ChatGPTの活用事例とは?愛知県内企業から自治体まで詳しくご紹介

ChatGPTを社内利用できるようにすることで、新たなビジネスモデルを生み出したり業務効率化を計ったりしたいけれど、企業利用にはリスクもあるしどうしたものかと悩んでいる人はいませんか?

この記事では、ChatGPTをこれから導入したいIT企業の参考になる活用事例をご紹介します。

ChatGPTの活用事例

ChatGPTについてまだ何もわからない状態

2021年11月26日の日本経済新聞で、各市町村における人工知能(AI)の導入率は愛知県が87%で全国トップだったことがニュースとして報じられました。

愛知県や愛知県内の市町村、企業には早くからAIを導入した先進的な事例がたくさんあるのでこれからChatGPTを活用したいIT企業にはこれらが大いに参考となるでしょう。

愛知県内でのChatGPTや生成AIの活用事例を5つご紹介します。

参考:日本経済新聞「AI活用、愛知が全国トップ 自動応答や文字読み取り」

愛知県

愛知県ではChatGPTを始めとする生成AIの活用について、2023年6月に愛知県DX推進本部内に「生成AI活用検討チーム」を立ち上げ、愛知県庁内での利活用について検討してきました。

その結果愛知県では2023年11月7日に「生成AIの利用に関するガイドライン」を策定し、推奨する活用例や利用条件、禁止事項や注意事項を定めて職員が生成AIを一定のルールに即して業務利用できるようになったのです。

「生成AIの利用に関するガイドライン」では、ガイドラインを定めた目的を「生成AIが持つ情報漏洩や他者への権利侵害といった危険性を回避しながらデジタル技術の導入目的である持続可能な形での行政サービスの提供」としています。

「生成AIの利用に関するガイドライン」の主な内容は次の通りです。

項目概要
推奨する活用例・アイデア創出
・文章の翻訳
・Excelの関数やマクロのコードなどの作成
その他の活用例・文章作成の補助など
・文章の要約
利用条件・愛知県情報セキュリティポリシーを順守する
・入出力内容を記録する機能のあるサービスを利用する
・入力内容をAIの学習内容に反映させないサービスや機能を選ぶ
業務をする上で生成AIの出力結果をそのまま使わない
・情報政策課からの指示があれば従う
データを入力する際の禁止事項・機密情報を生成AIに入力しない
生成された回答を利用する際の注意事項生成した回答に誤りがある可能性がある
AIに判断や責任を負わせることはできない
生成物を使用すると著作権・商標権・意匠権などを侵害する可能性がある
・生成物に著作権が発生しない可能性がある
・生成AIのポリシー上の制限に注意する

やみくもにAI利用を推進するのではなく、利用条件や禁止事項も定めルールに則した活用を推進した好事例と言えるでしょう。

参考:愛知県「生成AIの利用に関するガイドライン」

愛知県内市町村

愛知県内での市町村の各ホームページでは、2020年11月16日より市町村の各ホームページにAIチャットボットを導入しています。

これにより24時間365日、インターネットで入力された住民からの問い合わせに対しあらかじめ整備されたQ&Aのデータを元にAIが適切な回答をしてくれるのです。

業務時間外でも問い合わせに対応でき職員が直接回答する手間も削減できるので、市町村にとってはサービス向上と業務効率化につながります。

主な対象分野は引越し、福祉・生活支援、ゴミ、子育て、学校・教育、住民票・印鑑登録などです。

今後AIが住民の質問内容を学習し、回答の精度が高まればさらに質の高い行政サービスが提供できるでしょう。

参考:愛知県「愛知県内市町村で『AIを活用した総合案内サービス』を導入します」

名古屋大学

名古屋大学における2023年3月27日に行われた卒業式では、杉山直学長が祝辞の一部を「満開の桜の中での大学の卒業式」というテーマを用いChatGPTで生成しました。

杉山学長は生成された祝辞を紹介した上で「もっともらしいけれど空虚」と評し、「AIの台頭で人間の役割を問われる時代となった」という強いメッセージを発信したのです。

また大学においては論文作成時にChatGPTを活用した場合、盗用に問われる可能性があるとして「大学教育の危機とも言える状況」という認識を示しました。

これは生成AIを積極的に用い、先進的な活用事例を数多く生み出してきた愛知県という環境だからこそ鳴らすことができる警鐘ではないでしょうか。

卒業生がこれから社会で働いていく中で「AIにはできない、自分にしかできない仕事とは何か」を考えるきっかけとなった好事例と言えるでしょう。

参考:中日新聞「ChatGPTに作らせた祝辞で名古屋大学長が卒業生に伝えたことは・・・」

名古屋鉄道株式会社

名古屋鉄道株式会社では従業員からのChatGPTを業務利用したいという要望や、ChatGPTの利用ポリシーを定めてほしいという要望に応え、2023年5月にガイドラインを策定し、生成AIの利用環境も整備することとしました。

ガイドラインではChatGPTを業務利用することは認めているものの、個人情報や機密情報の入力は禁止し、情報漏洩があった場合は速やかに報告するといったルールも定めたのです。

2023年7月に名古屋鉄道グループ全体でChatGPTを導入し、次の3つの独自検証プロジェクトを同時進行で実施しています。

項目概要
汎用活用検証トライアル・生成AIが業務でどのくらい活用できるのかを定性的・定量的に検証する
・文書作成、情報収集、リサーチ、企画のアイデア出し、議事録作成、外国語の翻訳などを行う
・社内で200名ほどから応募がありアカウントを付与して実験を開始
・参加者に利用実績シートに記載してもらう形で業務の削減時間を集約した所200時間の削減効果あり アンケートで「今後も生成AIを使いたいか」と質問した所98%が「YES」と回答
高度活用検証ワークショップ・生成AIに高い知見を持つファシリテーターが主導してより高度でクリエイティブな利用検証をする ・全4回のワークショップを行い初回はプロンプトの作り方や活用事例、2回目以降は具体的な活用方法を学ぶ
自社データ活用生成AI開発・株主総会やIR情報など会社固有の情報に精度の高い回答が出せるよう検証を進める
・システム開発で自社専用の生成AI環境の構築を進める

ガイドラインをまず策定するというのは愛知県の導入事例と似ていますが、ChatGPTを企業でどのように活用できるかの検証や自社が使いやすい環境の構築まで徹底して行っているのが特徴的です。

生成AIに対する理解を使いながら深め、自社の業務効率化に最大限生かした好事例と言えるでしょう。

愛知県公立小学校

愛知県岡崎市立北野小学校の岩月駿人先生は、教育現場におけるChatGPTの活用について次のようなアイデアを提案されています。

項目概要
国語科テストの自動採点・児童の回答をテキストでメモし、プロンプトで点数とその点数をつけた理由も添えるように指示を出して採点をすると児童に対して具体的なアドバイスを添えた採点内容を生成できる
保護者との懇談会の日程表の作成・保護者の希望日時をテキストでメモし、プロンプトで表の作成条件を指示すると自動で日程表が生成できる
・ChatGPTはミスをする可能性もあるため日程など正確性を求められるものに関しては確認が必須
生徒指導事案の出来事整理・生徒指導事案については解決のために事実関係の把握が必要なため、わかりやすく事案を整理する必要がある
・プロンプトで児童から聞き取った内容を時系列で整理するよう指示を出すと矛盾のある部分までわかりやすくまとめられる
・生徒指導事案なのでChatGPTに個人が特定されるような情報は入力しないことが重要

負荷が高いけれどプロンプト次第で効率化できる可能性があるタスクに対し、ChatGPTを活用することで時間や手間の短縮につなげているのがわかります。

教育現場での事務作業を減らし子供たちに向き合う時間を少しでも多くするためにも、教職員の方々がどのようにChatGPTを活用するのかというアイデアを出し合うことから始めるのは重要だと言えるでしょう。

参考:みんなの教育技術「私のChatGPT活用アイデア:テスト採点、日程作成、指導事案整理|岩月駿人 先生(愛知県公立小学校)」

AI活用NO.1の愛知の研修会社セイ・コンサルティング・グループで本場のAI研修を受講しませんか?

IT企業でこれからAI活用を考えているなら、AI導入率NO.1の愛知県の研修会社であるセイ・コンサルティング・グループで本場のAI研修を従業員の方々に受講してもらうのはいかがでしょうか。

セイ・コンサルティング・グループでは前の項目でご紹介したようなChatGPTの先進的な活用事例を深く理解した上で、以下の4種類のAI研修メニューを提供しています。

  • ChatGPTを活用したドキュメンテーション研修
  • AI/IoTの概要とビジネス創造
  • G検定への招待
  • 生成AI活用とプロダクトマネジメント入門

これらの研修内容を例えば愛知県の「生成AIの利用に関するガイドライン」に当てはめてみると、「ChatGPTを活用したドキュメンテーション研修」では文章の翻訳、「AI/IoTの概要とビジネス創造」ではアイデア創出などが学べるため、ルールに即したChatGPTの活用方法が理解できるのです。

また名古屋鉄道株式会社の事例にもあったように、企業で生成AIを導入するには活用方法を同時に学ぶのが大切ですが、「生成AI活用とプロダクトマネジメント入門」を受講すると生成AIについて理解できるだけではなく他の人にも生成AIの活用方法を説明できるようになります。

競合他社の一歩先を行く生成AIの活用方法を検討しているなら、ぜひセイ・コンサルティング・グループにお声がけください。

7.AI研修のおすすめ - セイコンサルティンググループ (saycon.co.jp)

まとめ

ChatGPTの活用事例は数ある中、AIの導入率が87%で全国トップの愛知県における事例が先進的で、IT企業においても参考にしたい内容がたくさん存在します。

特に生成AIを使用する上でのガイドラインを早急に定め、実際に使用する人が適切な使用方法を学びながら同時進行で業務効率化も進めていくというやり方は、業務にスピード感が求められるIT企業でも見習いたい方法だと言えるでしょう。

この記事も参考にして、ぜひ自社においても積極的にChatGPTの活用を推進してみてください。