ランサムウェアに感染してしまったら、身代金は払うべきか? 新人エンジニア向けに解説

登場人物

  • 新人エンジニア(Aさん):ランサムウェア攻撃に直面し、どう対応すべきか悩んでいる。
  • セキュリティ専門家(Bさん):豊富な経験を持つベテランのセキュリティエンジニア。

Aさん(新人エンジニア)

「Bさん、ランサムウェアに感染してしまったら、身代金は払うべきなんですか?最近ニュースでよく耳にするので、どう判断すればいいのか気になります。」


賛成派(身代金を払うべき場合)

Bさん(セキュリティ専門家)

「難しい質問ですね。まず、身代金を払うことを完全に否定するのは現実的ではないケースもあります。賛成派の意見を挙げると、以下のような理由があります。」

  1. データ回復が可能になる可能性が高い
    「ランサムウェアは、重要なデータを暗号化してアクセスできなくする攻撃です。もしバックアップがなく、業務が完全に停止してしまう場合、身代金を払うことでデータを回復できる可能性があります。」
  2. 迅速な業務再開
    「復旧作業に時間がかかると、企業に莫大な損害が出ます。例えば、病院など命に関わる業務では迅速な復旧が最優先になる場合もあります。そのため、一時的な解決策として支払いを選ぶことがあるんです。」
  3. 交渉の余地がある
    「一部の攻撃者は身代金の額を交渉可能な場合もあります。例えば、最初に提示された額よりも低い金額で合意できるケースもあります。」

Aさん(新人エンジニア)

「なるほど……でも、それってリスクが高くないですか?攻撃者にお金を渡すのは、倫理的にどうなのかも気になります。」


反対派(身代金を払うべきでない場合)

Bさん(セキュリティ専門家)

「その通りです。実際、セキュリティ業界では『支払うべきではない』という意見が主流です。その理由も考えてみましょう。」

  1. 攻撃者を助長する
    「身代金を払うと、そのお金が次の攻撃の資金になります。つまり、自分たちの支払いが新たな被害者を生む原因になってしまう可能性があります。」
  2. データが必ず戻る保証がない
    「攻撃者が約束を守るかどうかは分かりません。支払いをしてもデータが返ってこないケースや、暗号化が解除されないケースもあります。また、支払い後に別の攻撃者に再攻撃される可能性も高まります。」
  3. 法的・倫理的問題
    「一部の国では、攻撃者への身代金支払いが違法とされることがあります。また、犯罪組織への資金提供とみなされ、企業の評判に傷がつく可能性もあります。」

Aさん(新人エンジニア)

「確かに、犯罪を助けてしまう可能性があるのは怖いですね。でも、バックアップがなく、業務が完全に停止している場合、どうすればいいんでしょう?」


対応の現実的な選択肢

Bさん(セキュリティ専門家)

「確かに、『払うか払わないか』だけでは解決しない現実があります。まずは、以下のポイントを考えるべきです。」

  1. バックアップの確認
    「まず、攻撃される前に定期的なバックアップを取ることが最善策です。もし最新のバックアップがあれば、それを使ってデータを復元できます。」
  2. 専門家への相談
    「ランサムウェア対策を専門とする企業やセキュリティ機関に相談するのが重要です。攻撃の種類によっては、すでに暗号化を解除する方法が見つかっている場合もあります。」
  3. 法執行機関への報告
    「ランサムウェア攻撃を受けた場合、すぐに法執行機関に報告しましょう。国際的な犯罪組織に対する捜査が進んでいるケースもあります。」
  4. 身代金支払いを最終手段とする
    「どうしても業務再開が急務であり、他に手段がない場合にのみ、慎重に判断するべきです。ただし、その場合も法的リスクや長期的な影響を十分に考慮してください。」

Aさん(新人エンジニア)

「なるほど。バックアップや専門家への相談が大事なんですね。もしものときに備えて、セキュリティ対策を強化しておいたほうが良さそうです。」


まとめ:賛否両論と現実的な結論

Bさん(セキュリティ専門家)

「そうですね。身代金を払うべきかどうかには、賛否両論がありますが、最善の方法は攻撃を受ける前に対策をしておくことです。」

  • 賛成派:データ回復や迅速な業務再開が理由で支払いを選ぶ場合もある。
  • 反対派:犯罪者を助長せず、リスクを避けるため支払わないことを推奨する。

「どちらの選択肢を取るにせよ、バックアップの定期取得やセキュリティ教育、専門家との連携を強化して、そもそもランサムウェアの被害を受けない仕組みを作ることが一番大切です!」


Aさん(新人エンジニア)

「今日の話を聞いて、セキュリティ対策の重要性がよく分かりました。早速、バックアップ体制を見直してみます!」ほしいと思います。まずはRAGの基本を理解し、小さな実験から始めてみましょう。この分野はまだ進化の途中なので、学ぶほど新しい可能性が見えてくるはずです!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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