1. システム開発の定義と重要性
みなさんは、エンジニアとしてシステム開発をする仕事に就きました。
システム開発とは、新しいシステムを構築または改善することです。
システム開発には新しいソフトウェアの開発、既存のシステムの拡張、システムの統合、または新しいハードウェアの導入などが含まれます。システム開発は、ビジネスニーズに応え、組織のパフォーマンスを向上させるために行います。
システム開発には、システムの分析、設計、実装、テスト、展開(デプロイメント)などのフェーズがあります。それぞれのフェーズでアウトプットを作成します。
システム開発の重要性は以下のとおりです。
- 業務プロセスを自動化することで、時間と資源の節約が可能となり、生産性と効率が向上します。
- 情報の収集、保存、分析、共有が容易になり、より良い意思決定を行うための情報を提供します。
- ビジネスの要件に基づいてカスタマイズされたシステムを開発することで、特定のビジネスニーズを満足させることができます。
- ライバル企業に対して競争優位性を保つための重要な要素となります。
- ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を向上させ、顧客満足度を高めるための重要な手段です。
したがって、システム開発はビジネスの成長と進化に不可欠であり、その成功は組織の効率、競争力、そして成功に大きな影響を与えます。
2. システム開発の種類とそれぞれの特性
システム開発にはさまざまな手法が存在します。それぞれ独自の特性があるため開発するシステムの要件や目標によって最適なものを選ぶことが重要です。
以下にいくつかの主要なシステム開発の手法とそれぞれの特性について説明します。ただし、排他的なものではないので実際にはこれらを組み合わせてプロジェクトごとに最適な手法を組み合わせることがほとんどです。
2.1 ウォーターフォールモデル
英語の【waterfall】には滝という意味があります。この手法は、システム開発を一連の直線的なフェーズ(要件定義、設計、実装、検証、保守など)に分割します。そして、滝という名前の通り一つのフェーズが完了しないと次のフェーズに進むことができないという特性があります。このことからプロジェクトの全体的な計画と管理が容易になりますが、反面、柔軟性が欠けており、早期の段階で全ての要件を完全に理解している必要があります。伝統的なシステム開発手法なので当社研修でも一度はウォーターフォール開発を経験いただくことになるはずです。
2.2 アジャイル開発
英語の【agile】には素早いという意味があります。アジャイル開発は、プロジェクトを小さな単位に分割し、短期間の繰り返し(スプリント)で作業を行います。これにより、プロジェクトは柔軟性を持ち、変更に対応することが容易になります。顧客との密接なコミュニケーションを通じて、開発過程でのフィードバックと変更を容易に取り入れることができます。更にアジャイルにも色々な手法があり、スクラム開発やXPなどがあります。当社研修の最終課題でもアジャイル開発(スクラム開発)を取り入れることがあります。
2.3 プロトタイピング
プロトタイピングでは、初期の段階でプロトタイプ(試作品)を開発します。プロトタイプをユーザーや顧客に見せてフィードバックをもらうことでシステムを改善し、最終的なシステムが実際の要件と一致するようにすることができます。要件が明確でない場合や、新しい技術を探求する場合に特に有用です。当社研修の最終課題でも早めに画面を作成して、顧客役の人に見てもらうようにするとイメージのズレを最小限にでき、手戻りをなくすことができます。
上記はシステム開発の手法の一部です。開発プロジェクトの特性(例えば、プロジェクトの規模、期限、予算、技術的複雑さなど)に応じて適切な手法を選択することが重要です。
次回は、「SDLCを知り全ての工程に関われるエンジニアになる」を学びます。