社会に貢献するのはボランティアかビジネスか？

2024年10月5日 2024年10月5日山崎講師

山崎講師

社会に貢献するための方法には、大きく分けて「ボランティア」と「ビジネス」があります。どちらも社会のために役立つことを目指しますが、そのアプローチや効果には違いがあります。今回は、ビジネスが納税をし、利益という形で価値を見せる一方、ボランティアは無償で提供され、必要性が見えにくいという観点から、どちらがより社会に貢献しているのかを考えてみましょう。

ビジネスの社会貢献：納税と利益という形での価値

まずビジネスについて見ていきましょう。ビジネスは、利益を追求する活動です。商品やサービスを提供し、その対価としてお金を得る仕組みです。利益を上げるということは、社会にとって価値のあるものを生み出していることの証でもあります。

ビジネスのもう一つの大きな役割は、納税です。企業が利益を上げると、それに応じて税金を支払います。この税金は、国や地方自治体の収入となり、公共サービスの提供やインフラの整備に使われます。たとえば、教育、医療、警察、道路の整備などはすべて、企業や個人が支払う税金によって賄われています。

ビジネスが社会に与える貢献の大きなポイントは、こうした「目に見える形」で社会に還元される点です。利益が出れば、それが直接社会の発展に寄与するだけでなく、雇用も生まれ、人々の生活が安定します。

ビジネスのメリット

納税を通じた社会貢献：企業が稼ぐほど社会に税収として還元される。
雇用の創出：ビジネスが成長することで新たな雇用が生まれ、経済が活性化する。
利益の再投資：利益が出ると、それを使ってさらに社会的価値のある商品やサービスを提供できる。

ビジネスのデメリット

利益優先のリスク：社会のニーズに応えるよりも、利益を優先するビジネスも存在する。
環境や労働者への負担：利益を追求する過程で、環境や労働者の権利が侵害されることもある。

ボランティアの社会貢献：無償の善意

一方、ボランティア活動は無償で行われることが一般的です。人々の善意によって支えられており、金銭的な対価を求めずに困っている人々を助けることができます。例えば、災害時の救助活動や、孤児院での教育支援などは、ボランティアの力によって実現されています。

ボランティアの最大の魅力は、純粋に他者のために行動するという点です。しかし、無償であるがゆえに、その活動が「本当に社会に必要とされているのか」が見えにくい場合もあります。たとえば、短期的な熱意で行われたボランティアが、実際には現地の人々にとって迷惑になったり、持続可能な解決策を提供できないこともあるのです。

また、ボランティア活動は一般的に収益を生まないため、財源が限られています。そのため、資金や人材の不足により、思うように活動を継続できないケースもあります。

ボランティアのメリット

純粋な社会貢献：利益を求めないため、困っている人々に直接的な支援を提供できる。
柔軟性が高い：ニーズに応じて、さまざまな形で支援を行える。

ボランティアのデメリット

持続性の問題：無償で行われるため、資金や人材が不足しやすく、長期的な解決策を提供できないことがある。
本当に必要かどうか不明な場合がある：無計画なボランティアが逆に現地の自立を妨げるケースもある。

どちらが社会により貢献しているのか？

このように、ビジネスとボランティアはそれぞれ異なる形で社会に貢献していますが、どちらがより重要かという問いには簡単に答えられません。ビジネスは納税や雇用を通じて、経済的に社会を支えます。一方でボランティアは、利益を求めないため、経済的に困っている人々や弱い立場にいる人々への直接的な支援を行います。

しかし、ボランティアの活動が持続可能でない場合も多いため、長期的に見れば、ビジネスが社会の基盤を支える重要な役割を果たしているとも言えるでしょう。ビジネスが生み出す利益や雇用は、持続的な発展を可能にし、最終的には社会全体の豊かさに繋がります。

結論：バランスが重要

ビジネスとボランティアのどちらか一方だけが社会に貢献するというわけではなく、両者がバランスよく機能することが大切です。ビジネスが経済的な安定を提供し、ボランティアが弱者を支援することで、より包摂的で持続可能な社会が実現できるのです。

今後の社会においては、ビジネスの社会的責任（CSR：Corporate Social Responsibility）やソーシャルビジネスのように、利益を追求しつつも社会に貢献する新しい形のビジネスがますます重要になっていくでしょう。皆さんも、社会貢献を考える際には、ビジネスとボランティアの両面から見てみると、より多角的な視点が得られるはずです。

投稿者プロフィール

山崎講師代表取締役

セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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