「RLHF(アールエルエイチエフ)」とは何か?

こんにちは。ゆうせいです。
今回は、近年のAI研究、とくにChatGPTなどの対話AIモデルで非常に重要になっている学習手法、
「RLHF(アールエルエイチエフ)」について、新人エンジニアの方にもわかりやすく解説します!
「なんだか略語っぽいけど…何のこと?強化学習と関係あるの?」
という方、大歓迎です。
この記事では、RLHFの意味・名前の由来・仕組み・使われ方・他の学習手法との違いまで、やさしく丁寧にお伝えしていきます!
結論!RLHFとは何か?
RLHF = Reinforcement Learning from Human Feedback
(人間のフィードバックに基づく強化学習)
つまり、「人間が“良い出力”を教えることで、AIにその出力を強化学習させる」という手法です。
名前の意味から理解しよう!
略語 | 意味 | 補足 |
---|---|---|
R | Reinforcement(強化) | 行動に報酬を与えて学ばせる |
L | Learning(学習) | モデルを更新すること |
HF | Human Feedback(人の評価) | 人間が出力を評価・比較する |
つまり:
「人が評価した“良い反応”を報酬として与え、AIを強化学習で訓練する」手法
というのがRLHFです!
なぜRLHFが必要なのか?
従来の言語モデル(GPTなど)は、大量のテキストを使って次の単語を予測する確率的な学習を行います(教師あり学習)。
でもそのままだと:
- 事実と異なる内容を自信満々に言ってしまう
- 失礼・有害な文章を出す可能性がある
- ユーザーの意図に沿わない回答が多い
これを改善するには、「人間が良いと感じる応答を、AIに学ばせる」必要があります。
そこで登場するのが RLHF です!
RLHFの流れを3ステップで理解!
ステップ①:人間の好みを学習する
- モデルに複数の応答を生成させて、
- 人間が「どれが良いか?」を比較して順位をつける
- これを大量に集めて、「人間の好みを予測するモデル(報酬モデル)」を訓練!
ステップ②:強化学習でモデルを調整
- 報酬モデルをもとに「良い応答に高い報酬」が出るように設計
- PPO(Proximal Policy Optimization)などのアルゴリズムで、モデルを強化学習!
ステップ③:より人間らしいモデルができる
- 単なる確率ではなく、「人が好む回答を出すモデル」が完成!
たとえ話で理解しよう!
例:接客ロボットを育てる
- 最初は「こんにちは!」「金を出せ!」みたいなことも言っちゃうロボットがいます。
- 人が「これはいい対応」「これは最悪」と評価をつけます。
- ロボットはその評価を参考に、良い対応を強化していく
→ まさにRLHFです!
RLHFが使われている実例
AIモデル | 用途 | RLHFの役割 |
---|---|---|
ChatGPT | 対話AI | 返答の自然さ・丁寧さを高める |
InstructGPT | 指示に従うモデル | 人間の指示への忠実さを強化 |
Claude(Anthropic) | 文書生成・要約 | 読みやすく、安全な文章生成を学習 |
他の学習との違いは?
学習方法 | 教師信号は? | 特徴 |
---|---|---|
教師あり学習 | 正解データ(例:「猫」とラベル) | 教師データがある |
強化学習 | 報酬(数値) | 試行錯誤しながら報酬を最大化 |
RLHF | 人の「好き/嫌い」評価 | 人間の直感・価値観を数値化して学ぶ |
覚え方のコツ!
✅ RLHF = 人の好み(Feedback)を報酬に変える強化学習
- R(Reinforcement)= ごほうびを使って学ぶ
- HF(Human Feedback)= 人の「これいいね!」がごほうび!
→ 「人が選んだ“良い答え”を学ぶAI」=RLHF!
今後の学習の指針
RLHFの概要を理解できたら、次は以下のようなことに挑戦してみましょう:
- 報酬モデルってどう作るの?を調べてみる(ランキング学習など)
- PPO(Proximal Policy Optimization)とは?を学ぶ
- RLHFを使わない生成AIとの違いを比較してみる
- 倫理・安全性とRLHFの関係性を深掘りする
RLHFは、ただ“賢い”だけでなく、“感じのよい・安全な”AIを育てるための手法です。
これからのAI開発に欠かせない考え方になるので、ぜひこの機会にしっかり押さえておきましょう!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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