自己肯定感を高める“農作業研修”のすすめ:人材育成に自然体験を取り入れる理由

こんにちは。ゆうせいです。

今日は人材育成のご担当者に向けて、「農作業を取り入れた自己肯定感の向上研修」についてご提案します。

「農業?自己肯定感?会社の人材育成とどう関係あるの?」と疑問に感じたかもしれません。でも実は、自然と向き合う農作業には、従業員の自己理解・成長意欲・メンタル安定に大きく貢献する可能性があるんです。

ではなぜ、農作業が“育成施策”として注目されるのか?その背景やメリット、実施上のポイントを、わかりやすく解説していきます。


自己肯定感が高い社員は“変化に強い”

まずは「自己肯定感(じここうていかん)」という言葉の意味を整理しましょう。

自己肯定感とは?

心理学の分野では、「自分には価値がある」「今の自分でよい」と思える感覚のことを指します。これは以下のようなビジネス上の力とも密接に関係しています。

自己肯定感が高いと…自己肯定感が低いと…
チャレンジ精神がある新しいことに消極的になる
チームの中で意見を出せる他者に流されやすい
失敗しても立ち直れる落ち込みやすく行動が止まる

つまり、自己肯定感は“レジリエンス(心の回復力)”の源。VUCA(ブーカ)時代において、強い人材を育てる上での基盤になります。


なぜ農作業で自己肯定感が育まれるのか?

「農作業がメンタルに良い」ということは感覚的に理解しやすいかもしれませんが、人材育成に使うにはその“理論的根拠”が必要ですよね。以下で3つのポイントに整理して説明します。

1. 可視化される“達成感”が自信を育てる

農作業は、たとえばこんなプロセスです:

  1. 土を耕す
  2. 種をまく
  3. 水やり・除草
  4. 収穫

この一連の作業には、“目に見える成果”が必ず存在します。野菜や花が育ち、形になることで「自分がやったことが形になった」という感覚が得られるのです。

このプロセスは「成功体験の構造」に近く、心理学では「自己効力感(self-efficacy)」の形成に役立つとされます。

自己効力感とは?

「自分はやればできる」という信念。モチベーションのエンジンとなる心理的資源。

2. 自然との接点が“ストレス低減”を促す

現代人のストレスは、情報過多・人間関係・スピード感に起因することが多いです。農作業を通じて自然と触れ合うことで、「副交感神経」が優位になり、心拍数や血圧が安定することが実証されています。

参考:森林浴実験の結果(図)

Stress level
│        ●
│      ●    農作業後
│    ●
│  ●
│●
│________________________
      Before         After

このように、農作業を含む“自然療法的アプローチ”は、メンタルヘルス施策としても非常に有効です。

3. “無心の時間”が自己対話をうながす

農作業では単純で繰り返しの作業が多いため、雑念を減らしやすいです。これはいわば、マインドフルネス研修の実地版。瞑想と同様に、自己観察・自己理解が深まります。


人材育成の文脈でどう活かす?

では実際に、農作業体験を人材育成にどう組み込めばいいのか、事例ベースでご紹介します。

活用例1:新入社員向け「自己理解プログラム」

  • 入社直後のオリエンテーションに1日農業体験を組み込む
  • 午後に「自分を見つめるワークシート」と合わせて振り返り
  • テーマ:「自然と向き合い、自分の“育て方”を考える」

活用例2:管理職向け「リーダーシップと土づくり」

  • チームビルディング研修として共同作業(例:畑区画ごとの目標設計)
  • 作業の中で「関係構築」「役割分担」「先読み思考」などを観察
  • 振り返りでリーダー像を内省するワークを実施

活用例3:メンタル不調予防のリフレッシュ研修

  • ストレス耐性向上目的で、自然と向き合う体験を導入
  • 都市近郊の農園や里山で日帰り実施
  • HRとの定期フィードバックと組み合わせて活用

メリットと注意点を整理

メリット説明
成果が実感しやすい野菜の成長などで“結果”を可視化
ストレス軽減自律神経バランスを整える
自己理解の深化無心になる時間で内省が進む
チーム形成にも有効共通の目的に向かう協働体験
注意点対応策
アレルギー・虫嫌いの配慮事前アンケートと装備の準備
物理的な移動の負担都心からアクセスの良い施設選定
成果が長期で出る点作業当日の“振り返り設計”を丁寧に

まとめと今後の検討ポイント

農作業体験は、ただの“癒しイベント”ではありません。

自己肯定感、レジリエンス、チーム形成、メンタルヘルスという、現代の人材育成に不可欠なテーマに直結する“多機能プログラム”です。

今後検討していく場合は以下の観点が重要です:

  • どの層(新卒/中堅/管理職)に提供するか?
  • 内省や振り返りワークをどう設計するか?
  • 社内風土との相性は?

社内だけで完結しにくい施策だからこそ、外部の専門機関と連携する選択肢も視野に入れてください。


ご関心があれば、具体的なプログラム設計案もご提案できますので、ぜひお声がけくださいね!