Filmoraの基本操作

こんにちは。ゆうせいです。

Filmoraの基本操作と通常動画・ショート動画の違い

動画編集を始めるにあたって、最初に行うべきは道具の配置を確認し、これから作る動画の形を決めることです。第1回では、編集ソフトであるFilmora(フィモーラ)の基本的な画面の見方と、YouTubeにおける2種類の動画規格について解説します。

Filmoraの画面構成と役割

Filmoraを起動すると、大きく分けて3つの領域が表示されます。効率的な作業のために、それぞれの役割を把握してください。

  • メディアライブラリ(画面左上)動画の素材や音楽、画像などを保管しておく棚のような場所です。パソコンの中に保存されているファイルをここへ読み込むことで、編集の準備が整います。
  • プレビューウィンドウ(画面右上)現在編集している動画がどのように見えるかを確認するためのモニターです。テレビ番組の制作現場で、演出を確認するチェック用画面に相当します。
  • タイムライン(画面下部)動画の長さや順序を調整する作業机です。横軸が時間の経過を表しており、左から右へと時間が進んでいきます。ここに素材を並べることで、一本の動画が形作られます。

通常動画とショート動画の規格の違い

YouTubeには、従来からある横長の動画と、スマートフォンでの視聴に特化した縦長のショート動画が存在します。これらは、キャンバスの向きが異なると理解してください。

通常動画(16対9)

通常の動画は、アスペクト比が16対9という横長の長方形で作成します。

  • メリット:パソコンやテレビの画面いっぱいに表示されるため、風景や情報の多い映像を細部まで伝えることに適しています。
  • デメリット:スマートフォンを縦に持ったまま視聴すると、映像が画面中央に小さく表示されるため、迫力が損なわれる場合があります。

ショート動画(9対16)

ショート動画は、アスペクト比が9対16という縦長の長方形で作成します。

  • メリット:スマートフォンの画面全体に映像が表示されるため、視聴者の目に留まりやすく、隙間時間に気軽に視聴される傾向があります。
  • デメリット:画面の横幅が狭いため、横に広がりのある風景や、多人数の集合した映像を表示するのには向きません。

プロジェクト設定の手順

編集を開始する前に、どちらの形式で動画を作るかを決定する必要があります。Filmoraではこれをプロジェクト設定と呼びます。

  1. Filmoraを起動し、新しいプロジェクトを作成します。
  2. 設定画面にて、アスペクト比を選択します。
  3. 通常動画の場合は16対9を、ショート動画の場合は9対16を選択してください。

この設定を最初に行わないと、編集の途中で画面の端が切れたり、不要な黒い余白が生じたりする原因となります。

素材のインポート方法

編集に使用する動画ファイルを読み込む作業をインポートと呼びます。メディアライブラリの領域に、使用したいファイルをドラッグ・アンド・ドロップすることで、編集の準備が完了します。これは、料理を始める前に、冷蔵庫から食材を取り出して調理台に並べる作業に似ています。

まとめ

第1回の学習内容は以上です。まずは以下の手順で次回の準備を進めてください。

  1. Filmoraを起動し、3つの基本画面(ライブラリ、プレビュー、タイムライン)の場所を指差しで確認してください。
  2. 作成したい動画が「横長」か「縦長」かを決め、適切なアスペクト比でプロジェクトを作成してください。
  3. 手持ちの動画素材をメディアライブラリへ1つ読み込ませてください。

次回は、読み込んだ素材をタイムラインに並べ、不要な部分を切り取るカット編集の手順について解説します。

第2回:カット編集と基本的なタイムライン操作

第1回では、Filmoraの画面構成と動画の規格について学びました。素材の準備が整ったら、次は動画の品質を左右する最も重要な工程である「カット編集」に進みます。

タイムラインへの配置

編集作業は、メディアライブラリにある素材をタイムラインへ移動させることから始まります。

  1. 素材の配置 メディアライブラリにある動画ファイルを、画面下部のタイムラインへとドラッグ・アンド・ドロップしてください。
  2. クリップの概念 タイムラインに置かれた動画の断片を「クリップ」と呼びます。一本の長い動画は、このクリップが数珠つなぎになることで構成されます。

カット編集の目的と具体的な操作

カット編集とは、撮影した素材の中から不要な部分を取り除き、必要な部分だけを残す作業です。これは、鉛筆を削って芯を出し、使いやすく整える作業に例えることができます。

分割と削除の手順

Filmoraにおいて、一つのクリップを二つに分ける作業を「分割」と呼びます。

  1. 再生ヘッドの移動 タイムライン上にあるオレンジ色の垂直な線を「再生ヘッド」と呼びます。これを、切り離したい時間軸の目盛りまで移動させてください。
  2. 分割の実行 再生ヘッドの位置にあるハサミのアイコンをクリックします。これにより、一つのクリップが前後に分かれます。
  3. 不要部分の削除 分けられたクリップのうち、不要な方を選択して削除キー(Delete)を押します。

リップル削除の仕組み

クリップを削除すると、その部分に空白が生じることがあります。Filmoraでは通常、削除された隙間を埋めるように後ろのクリップが自動的に前へ詰められます。この機能を「リップル削除」と呼びます。

  • メリット:手動でクリップを動かして隙間を埋める手間が省け、編集ミスによる不自然な暗転を防ぐことができます。
  • デメリット:複数のトラック(上下に重なる列)を使用している場合、意図しない場所まで連動して動いてしまう可能性があるため、注意が必要です。

動画のテンポを整える「ジャンプカット」

特にYouTubeの動画においては、話し手の「えー」「あのー」といった言葉の詰まりや、沈黙の時間を徹底的に省く手法がよく用いられます。これを「ジャンプカット」と呼びます。

この手法を用いることで、情報の密度が高まり、視聴者が途中で飽きてしまうのを防ぐ効果があります。ただし、あまりに過剰に切りすぎると、映像が細かく飛び跳ねるように見え、視聴者に落ち着かない印象を与えることも事実です。

まとめ

第2回では、動画の骨組みを作るカット編集について学習しました。以下のステップで実践してください。

  1. 読み込んだ素材をタイムラインに並べ、最初と最後の不要な余白をカットしてください。
  2. 動画の途中にある沈黙や言い間違いを「分割」と「削除」を使って取り除いてください。
  3. 再生ボタンを押し、プレビューウィンドウで一連の流れがスムーズにつながっているか確認してください。

内容が整ったら、次は視聴者に情報を正確に伝えるための「テロップ挿入と音声の調整」について解説します。

第3回:テロップ挿入と音声の調整

第2回では、動画の不要な部分を切り取り、流れを整えるカット編集を学びました。第3回では、視聴者の視覚と聴覚を補い、動画の完成度を高めるテロップの挿入と音声の管理について解説します。

テロップ(タイトル)の役割と挿入方法

テロップとは、画面上に表示される文字情報のことです。これは、講義における「黒板の板書」のような役割を果たします。

  1. タイトル機能の選択 Filmoraの上部メニューにある「タイトル」をクリックしてください。ここには、あらかじめデザインされた文字のテンプレートが多数用意されています。
  2. タイムラインへの配置 好みのデザインを選び、タイムラインの動画クリップよりも「上の列(トラック)」にドラッグ・アンド・ドロップしてください。
  3. 内容の書き換え プレビューウィンドウ、または編集パネル上で文字をダブルクリックし、表示したい文章を入力します。

音声の調整とBGMの追加

動画における音声は、映像と同じか、それ以上に重要です。聞き取りにくい音声は、視聴者が動画を離脱する大きな原因となります。

BGM(背景音楽)の挿入

動画の背後で流れる音楽を挿入することで、映像の雰囲気を演出します。

  • 挿入の手順:使用したい音楽ファイルを、動画クリップよりも「下の列」の音声専用トラックに配置します。
  • 注意点:音楽の終わりが動画の終わりと一致するように、末尾をカットして調整してください。

音量の数値管理

Filmoraでは、音の大きさをデシベル(dB)という単位で調整します。

  • メリット:感覚に頼らず数値で管理することで、動画全体を通して音量を一定に保つことができます。
  • デメリット:調整を怠り、数値が0dBを超えて赤色の表示(クリッピング)になると、音が割れて不快な雑音が生じる原因となります。

具体的な目安として、話し声はマイナス6dBからマイナス12dB程度、BGMは話し声を邪魔しないようマイナス20dB以下に設定することが一般的です。

オーディオダッキング機能の活用

話し声がある部分だけ、自動的にBGMの音量を下げる機能を「オーディオダッキング」と呼びます。

これは、プロの司会者が話す際に、音響担当者がBGMのボリュームを絞る操作を自動で行うものだと理解してください。この機能を使用することで、特別な技術がなくても、声と音楽の主従関係を明確に整理できます。

まとめ

第3回では、文字と音を使って動画に情報を加える方法を学習しました。以下の手順で作業を進めてください。

  1. 動画の重要なキーワードや、強調したい発言に合わせてテロップを配置してください。
  2. 雰囲気に合ったBGMを1曲選び、音声トラックに配置してください。
  3. 音量メーターを確認しながら、話し声がはっきりと聞こえ、BGMが大きすぎないように数値を調整してください。

情報の付け足しが完了したら、次はいよいよ編集した動画をファイルとして保存し、YouTubeへアップロードする手順について解説します。

第4回:動画の書き出し(エクスポート)とYouTubeへのアップロード

第3回までで、映像の切り出し、文字の挿入、音声の調整という編集の主要な工程が完了しました。第4回では、Filmora上の作業データを一本の動画ファイルとして保存し、実際にYouTubeへ公開する手順を解説します。

動画の書き出し(エクスポート)

編集が終わった状態は、まだFilmoraというソフトの中でしか見ることができない設計図の状態です。これを誰でも再生できる「動画ファイル」に変換する作業をエクスポートと呼びます。

  1. エクスポート画面の起動画面右上にある「エクスポート」ボタンをクリックします。
  2. ファイル形式の選択フォーマットは、汎用性が最も高く、YouTubeも推奨している「MP4」を選択してください。
  3. 保存先の指定作成した動画がパソコンのどこに保存されるか、名前と場所を明確に指定します。

出力設定の具体例

書き出し時には、動画の画質を決定する数値を設定します。

  • 解像度(大きさ)通常動画であれば「1920x1080」のフルHD、ショート動画であれば「1080x1920」に設定されていることを確認してください。
  • フレームレート(滑らかさ)1秒間に何枚の画像を使うかを示す数値です。「29.97fps」または「30fps」が一般的です。これは、パラパラ漫画の枚数に例えることができます。枚数が多いほど動きは滑らかになりますが、ファイルサイズは大きくなります。

YouTubeへのアップロード手順

動画ファイルが完成したら、YouTubeへ公開します。

  1. YouTube StudioへのアクセスブラウザでYouTubeを開き、右上のカメラアイコン「作成」から「動画をアップロード」を選択します。
  2. ファイルの選択先ほどエクスポートしたMP4ファイルを画面上にドラッグします。
  3. 詳細情報の入力タイトル、説明文(概要欄)、サムネイル(動画の表紙)を設定します。

公開設定の事実に基づく選択

アップロードの最終段階で、動画の公開範囲を選択します。

  • 公開誰でも検索やおすすめから視聴できる状態です。
  • 限定公開動画のURLを知っている人だけが視聴できます。特定の知人にだけ見せたい場合に適しています。
  • 非公開自分だけが視聴できる状態です。

メリットとして、限定公開を活用することで、一般公開する前にスマートフォンなどで最終的な見え方を確認できる点が挙げられます。デメリットとしては、非公開のままでは当然ながら誰にも見てもらえず、再生数も増えないという事実があります。

まとめ

第4回では、作品を世に送り出すための最終工程を学習しました。以下の手順で進めてください。

  1. エクスポートボタンを押し、MP4形式で動画を書き出してください。
  2. 書き出された動画ファイルを一度最初から最後まで再生し、ミスがないか確認してください。
  3. YouTube Studioにログインし、まずは「限定公開」で動画をアップロードしてみてください。

これで動画投稿の一連の流れが完了しました。次回、最終回ではショート動画をより効果的に管理・投稿するための特有の注意点について解説します。

第5回:ショート動画特有の注意点と管理方法

第4回では、編集した動画をファイルとして書き出し、YouTubeへアップロードする一連の流れを学習しました。最終回となる第5回では、通常の動画とは異なる「ショート動画」として認識させるための必須条件と、公開後の運用について解説します。

ショート動画として認識されるための2つの条件

YouTubeには、投稿された動画がショート動画であるか、通常の動画であるかを自動的に判別する仕組みがあります。ショート動画として正しく分類されるためには、以下の事実に基づいた条件をすべて満たす必要があります。

  1. 動画の長さが60秒以内であること 1秒でも超過すると、通常の動画として処理されます。編集の最終段階で、タイムラインの末尾が60秒を超えていないか厳密に確認してください。
  2. 画面が縦長(9対16)であること 第1回で解説した通り、アスペクト比が縦長である必要があります。横長の動画をそのまま投稿しても、ショート動画の枠組みには入りません。

タイトルとハッシュタグの役割

ショート動画を投稿する際、タイトルや説明文に「#Shorts」というハッシュタグを記載することが推奨されています。

これは、郵便物に「速達」と朱書きをすることに似ています。現在、YouTubeのシステムはハッシュタグがなくても動画の形状から自動判別を行いますが、このタグを明記することで、システムに対して「これはショート動画である」という意図をより正確に伝えることができます。

ショート動画のメリットとデメリット

ショート動画には、通常の動画とは異なる性質があります。

  • メリット:チャンネル登録者以外のユーザーにも、スマートフォンの「ショートフィード(スワイプして次々動画を見る画面)」を通じて広く拡散される可能性があります。
  • デメリット:動画が短いため、複雑な解説や深い議論を行うには不向きです。また、再生時間が短いため、通常の動画に比べて視聴者一人あたりの滞在時間は短くなる傾向があります。

公開後の管理と分析

動画を公開した後は、YouTube Studio内の「アナリティクス」を確認してください。

  1. 視聴維持率の確認 視聴者が動画のどの時点で視聴をやめたかをグラフで確認できます。ショート動画においては、開始数秒で興味を引くことが重要であり、維持率が急激に下がっている場合は、冒頭の構成を見直す指標となります。
  2. トラフィックソースの確認 どこから視聴者がやってきたかを確認します。「ショートフィード」からの流入が多い場合は、正しくショート動画として認識され、拡散されている証拠です。

まとめ:学習のステップ

本連載を通じて、Filmoraによる動画編集からYouTube投稿までの基本を網羅しました。今後の学習ステップは以下の通りです。

  1. まずは「15秒から30秒程度の短い動画」を3本作成し、ショート動画として投稿して、操作に慣れてください。
  2. 視聴維持率のデータを確認し、どの部分で視聴者が離脱しているかを客観的に分析してください。
  3. 分析結果をもとに、テロップのタイミングやカットのテンポを微調整し、次の動画制作に活かしてください。

このサイクルを繰り返すことで、技術はより洗練されていきます。継続的な制作を通じて、自身の表現を形にしていってください。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。