【人材育成の裏技】「臭い!」が絆になる?銀杏収穫祭で高めるチームビルディング

こんにちは。ゆうせいです。

秋も深まり、街路樹が黄色く色づく季節になりましたね。通勤途中にふと香ってくる、あの独特な匂い。そう、銀杏(ぎんなん)です。

「うわっ、臭いなあ」なんて鼻をつまんで通り過ぎていませんか?

ちょっと待ってください。実はその「臭い」銀杏こそが、あなたの会社のチームワークを劇的に向上させる秘密兵器になるかもしれないのです。今日は、一風変わった人材育成の手法、銀杏収穫祭を通じたチームビルディングについてお話しします。

なぜ「銀杏」で社員がまとまるのか

綺麗なオフィスでスマートに研修をするのも良いですが、泥臭い作業にこそ、人と人とを繋ぐヒントが隠されています。ここで皆さんに知ってほしい専門用語があります。

それは、集団凝集性 という言葉です。

高校生にもわかるように説明しましょう。集団凝集性とは、簡単に言えば「チームのメンバーがどれだけそのグループに留まりたいか、どれだけ強く結びついているかを表す接着剤のような力」のことです。

部活動を思い出してください。きつい練習や合宿を一緒に乗り越えた仲間とは、不思議と深い絆で結ばれませんか?あれこそが、集団凝集性が高まった状態です。

これを数式で表すと、こんなイメージになります。

チームの結束力 = 共有した困難 \times 達成後の喜び

銀杏拾いは、まさにこの「共有した困難」を演出するのにうってつけなのです。「臭い!」という強烈な共通体験が、社員同士の心理的な壁を取り払ってくれます。

銀杏収穫祭の具体的なメリット

では、実際に銀杏収穫祭を行うと、どんな良いことがあるのでしょうか。

1. 上下関係がフラットになる

社長だろうが新入社員だろうが、銀杏の臭いの前では平等です。地面にはいつくばって実を拾う姿に、役職は関係ありません。「部長、あそこに大きいのありますよ!」「おお、でかした!」なんて会話が自然と生まれ、普段の業務では見られない素顔が見えてきます。

2. 共同作業による一体感

銀杏は拾って終わりではありません。果肉を腐らせて種を取り出し、洗い、乾燥させるプロセスが必要です。特に果肉を洗い流す作業は強烈な臭いとの戦いです。この「嫌な作業」を協力して終わらせたとき、戦友のような連帯感が生まれるのです。

3. 収穫後の「食」の喜び

苦労して処理した銀杏を、最後はみんなで茶碗蒸しにしたり、煎って食べたりします。苦労が「美味しい」に変わる瞬間を共有することで、ポジティブな記憶として定着します。

もちろんデメリットや注意点もあります

良いことばかりではありません。実行する際は、以下の点に十分注意してください。

1. アレルギーへの対策

ここが一番重要です。銀杏の果肉には「ビロボール」などの成分が含まれており、直接触れるとかぶれて大変なことになります。これは「ギンナン皮膚炎」と呼ばれます。必ず厚手のゴム手袋を用意し、肌の露出を控えるよう徹底的に指導してください。

2. 臭いの処理

作業服や靴に臭いがつくと、なかなか取れません。捨てても良い服を用意するか、カッパを着用するなどの準備が必要です。また、処理する場所も近隣の迷惑にならないよう配慮しなければなりません。

3. 強制参加にしない

臭いがどうしても苦手な人もいます。無理強いすると、かえってモチベーションを下げてしまいます。「イベント係」や「調理係」など、直接銀杏に触れない役割を用意するのも一つの手です。

さあ、外へ飛び出しましょう

ただの迷惑な落下物だと思っていた銀杏が、見方を変えれば最高の研修材料になります。

大切なのは、銀杏そのものではありません。「普段とは違う環境」で、「五感を刺激する体験」を、「全員で共有する」こと。これが組織を強くするのです。

あなたの会社の周りにも、まだ見ぬ「チームビルディングの種」が落ちているかもしれませんよ。まずは今度の週末、近くの公園へ下見に行ってみてはいかがでしょうか。

今後の学習としては、今回紹介した「集団凝集性」をさらに深掘りするために、社会心理学の基礎を学んでみることをおすすめします。タックマンモデルなどのチーム形成の段階理論と合わせると、より理解が深まるはずです。