逆三角形の魔法?機械学習で絶対つまずくナブラとデルタの超簡単な覚え方

こんにちは。ゆうせいです。

AIや機械学習の勉強を始めると、必ずと言っていいほど見たこともない記号たちが立ちはだかりますよね。特に、逆三角形の形をしたナブラや、三角形のデルタ。これらが数式の中に現れた瞬間、ページを閉じたくなる気持ち、よく分かります。

でも、安心してください。これらは決してあなたを苦しめるために存在しているのではありません。むしろ、複雑な計算をショートカットして、効率よく答えを導き出すための便利な道具なのです。今日は、この二つの記号の正体を、高校生でも分かるように噛み砕いてお話ししますね。

そもそも、なぜこれらを覚える必要があると思いますか?


勾配の司令塔!ナブラ記号の正体

まずは、逆三角形の形をしたナブラ \nabla について見ていきましょう。この記号は、機械学習において「勾配(こうばい)」を求める際によく使われます。

ナブラは「坂道の角度」を測るコンパス

ナブラを一言で説明するなら、多次元の坂道において、どの方向に進めば一番急激に値が増えるかを示すコンパスのようなものです。

機械学習では、予測のズレである「誤差」を最小にしたいと考えます。このとき、誤差を山に見立てて、その山を一番効率よく下る方向を探さなければなりません。そこで活躍するのがナブラです。

例えば、山の高さを f としたとき、ナブラを使って次のように表現します。

ナブラ \nabla f

専門用語では、これを 偏微分 を並べたベクトルと呼びます。

偏微分という言葉にビビらないで!

偏微分と聞くと難しそうですが、要は「他の要素を無視して、一つだけに注目する」ということです。

例えば、カレーの美味しさを決めるときに、塩の量とスパイスの量という二つの変数があるとします。スパイスの量は固定したまま、塩の量だけを少し変えたときに美味しさがどう変わるか。これが偏微分の考え方です。

ナブラは、それぞれの変数(塩、スパイスなど)について、それぞれ偏微分した結果をひとまとめにしたセットメニューのようなものだと考えてください。


変化の象徴!デルタ記号の使い方

次に、三角形の形をしたデルタ \Delta について解説します。

デルタは「ビフォーアフターの差」

デルタは、何らかの値がどれくらい変化したか、その「変化量」を表すときに使われます。

例えば、あなたの体重が 60kg から 62kg に増えたとしましょう。このとき、変化した 2kg 分がデルタです。

機械学習の学習プロセスでは、パラメータ(重み)を少しずつ更新していきます。

新しい重み = 古い重み + デルタ \Delta 重み

このように、どれくらい重みを動かしたかを示すときにデルタが登場します。


ナブラとデルタのメリットとデメリット

これらの記号を使いこなすことには、明確な利点があります。

メリット

  • 数式がスッキリする:何十個もある変数の計算を、ナブラという一つの記号でスマートに書き表せます。
  • 共通言語になる:世界中のエンジニアや研究者と、同じイメージを共有して議論できます。

デメリット

  • 中身が見えにくくなる:記号一つに情報が詰まりすぎていて、具体的にどんな計算が行われているのか、初心者のうちは想像しにくいことがあります。
  • 書き間違いやすい:ナブラ(逆三角)とデルタ(正三角)を逆にしてしまうと、意味が全く変わってしまいます!

どっちがどっち?一瞬で迷わなくなる覚え方

ここで、私がお勧めする究極の覚え方を伝授します。

  • ナブラ \nabla は「穴を掘る(下る)ためのスコップ」
  • デルタ \Delta は「積み上がった変化の山」

ナブラは逆三角形で、尖った方が下を向いていますよね。機械学習の目的は「誤差を最小にするために山を下る」ことですから、下を向いているナブラは勾配(下る方向)を探す道具だと覚えましょう。

一方で、デルタはどっしりとした三角形です。変化が積み重なってできた塊だとイメージすれば、変化量を表す記号だとすぐに思い出せるはずです。

これで、もう混同することはありませんよね?


機械学習の数式に慣れるためのステップ

ナブラとデルタの正体が分かったところで、これからの学習の指針を提案します。

  1. まずは形に慣れる:数式を見たときに「あ、これは勾配だ」「これは変化量だ」と心の中で唱えてみてください。
  2. 微分を復習する:ナブラの正体は偏微分です。まずは基本的な一変数の微分から復習すると、理解が深まります。
  3. 実際にコードを書いてみる:Pythonなどのライブラリを使えば、ナブラの計算は自動で行われます。数式とコードがどう対応しているか確認してみましょう。

数学は、一度にすべてを理解しようとしなくて大丈夫です。少しずつ、パズルのピースを埋めるように進めていきましょう。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。