Spring Bootでよく使われるアノテーションの種類とその役割

2025年2月20日 最終更新日時 : 2025年2月20日 山崎講師山崎講師

こんにちは。ゆうせいです。

Spring Boot を使っていると、@RestController や @Autowired などの アノテーション をよく見かけますよね？
Spring Boot ではアノテーションを使うことで、設定ファイルを書かずに多くの処理を自動化できます。

今回は、Spring Boot でよく使われるアノテーションを カテゴリ別 に整理しながら、その役割を詳しく解説していきます！

1. Spring Boot のアノテーションとは？

アノテーション（@Annotation）とは、クラスやメソッド、フィールドに メタデータ（付加情報） を与える仕組みです。
Spring Boot では、アノテーションを使うことで 設定を簡略化し、コードの可読性を向上させる ことができます。

例えば、@RestController を付けるだけで 「このクラスはREST APIを提供する」 という意味を持たせられます。

2. Spring Bootでよく使われるアノテーション一覧

Spring Boot のアノテーションを カテゴリ別 に整理すると、以下のようになります。

カテゴリアノテーション例役割
Spring Bootの起動@SpringBootApplicationアプリケーションのエントリポイント
コンポーネント管理@Component, @Service, @Repository, @Controller, @RestControllerBeanの管理・登録
DI（依存性注入）@Autowired, @Qualifier, @Primary依存関係を自動注入
設定・プロパティ管理@Value, @Configuration, @ConfigurationProperties設定値を管理
データアクセス（JPA）@Entity, @Table, @Id, @GeneratedValue, @Column, @Repositoryデータベース関連
トランザクション管理@Transactionalトランザクション制御
リクエスト処理@GetMapping, @PostMapping, @PutMapping, @DeleteMapping, @RequestMapping, @RequestParam, @PathVariableREST APIのエンドポイント定義
バリデーション@Valid, @NotNull, @Size, @Min, @Max, @Patternフォーム入力のバリデーション
AOP（アスペクト指向プログラミング）@Aspect, @Before, @After, @Around横断的関心事（ログ、認証）を管理
非同期処理@Async, @EnableAsync非同期処理の実装
スケジュール実行@Scheduled, @EnableScheduling定期的な処理の実装

それでは、これらのアノテーションを 具体的なコード例 とともに詳しく解説していきます！

3. Spring Bootの起動に関するアノテーション

① @SpringBootApplication

Spring Boot のエントリポイント（起動クラス）につけるアノテーションです。

import org.springframework.boot.SpringApplication;
import org.springframework.boot.autoconfigure.SpringBootApplication;

@SpringBootApplication
public class MyApplication {
    public static void main(String[] args) {
        SpringApplication.run(MyApplication.class, args);
    }
}

この @SpringBootApplication は、次の3つのアノテーションを含んでいます。

アノテーション役割
@Configuration設定クラスとして認識
@EnableAutoConfiguration自動設定を有効化
@ComponentScan@Component などのBeanをスキャン

4. コンポーネント管理のアノテーション

Spring Boot では、特定のアノテーションを付けるだけでクラスを Springコンテナの管理下（Bean） に置けます。

アノテーション用途
@Component汎用的なBean
@Serviceビジネスロジックを実装するクラス
@Repositoryデータアクセスを担当するクラス
@ControllerMVCのController層
@RestControllerREST API用のController

① @RestController の使用例

import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RequestMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RestController;

@RestController
@RequestMapping("/users")
public class UserController {
    @GetMapping
    public String getUsers() {
        return "ユーザー一覧を返す";
    }
}
  • @RestController → REST API を提供するクラス
  • @RequestMapping("/users") → /users というパスのリクエストを処理
  • @GetMapping → GET /users のリクエストを処理

5. 依存性注入（DI）のアノテーション

① @Autowired

Spring のDI（依存性注入）を実現するアノテーション。

import org.springframework.beans.factory.annotation.Autowired;
import org.springframework.stereotype.Service;

@Service
public class UserService {
    private final UserRepository userRepository;

    @Autowired
    public UserService(UserRepository userRepository) {
        this.userRepository = userRepository;
    }

    public void getUser() {
        userRepository.findUser();
    }
}

6. REST APIのアノテーション

Spring Boot では、アノテーションを使ってREST APIのエンドポイントを簡単に作成できます。

アノテーションHTTPメソッド
@GetMappingGET（データ取得）
@PostMappingPOST（データ登録）
@PutMappingPUT（データ更新）
@DeleteMappingDELETE（データ削除）
@RequestMapping任意のHTTPメソッド

① @GetMapping の例

@GetMapping("/hello")
public String hello() {
    return "Hello, World!";
}

→ GET /hello で "Hello, World!" を返す。

7. データベース関連（JPA）のアノテーション

Spring Data JPAを使うと、データベース操作が簡単になります。

アノテーション用途
@EntityJPAのエンティティクラス
@Table(name = "users")データベースのテーブル名を指定
@Id主キー（PK）を指定
@GeneratedValue主キーの自動採番
@Column(name = "email")カラム名を指定

① JPAエンティティの例

import jakarta.persistence.*;

@Entity
@Table(name = "users")
public class User {
    @Id
    @GeneratedValue(strategy = GenerationType.IDENTITY)
    private Long id;

    @Column(nullable = false)
    private String name;

    // ゲッター・セッター省略
}

まとめ

Spring Boot のアノテーションは、設定をシンプルにし、開発を効率化します。
基本的なアノテーションを理解し、実際のプロジェクトで活用できるようにしましょう！

次は 「Springのスコープ」や「AOP（アスペクト指向プログラミング）」 について学ぶと、さらに理解が深まりますよ！

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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