【初心者エンジニア向け】エンコーダ・デコーダとは?画像認識や自然言語処理に使われる構造をやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回は、深層学習の中でよく登場する構造「エンコーダ・デコーダ(Encoder–Decoder)」について、新人エンジニアの方にもわかりやすく解説します。
この構造は、画像処理・機械翻訳・音声認識など、さまざまなAIの中核をなすとても大事な概念です。
「エンコード?デコード?」「なぜ分けるの?」という疑問を、図や例えを交えながら丁寧に解説します!
エンコーダ・デコーダとは?
情報を「圧縮して」→「復元する」2段構えの構造
まずはざっくりとした定義から。
- エンコーダ(Encoder):入力を受け取って、情報を特徴ベクトルに圧縮する
- デコーダ(Decoder):圧縮された情報から、目的の出力を生成する
この2つのステージで構成されたネットワークが「エンコーダ・デコーダ構造」です。
例えるなら…
- エンコーダ:長い文章を“要約”する人
- デコーダ:要約を見て“元の文章”や“翻訳文”を再構成する人
このように、一度情報をギュッとまとめてから、目的に応じて再構築するという考え方です。
エンコーダ・デコーダ構造の全体像(図)
[入力データ]
↓(エンコーダ)
[特徴ベクトル or 潜在空間(latent space)]
↓(デコーダ)
[出力データ]
この構造は、画像でもテキストでも音声でも使われます!
どんな分野で使われているの?
分野 | エンコーダの役割 | デコーダの役割 | 代表モデル |
---|---|---|---|
画像セグメンテーション | 特徴抽出(CNN) | ピクセルごとにラベルを出力 | U-Net, SegNet |
自動翻訳 | 入力文をベクトル化 | 翻訳文を出力 | Seq2Seq, Transformer |
音声合成 | 音声特徴を抽出 | 音声波形に変換 | Tacotron |
画像生成 | 潜在ベクトルを入力 | 画像を出力 | VAE, GANのGenerator |
エンコーダとデコーダの中身はどうなっている?
エンコーダ(Encoder)
- 主に畳み込み層(CNN)やRNN、Transformerを使う
- 入力の特徴を抽出・圧縮する
- 画像処理では解像度がどんどん小さくなっていく
デコーダ(Decoder)
- エンコーダの出力を受け取り、目的の形式に変換
- セグメンテーションでは画像サイズを元に戻す
- 自然言語処理では単語を1つずつ生成
実際の構造をもう少し具体的に
画像処理での例:U-Net構造
U-Netはエンコーダ・デコーダ構造の典型的な例です。
- エンコーダ:畳み込み+プーリングでサイズを圧縮
- デコーダ:アップサンプリングでサイズを復元
- スキップ接続:エンコーダの情報をデコーダにも渡す(これがUの形)
こうすることで、解像度の細かさ+意味的な特徴の両方を保持できます。
メリットとデメリットを整理!
メリット | デメリット |
---|---|
入力と出力のサイズ・形式が異なるタスクに対応できる | 情報の圧縮で一部の細かい情報が失われることもある |
入力→出力のマッピング関係が学べる | 計算量が増えやすい |
多くのタスクに汎用的に使える構造 | 学習がうまくいかないと意味のないベクトルになることもある |
どんなモデルがこの構造を使ってる?
モデル名 | 用途 | エンコーダ | デコーダ |
---|---|---|---|
U-Net | 医療画像などのセグメンテーション | CNN | 転置畳み込み |
Seq2Seq | 機械翻訳・文要約 | RNN | RNN |
VAE(変分オートエンコーダ) | 画像生成 | CNN | CNN |
Transformer | 翻訳・生成・分類 | Self-Attention | Self-Attention |
今後の学習の指針
エンコーダ・デコーダ構造は、AIにおける「入力と出力をどうつなぐか」という設計の基本です。
今後は以下のような学習ステップを進めてみましょう!
- U-NetやSeq2Seqの構造を図で描き起こして理解する
- 実際に学習・推論して、出力結果を目で確認
- Transformerベースのモデル(BERT, GPTなど)にも触れてみる
- 異なるデータ形式(画像→テキスト、音声→文字)への応用も考えてみる
エンコーダ・デコーダを理解すれば、多くのAIモデルの“共通構造”が見えてきます!
次は、具体的なモデルのコードを読んで、どこがEncoderでどこがDecoderなのかを探してみてくださいね!
わからないことがあれば、いつでも質問してください!
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