている布切れ(フラップというらしいですが)
を入れたり出したりして落ち着きが無いので、なぜなのか聞いたところ、
マナー担当の講師から注意されて、「それきり気になってしょうがない」、とのことでした。

(ちなみにフラップは、室内においてポケットの中に入れるのが正しいマナーとされています)

良い状態をイメージすることは大切ですね。

以上、○○さんの感想に触発されて長文になりました。

またお会いしましょう。

今後ともよろしくお願いいたします。