P値を求める計算式について
P値(p-value) は、統計学において仮説検定で用いられる重要な指標で、得られた結果が「偶然」によるものかどうかを示す値です。具体的には、帰無仮説(null hypothesis) が正しいという前提のもとで、観測されたデータの統計量が得られる確率を示します。P値が小さいほど、そのデータは偶然では説明できないと判断し、帰無仮説を棄却することができます。
P値は、具体的な検定方法に応じて異なる計算式が使用されます。以下では、代表的な検定とそのP値の求め方を説明します。
1. Z検定のP値の計算
Z検定 は、母平均が既知の標準偏差を持つ正規分布に従う場合に使用される方法です。観測されたデータのZスコアを使ってP値を計算します。
Zスコアの計算
Zスコア(Z値)は次の式で計算されます。
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2. t検定のP値の計算
t検定 は、母集団の標準偏差が未知で、サンプルサイズが小さい場合に使用されます。t分布を用いるため、Z検定とは少し異なる分布を使います。
t値の計算
t値は次の式で計算されます。
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3. カイ二乗検定のP値の計算
カイ二乗検定 は、カテゴリカルデータの分析に使われます。観測されたデータと期待されるデータの差が偶然かどうかを検定します。
カイ二乗値の計算
カイ二乗値は次の式で計算されます。
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4. F検定のP値の計算
F検定 は、2つ以上のグループの分散が等しいかどうかを検定する方法です。
F値の計算
F値は次の式で計算されます。
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まとめ
P値の計算は、使用する検定方法に応じて異なりますが、基本的な流れは次の通りです。
- 検定統計量(Z値、t値、カイ二乗値、F値など)を計算する。
- その値に基づいて、適切な累積分布関数を用いてP値を算出する。
各検定方法に対応する累積分布関数を活用することで、P値が得られます。
投稿者プロフィール
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- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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