検定と推定の違い

検定と推定は、統計学において異なる目的で使用される手法ですが、どちらもデータを用いて結論を導くための方法です。それぞれの違いについて説明します。

検定 (Hypothesis Testing)

  • 目的: 仮説を検証することです。具体的には、ある仮説がデータによって支持されるかどうかを判断します。
  • : 「ある新しい薬が従来の薬より効果があるかどうか」という仮説を立てて、統計的にその仮説を検証します。
  • 手順:
  1. 帰無仮説(通常は「効果がない」や「違いがない」など)を設定します。
  2. 対立仮説(通常は「効果がある」や「違いがある」など)を設定します。
  3. データを用いて検定統計量を計算し、p値を算出します。
  4. p値と有意水準(通常は0.05)を比較し、帰無仮説を棄却するかどうかを決定します。

推定 (Estimation)

  • 目的: 母集団のパラメータ(例えば平均や割合など)をデータから推定することです。
  • : 「ある都市の平均所得を推定する」といった場合、サンプルデータからその平均を推定します。
  • 手順:
  1. 点推定(例えばサンプル平均など)を用いて母集団パラメータを推定します。
  2. 区間推定(例えば95%信頼区間など)を用いて、その推定値の信頼性を評価します。

主な違い

  • 検定は、仮説が正しいかどうかを判断するプロセスであり、推定は、未知の母集団パラメータの値を求めるプロセスです。
  • 検定では、結論として仮説を棄却するかしないかが得られますが、推定では、母集団パラメータの具体的な値やその範囲が得られます。

このように、検定と推定は統計的分析において異なる役割を持っていますが、両者ともデータに基づいて意思決定を行うために重要です。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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