なぜ、ラムダ式と非同期プログラミングの理解が重要か?

C#でモダンなアプリを作ろうとしたとき、「ラムダ式」と「非同期プログラミング(async/await)」という2つのキーワードに必ず出会います。
これらは単なる“難しそうな機能”ではなく、実用性が非常に高く、ソフトウェア開発において重要な役割を果たす道具なのです。

ラムダ式とは?関数を“その場で”サッと書く便利な仕組みです。

例えるなら、ちょっとした用事を頼むときに「メッセンジャーで渡す」ようなものです。いちいち形式張ったメール(=メソッド定義)を書く必要がないぶん、手軽なんです。

また、アプリを操作していて「画面が固まった…」なんて経験、ありますよね?

これは、重たい処理(たとえばWebアクセスやファイル読み込み)をメインスレッドで実行してしまったことが原因です。

そこで活躍するのが async/await を使った非同期処理です。言うなれば「呼び鈴を押して、順番が来たら呼ばれる」ような仕組みです。

ラムダ式とは

■ 概要

ラムダ式は、無名関数(名前を持たない関数)を簡潔に記述するための構文です。C#では、関数型プログラミングの要素として導入され、コレクションの操作や非同期処理など、さまざまな場面で活用されています。

(int x, int y) => x + y

上記は2つの引数を受け取り、その合計を返すラムダ式です。

■ 書式

(引数リスト) => 式またはステートメントブロック


単一式の場合:

x => x * x

ステートメントブロックの場合:

x =>
{
    int y = x + 10;
    return y;
}




■ 使用例:LINQとの連携

List<int> numbers = new List<int> { 1, 2, 3, 4, 5 };
var evens = numbers.Where(n => n % 2 == 0).ToList();

foreach (var num in evens)
{
    Console.WriteLine(num); // 2, 4
}

このように、ラムダ式はLINQでフィルタ処理やマッピング処理などに頻繁に使用されます。


async / await による非同期プログラミング

■ 概要

C#のasync/awaitキーワードは、非同期処理(Async Programming)を簡単に記述できるようにする構文です。UIのフリーズを防いだり、待機時間を有効活用するようなシナリオで活躍します。

■ async と await の基本構文

async Task SampleAsync()
{
    await Task.Delay(1000);
    Console.WriteLine("1秒経過しました");
}

  • async:このメソッドは非同期処理を行うことを示します。
  • await:非同期メソッドの完了を待ちます(その間、スレッドは他の作業を行える)。

■ 使用例:Web APIの呼び出し

async Task<string> GetDataAsync()
{
    using (HttpClient client = new HttpClient())
    {
        string result = await client.GetStringAsync("https://example.com/data");
        return result;
    }
}

■ 実行例

static async Task Main(string[] args)
{
    string data = await GetDataAsync();
    Console.WriteLine(data);
}

非同期メソッドは、通常TaskTask<T>型を返し、MainメソッドもC# 7.1以降は非同期にできます。


ラムダ式と非同期の組み合わせ

ラムダ式の中でもasyncを使うことができます。

Func<Task> asyncLambda = async () =>
{
    await Task.Delay(1000);
    Console.WriteLine("非同期ラムダ式");
};

await asyncLambda();

イベントハンドラや非同期な処理ロジックをインラインで書きたいときに便利です。

<まとめ:隣の人に正しく説明できたらチェックを付けましょう>

□ ラムダ式は関数を簡潔に記述できる強力な機能で、LINQやコールバックなどに有効。

□ async/awaitは非同期処理を直感的に書けるようにし、アプリケーションのレスポンスを高める。

□ 両者は組み合わせることもでき、モダンなC#アプリ開発には欠かせない存在です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。