解説: オートエンコーダとは?
オートエンコーダは、「入力データ自身」を正解ラベルとして学習するニューラルネットワークです。データを一度、情報量の少ない状態に圧縮し、その圧縮された情報から元通りに復元することを目指します。これにより、データの本質的な特徴を捉えることを学習します。
- エンコーダ (Encoder)
- 入力データを、より低次元のベクトルに圧縮する部分です。入力画像のピクセル情報から、その画像の本質的な特徴を抽出します。
- 潜在空間 (Latent Space)
- データが最も圧縮された中間層で、オートエンコーダの"ボトルネック"です。このデモでは2つのノード(Z1, Z2)で表現されています。ここにデータの本質が凝縮されます。スライダーを動かすことで、この潜在空間の値を直接操作できます。
このデモでのZ1, Z2の意味:
- Z1: この値を変化させると、主に数字の「縦の線の強さ」が変わります。「1」や「7」を選ぶとこの値が高くなり、「3」や「5」を選ぶと低くなる傾向があります。
- Z2: この値を変化させると、「上下の横線や丸み」が変わります。「0」や「8」ではこの値が高く、「1」や「4」では低くなります。
これらの意味は、モデルがデータから自律的に学習した結果です。
- デコーダ (Decoder)
- 潜在空間のベクトルを受け取り、元の入力データを復元(再構成)しようと試みる部分です。潜在空間の情報だけを頼りに、元の画像を「描画」する画家に例えられます。
- 何が面白いのか?
- このデモの真骨頂は、潜在空間のスライダーを動かすことです。例えば、「7」を選択した後にスライダーを少し動かすと、「1」に近い形や、少し崩れた「7」が生成されるのが見えます。これは、潜在空間が数字の「形」という連続的な特徴を学習している証拠です。存在しなかったデータを新たに生成できるため、データ生成モデル(Generative Model)の基礎的なアイデアとして非常に重要です。