【初心者エンジニア向け】物体検出とは?基礎から仕組み・活用例までやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回は「物体検出(ぶったいけんしゅつ)」について、新人エンジニアの方向けにわかりやすく解説していきます。
名前は聞いたことがあるけれど、「画像認識とどう違うの?」「AIがどうやって物体を見つけるの?」といった疑問をお持ちではありませんか?
安心してください。専門用語も例えを交えてじっくり解説していきますので、初めての方でも理解できる内容になっています。
物体検出とは?
画像認識との違いを理解しよう
まず、「画像認識」と「物体検出」の違いをはっきりさせておきましょう。
- 画像認識(Image Classification):画像全体を見て「猫が写っている」などを判断する
- 物体検出(Object Detection):画像の中の「どこに」「何が」あるかを判断する
たとえば、画像に3匹の猫と1匹の犬が写っていたとします。
- 画像認識:「猫が写っている(犬もいるけど判断できないかも)」
- 物体検出:「左上に猫、中央に猫、右下に犬」といった位置情報つきの判断
つまり、物体検出は“何が”だけでなく“どこに”まで分かるのがポイントなんです!
どんな仕組みで動いているの?
特徴抽出から分類・位置推定まで
物体検出の流れは、大まかに以下の3ステップに分けられます。
- 特徴抽出(Feature Extraction)
画像の中から「エッジ(輪郭)」や「色」「形」といった視覚的な特徴を見つけます。これは、人間が目で“なんとなく”見ている情報を、数値的に表現するイメージです。 - 分類(Classification)
見つけた特徴が「犬か猫か車か」など、何に属するのかを分類します。 - 位置推定(Localization)
それが画像のどこにあるのか(座標)を推定し、バウンディングボックス(Bounding Box)と呼ばれる枠で囲みます。
図で表すと、こんなイメージです:
[画像] → 特徴抽出 → クラス分類 → バウンディングボックス描画
よく使われるモデルを紹介!
代表的な物体検出アルゴリズム
アルゴリズム名 | 特徴 | 処理速度 | 精度 |
---|---|---|---|
R-CNN | 画像の領域を一つ一つ切り出して分類 | 遅い | 高い |
YOLO(You Only Look Once) | 一度の計算で全部の物体を検出 | 速い | やや劣るが十分 |
SSD(Single Shot MultiBox Detector) | YOLOに近いがよりバランス型 | 中間 | 中〜高 |
YOLOの特徴をもう少し掘り下げると?
YOLOは、画像をグリッド(格子)状に分割し、各セルで「物体があるか?」「どこにあるか?」を一度に判断します。
まるで、画像をマス目で区切って、各マスに「動物はいる?」「それは何?」と順番に質問していくような方法です。
数式で見る物体検出(やさしく解説)
例えば、YOLOでは次のような数式を使って出力を予測します:
- 出力 =
P(object) × IOU × class_score
ここで、
- P(object):「物体が存在する確率」
- IOU(Intersection over Union):「予測した枠」と「正解の枠」がどれくらい重なっているか
- class_score:「それが猫か犬かなどの分類確率」
記号にすると:
出力 = P(物体) × IOU × クラススコア
これは「正しく分類されていて、枠の位置も正確か?」を評価するための指標です。
どんな分野で使われているの?
物体検出は、実は身近なところでたくさん活躍しています!
- 自動運転:人や車などをリアルタイムで検出
- 監視カメラ:不審者や異常行動の検知
- 工場の検品:製品の傷や欠陥を検出
- 医療画像診断:がんの可能性がある部位を自動で検出
「目の代わり」になってくれる技術だと言っても過言ではありません。
メリットとデメリットも見てみよう
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 複数の物体を同時に検出可能/位置情報が得られる |
デメリット | 精度を上げるには大量の学習データが必要/計算コストが高いモデルもある |
例えば、YOLOは軽くて速いけれど、細かい物体を見落としやすいという弱点もあります。
実際にどう始めればいいの?
最初に触れてみるなら、以下の方法がおすすめです。
- Google ColabでYOLOv5を動かしてみる
Pythonが使えれば、Colab上で無料で学習・推論が可能です。 - 学習済みモデルを使って画像を分析してみる
自前のデータがなくても、公開されているモデルを使えばすぐに体験できます! - オープンデータセット(COCOなど)を使って練習
学習や評価の基礎的な流れを実践できます。
今後の学習の指針
ここまでの内容が理解できたら、次は以下のステップを目指しましょう。
- YOLOv5やYOLOv8のコードリーディング
- PyTorchやTensorFlowでの実装理解
- 独自のデータで物体検出モデルの学習・評価
- 精度向上のためのハイパーパラメータ調整
- 軽量化(モデル圧縮、量子化)にも挑戦!
物体検出は、画像処理やAI分野の中でも非常に応用範囲が広く、実務でも重宝される技術です。基本をしっかり押さえた上で、実際に手を動かしてみてくださいね!
気になることがあれば、またいつでも聞いてください!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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