ModelとHttpSessionの使い分け基準とは?Java Web開発のデータ保持を解説

こんにちは。ゆうせいです。

新人研修中に受講者から以下の質問をいただきました。

ModelとHttpSessionのどちらにデータを保存すべきか迷います

今回はこの質問に答えたいと思います。

Webアプリケーションを開発する際、画面間でデータをどのように受け渡すかという設計は非常に重要です。JavaのWeb開発、特にSpring MVCなどのフレームワークでは、データを一時的に保存する仕組みとしてModelとHttpSessionが用意されています。初心者の皆様が適切にデータを配置できるよう、それぞれの性質と切り分けの基準、具体的な例について解説します。

ModelとHttpSessionの役割と比喩による解説

Webアプリケーションでは、ブラウザからの要求に対してサーバーが応答を返すという通信が基本となります。Web通信の範囲において、データの有効期限が異なる二つの保管場所が存在します。

Modelの役割

Modelは、ブラウザからの1回の要求に対して、1回の応答を返すまでの間だけデータを保持する仕組みです。画面を表示するために必要なデータを詰め込むための容器として機能します。

高校の文化祭における模擬店に例えると、Modelは注文された料理を客のテーブルまで運ぶ「トレイ」のようなものです。調理場から料理というデータを載せて客席であるブラウザへ運び、客に料理を届け終えると、トレイは空になり、次の注文のために回収されます。

HttpSessionの役割

HttpSessionは、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから、ブラウザを閉じるか一定時間が経過するまでの間、複数の画面遷移にわたってデータを保持し続ける仕組みです。特定のユーザー専用の保管庫として機能します。

模擬店の例で例えると、HttpSessionは「スタンプカード」や「クロークの荷物預かり札」のようなものです。模擬店に入場してから退場するまでの間、複数の出店を回ってもユーザーの識別情報や預けた荷物の状態が維持され、店を出る時に回収されます。

データを格納する切り分けの基準

どちらの仕組みにデータを格納するかを判断する基準は、対象のデータが「次の画面を表示した瞬間に不要になるか」、それとも「その後の画面でも使い続けるか」という、データの生存期間にあります。

Modelを選択する基準

  • 検索結果のリストや、詳細画面に表示する商品の情報など、特定の画面を表示するためだけに使い切るデータである場合
  • 入力エラーが発生した際に、ユーザーが入力した内容を元の画面に再表示するための一時的なデータである場合

HttpSessionを選択する基準

  • ログインしているユーザーの識別情報や権限情報など、どの画面に移動しても常に参照する必要があるデータである場合
  • 複数ページにまたがるアンケートやショッピングカートのように、最終的な処理が完了するまで一時的に保存しておきたいデータである場合

具体的な活用例

システム構築における具体的な場面を想定し、それぞれの割り当て例を確認します。

Modelを使用する具体例

商品検索システムにおいて、ユーザーがキーワードを入力して検索ボタンを押した場面を想定します。サーバーはデータベースから該当する商品のデータを取得し、Modelに商品のリストを設定します。サーバーはModelのデータを元に検索結果画面を組み立ててブラウザに返します。画面が表示された時点で、検索された商品リストのデータは役割を終え、メモリから解放されます。

HttpSessionを使用する具体例

ECサイトのショッピングカート機能を想定します。ユーザーが商品Aをカートに入れ、その後、別のページに移動して商品Bをカートに追加する場合、カートの中身は画面が変わっても維持される必要があります。このように画面をまたいで状態を保持する場合、カートのデータをHttpSessionに格納します。ユーザーが最終的な購入手続きを完了するか、ブラウザを閉じるまで、カートの情報はサーバー側に保持され続けます。

それぞれの仕組みにおけるメリットとデメリット

開発における利点と注意点を整理します。

Modelのメリットとデメリット

メリット

  • メモリの消費が一時的であるため、サーバーの負荷を低減できます。
  • 他のブラウザタブでの操作によるデータの混ざり合いが発生せず、不具合の原因を抑えられます。

デメリット

  • 画面をまたいでデータを引き継ぎたい場合、次の画面へのリクエストに毎回データを埋め込み直すか、再度データベースから取得し直す処理が必要になります。

HttpSessionのメリットとデメリット

メリット

  • 画面が何度も遷移してもデータを自動的に保持できるため、ログイン状態の管理や複雑な入力フォームの実装が容易になります。

デメリット

  • ユーザーがWebサイトに滞在している間、データがサーバーのメモリ上に残り続けるため、アクセス数が急増した際にサーバーのメモリ不足を招く原因になります。
  • 複数のサーバーでシステムを分散稼働させる場合、サーバー間でセッションデータを同期するための設定が必要になります。

まとめと今後の学習ステップ

ModelとHttpSessionは、データの生存期間によって使い分けることが原則です。1画面限りのデータはModelへ、複数画面で共有するデータはHttpSessionへ格納するという区別を行うことで、安定したWebアプリケーションを設計できるようになります。

今後の学習を進めるためのステップとして、以下の手順を推奨します。

  • ステップ1:ブラウザとサーバーの通信の1往復における、リクエストとレスポンスの流れを整理する
  • ステップ2:実際の開発環境でModelにデータを入れ、画面遷移後に該当データが消去されていることを確認する
  • ステップ3:HttpSessionに格納したデータが、ブラウザをシークレットウィンドウで開いた際にどのように変化するかを観察する

提示したステップを順に実践することで、Webシステムにおけるデータ管理の感覚が身に付きます。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。