初心者が3分で理解する!最強のAIモデルBERTが言葉を理解する仕組み

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、Googleで検索をしたときに「どうしてこんなに私の意図を分かってくれるの?」と驚いたことはありませんか。その裏側で活躍しているヒーローの一人が、今回ご紹介するBERT(バート)という技術です。

AIが人間の言葉を理解するのは、実はとても難しいことでした。しかし、BERTの登場によって、コンピュータは文脈を読み取る力を劇的に向上させたのです。今回は、この画期的な仕組みを研修講師のような視点で、どこよりも分かりやすく解説します。

BERTとは一体何者なのか

BERTは、Googleが開発した自然言語処理モデルの名前です。自然言語処理とは、私たちが普段話したり書いたりする言葉をコンピュータに処理させる技術を指します。

これまでのAIは、単語をバラバラに捉えるのが精一杯でした。しかし、BERTは文章全体を眺めて、単語同士の関係性を深く探ります。

例えば「ハシ」という言葉を聞いたとき、みなさんは何を思い浮かべますか。ご飯を食べる箸でしょうか、それとも川にかかる橋でしょうか。前後の言葉があれば、私たちはすぐに判断できますよね。BERTも同じように、周りの言葉から意味を特定するのが得意なのです。

言葉の重みを見極めるAttention機構

BERTの心臓部には、Attention機構(アテンションきこう)という仕組みが備わっています。

これを日本語に訳すと「注意」という意味になります。文章の中で、どの単語が重要で、どの単語と結びついているかに注目する仕組みです。

Attentionを例え話で理解する

イメージしてみてください。あなたは今、賑やかなパーティー会場にいます。周りではたくさんの人がお喋りしていますが、自分の名前を呼ぶ声や、興味のある話題だけはハッキリと聞き取れませんか。

これがまさにAttentionです。AIも文章を読むときに、すべての単語を等しく扱うのではなく、特定の単語にスポットライトを当てて関連性を計算します。

文の中に「彼はペンで手紙を書いた」という一節があったとします。このとき「書いた」という動作にとって重要なのは「彼」や「手紙」であり、「で」という助詞ではありません。Attention機構によって、AIは関連性の強い言葉同士を紐付けて理解を深めるのです。

学習の二段構え!事前学習とファインチューニング

BERTが賢くなるまでには、大きく分けて2つのステップがあります。人間の成長に例えると、学校での基礎勉強と、会社に入ってからの実務研修のような関係です。

1. 事前学習(広い知識を身につける)

まずは、インターネット上の膨大なテキストデータを使って、言葉の基礎体力を養います。これが事前学習です。特定の目的を持たず、言語そのもののルールや一般常識を丸暗記する段階だと思ってください。

この段階で、BERTは「リンゴは赤い」「空は高い」といった、言葉の並び方のパターンを徹底的に叩き込まれます。

2. ファインチューニング(専門性を磨く)

基礎ができたBERTを、今度は特定の作業に特化させます。これがファインチューニングです。

例えば、以下のような用途に合わせて微調整を行います。

  • 届いたメールが迷惑メールかどうかを判定する
  • 文章の感情がポジティブかネガティブかを分析する
  • 質問に対して適切な答えを抜き出す

基礎知識がある状態からスタートするため、少ないデータでも驚くほど高精度なAIが完成します。

穴埋め問題で賢くなるMasked Language Model

事前学習の中で、具体的にどうやって勉強しているのでしょうか。その代表的な手法が、Masked Language Model(マスクド・ランゲージ・モデル)です。

これは、文章の一部を虫食い状態(マスク)にして、そこに何が入るかを予想させる訓練法です。

穴埋め問題の具体例

例えば、AIに次のような問題を出します。

「今日は天気が良いので \dots へ遊びに行こう」

\dots の部分には、公園、海、遊園地などが入りそうですよね。一方で、冷蔵庫や鉛筆といった言葉が入るのは不自然です。

このように、前後にあるヒントから欠けている部分を推測することで、BERTは単語の意味だけでなく、文脈を捉える力を養っていきます。

BERTを導入するメリットとデメリット

非常に優秀なBERTですが、良い面ばかりではありません。導入を検討する際には、以下の特徴を理解しておく必要があります。

メリット

  • 文脈の理解度が圧倒的に高い:前後の単語を同時に考慮するため、同音異義語の判別に強いです。
  • 転移学習が可能:ゼロから学習させる必要がなく、既存のモデルをカスタマイズしてすぐに使えます。
  • 多言語に対応:日本語専用のモデルも公開されており、精度の高い処理が可能です。

デメリット

  • 計算コストが高い:非常に複雑な構造をしているため、動かすには高性能なコンピュータが必要です。
  • 推論に時間がかかる:シンプルなモデルに比べると、答えを出すまでに少し時間がかかる場合があります。

数式で見るBERTの計算イメージ

BERTの内部では、言葉はすべて数値として処理されます。例えば、2つの要素の影響度を計算する場合、次のようなイメージでスコアが算出されます。

影響スコア = 単語Aのベクトル \times 単語Bのベクトル

実際にはもっと複雑な行列計算が行われていますが、基本的には掛け算によって関連性の強さを数値化していると考えてください。

今後の学習への指針

BERTの仕組み、少しは身近に感じていただけたでしょうか。AIがただの機械的な処理ではなく、私たちと同じように文脈を読もうとしているのは面白いですよね。

もし、さらに深く学びたいと思われたなら、次は以下のステップに進んでみることをおすすめします。

  1. Transformer(トランスフォーマー)について調べる:BERTの土台となっている技術です。
  2. PythonでBERTを動かしてみる:Hugging Faceというライブラリを使えば、初心者でも数行のコードでBERTを試せます。
  3. 最新の生成AIと比較する:ChatGPTなどのベースとなっているGPTと、BERTの違いを調べてみると理解がさらに深まります。

言葉の壁を越えていくAIの世界は、日々進化しています。今回の知識をきっかけに、ぜひ最新テクノロジーの動向をチェックしてみてくださいね。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。