初心者でも10分でわかる!AIの視覚を言葉に変えるFlatten層の魔法
こんにちは。ゆうせいです。
画像認識AIやディープラーニングの世界に足を踏み入れると、必ずと言っていいほどぶつかる不思議な言葉があります。それが Flatten層(フラットゥン層)です。
いきなりですが、皆さんは「広げられたブルーシート」を想像できますか?大きなブルーシートをきれいに折り畳んで箱にしまった状態と、それを地面いっぱいに広げた状態。この 畳んだものを広げる という作業こそが、Flatten層の正体なんです。
今回は、この重要な橋渡し役について、一緒に学んでいきましょう!
Flatten層って一体なに?
Flattenという英語には、平らにする、あるいは平坦にするという意味があります。
AI、特に画像認識を得意とする 畳み込みニューラルネットワーク(CNN) の中では、データは縦、横、色といった情報が重なった 3次元 の立体的な塊として扱われています。しかし、最終的に「これは猫です」と判断を下す 全結合層 という場所では、データを1列に並んだ 1次元 の形式で受け取らなければなりません。
ここで登場するのがFlatten層です。立体的なデータの塊を、一列の長い行列に並べ替える役割を担っています。
専門用語を紐解いてみよう
初心者の方向けに、このプロセスで重要な用語を身近な例えで解説します。
- 3次元データ画像が持つ「縦のピクセル」「横のピクセル」「色の層(赤・緑・青)」という3つの軸を持った情報のことです。例えるなら、ミルフィーユのような層になったケーキをイメージしてください。
- 全結合層(ぜんけつごうそう)AIの脳みそにおいて、最後の決断を下す場所です。ここにはたくさんの神経細胞が並んでいて、前の層からの情報をすべて受け取ります。ただし、この層は「1列に並んだ行列」しか受け取れないという、頑固な職人のような性質を持っています。
- 次元削減(じげんさくげん)データの複雑な形を、より単純な形に変換することです。Flatten層は、立体の情報を無理やり1列に引き伸ばすことで、この次元削減を行っています。
Flatten層の具体的な役割
Flatten層が行っているのは、データの 加工 ではなく 整理 です。
例えば、 の小さな画像があり、その裏側に
枚の色情報(チャンネル)が重なっているとしましょう。
合計のデータ数は
となります。
Flatten層は、この 個の数値を、情報の順番を崩さずに端から順番に並べて、長さ
の一本の数珠つなぎにします。これによって、後続の全結合層が計算を開始できるようになるのです。
メリットとデメリットを知ろう
Flatten層は非常に便利ですが、完璧な魔法ではありません。
メリット
- 橋渡しができる複雑な画像処理層と、判断を行う思考層をスムーズにつなぐことができます。
- 実装が簡単プログラム上では、たった一行の命令でデータを変形させられるため、非常に扱いやすいです。
デメリット
- 位置情報が失われるここが最大の注意点です!1列に引き伸ばすということは、「隣のピクセルとの上下関係」が無視されることを意味します。そのため、Flatten層を通した後は、画像としての空間的な意味合いは消えてしまいます。
実際のプログラムでの書き方
多くのAI開発で使われるTensorFlow(Keras)というライブラリでは、以下のように記述します。
from tensorflow.keras.layers import Flatten
model.add(Flatten())
ご覧の通り、非常にシンプルです。設定するパラメータもほとんどありません。
まとめとこれからのステップ
Flatten層は、立体的な情報の塊を 1列のデータ に解きほぐす、AIの翻訳家のような存在です。この層がなければ、AIは画像を見て「これは何であるか」を最後に判断することができません。
今回、データの形が変わるイメージは掴めましたか?
もしFlatten層の仕組みが理解できたら、次は以下のステップに進んでみてください!
- 畳み込み層(Conv2D)がどのように画像をスキャンしているか調べる
- プーリング層(Pooling)がどのようにデータを圧縮しているか学ぶ
- 実際にPythonを使って、Flatten層を含んだAIモデルを動かしてみる
AIの世界は一歩ずつ理解を積み重ねていくのが一番の近道です。焦らずに、パズルを解くような感覚で楽しんでいきましょう!
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