IT企業の人事担当者へ|ワーケーションに渥美半島が向いている理由

こんにちは。ゆうせいです。

リモートワークが当たり前になった今、IT企業の人事担当者にとって「社員がどこで働くと、創造性と定着率が上がるのか」は重要なテーマです。

そこで注目したい場所が、愛知県田原市の渥美半島です。

渥美半島は、太平洋と三河湾に囲まれた半島で、温暖な気候、海辺の景観、農業、温泉、サイクリングなどの地域資源がそろっています。半島全体が田原市であり、観光・サイクリング・伊良湖温泉・体験型観光なども市の観光情報として整備されています。(田原市公式サイト)

ワーケーションとは、「work」と「vacation」を組み合わせた言葉です。つまり、働きながら休暇的な体験もできる働き方ですね。

IT企業でたとえるなら、普段はオフィスや自宅でコードを書いているエンジニアが、午前中は海の見える宿で集中して開発し、夕方には海岸を散歩して頭をリセットするような働き方です。

人事目線で見ると、渥美半島の魅力は「福利厚生」「採用広報」「チームビルディング」「離職防止」の4つにあります。

特にIT企業では、業務の多くがパソコンとネット環境で完結します。だからこそ、働く場所を変えるだけで気分や発想が大きく変わります。教室で勉強するより、図書館やカフェのほうが集中できる日がありますよね。ワーケーションも同じです。

渥美半島は、東京から新幹線で豊橋へ行き、豊橋鉄道渥美線で三河田原、そこからバスで伊良湖方面へ向かうルートがあります。名古屋方面からもアクセスしやすく、車でも公共交通でも検討できます。(渥美半島観光ビューロー)

もちろん、デメリットもあります。

都市型ワーケーションと比べると、移動時間はやや長めです。また、参加者全員に安定した通信環境や個室作業スペースが必要な場合は、宿泊施設との事前確認が欠かせません。人事担当者は「観光地として良さそう」だけで決めないでください!

導入するなら、まずは少人数の1泊2日や2泊3日がおすすめです。

たとえば、初日は移動とチームミーティング、2日目は午前に集中作業、午後に振り返り、夕方に地域体験を入れる形です。観光を詰め込みすぎると、ただの社員旅行になってしまいます。ワーケーションの主役は、あくまで「働き方の質を上げること」です。

渥美半島は、海辺の開放感と地方ならではの落ち着きがあり、IT人材のメンタルリフレッシュや組織づくりに向いています。採用ページで「渥美半島で開発合宿を実施しました」と発信できれば、働き方に柔軟な企業という印象も伝わります。

サーファー移住政策との相性が高い

人事担当者にとって見逃せないのが、渥美半島が持つ「サーフタウン」としての魅力です。

実は渥美半島の太平洋側には全国的にも知られるサーフスポットが点在しています。特に赤羽根エリアは一年を通してサーファーが訪れる地域として知られており、移住者の受け入れにも積極的です。

IT企業の採用市場では、給与や福利厚生だけで人材を確保する時代ではなくなっています。

近年は、

・どこで暮らせるか
・どんなライフスタイルを実現できるか
・趣味と仕事を両立できるか

を重視する人材が増えています。

特にエンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーなどの知的労働者は、生活環境そのものを重視する傾向があります。

たとえば東京都内で満員電車に乗って通勤する生活と、

「朝にサーフィンをしてからリモートワークを始める生活」

では、同じ仕事でも人生の満足度は大きく変わる可能性があります。

人事戦略の観点では、渥美半島のサーフカルチャーは単なる観光資源ではありません。

採用ブランディングの武器になります。

IT人材に訴求できるポイント

特にフルリモート企業やハイブリッドワークを導入している企業では、「社員がどこに住むか」が企業競争力に直結します。

地方移住というと、どうしても「不便そう」というイメージを持つ人もいます。

しかし渥美半島の場合は、

・海が近い
・気候が温暖
・農産物が豊富
・名古屋圏へのアクセスが可能

という特徴があります。

つまり、「自然を楽しみながら都市圏ともつながれる」というバランスが取れているのです。

これはIT業界でいうクラウド環境に似ています。

すべてをオンプレミスにするわけでもなく、すべてをクラウドにするわけでもない。

両方のメリットを活かすハイブリッド構成です。

渥美半島も同じで、都会の利便性と地方の豊かさを両立しやすい地域といえます。

企業の地方戦略としても有効

さらに人事担当者の視点では、サーファー移住政策は採用だけではなく企業の地域連携にもつながります。

たとえば、

・開発合宿の実施
・サテライトオフィス設置
・社員向けワーケーション制度
・地方創生プロジェクトへの参画

などが考えられます。

近年は若手人材ほど「会社選び」ではなく「生き方選び」を重視する傾向があります。

渥美半島は、サーフィンという強力なライフスタイルコンテンツを持っています。

そのため、「働く場所を提供する企業」から「理想の暮らしを実現できる企業」へ進化したいIT企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。

ワーケーションとサーファー移住政策を組み合わせることで、渥美半島は単なる観光地ではなく、「人材獲得と定着を支える戦略的な地域資産」として活用できるのです。

田原駅前のコワーキングスペース「e-space」を仕事の拠点にする

出典:e-space

渥美半島でワーケーションを実施する際に、人事担当者が気になるのが「社員が集中して仕事をできる場所があるのか」という点です。

ホテルの客室でも仕事はできますが、オンライン会議、複数人での打ち合わせ、長時間のパソコン作業などを考えると、専用のワークスペースがあると安心です。

その候補となるのが、田原市の商業施設「LaLaGran(ララグラン)」内にあるコワーキングスペース「e-space」です。

e-spaceは、豊橋鉄道渥美線の三河田原駅から徒歩約1分の場所にあります。フリーアドレスのワークスペース、集中スペース、リラックススペース、テレワーク用デスク、商談スペースなどが用意されています。

Wi-Fiと電源が標準設備されており、コーヒー、紅茶、煎茶などのフリードリンクも利用できます。最大4名で利用できる予約制の貸会議室もあるため、個人作業だけでなく、少人数でのミーティングや振り返りにも活用できます。

公式サイト掲載時点では、営業時間は全日9時から21時までで、1DAYプランは1日1,100円、貸会議室は1時間1,100円です。セルフチェックイン方式のため、利用前に会員登録とアプリの準備が必要です。料金や営業時間、利用方法については、実施前に最新情報を確認してください。

IT企業のワーケーションでは、宿泊施設だけに仕事環境を依存しないことが重要です。

たとえば、午前中はe-spaceで集中して開発や資料作成を行い、午後は貸会議室でチームミーティングを実施し、夕方から伊良湖方面へ移動するという日程が考えられます。

田原駅周辺の「仕事をする拠点」と、伊良湖の「滞在して発想を広げる拠点」を使い分けることで、仕事と休暇のメリハリをつけやすくなります。

「田原市お試し移住支援補助金」を人材定着の視点から考える

渥美半島は、短期間のワーケーションだけでなく、地方移住や二地域居住を検討する場所としても注目できます。

田原市では、市外在住者が田原市への移住を検討するために、市内の宿泊施設を利用して原則2泊以上のお試し移住を行う場合、宿泊費とレンタカー借上料の一部を補助する制度を設けています。

利用期間中に田原市内でテレワークを行う人が含まれる場合、宿泊費については補助率2分の1以内、1人1泊当たり上限4,000円です。対象泊数は原則2泊以上20泊以内で、レンタカーについても、借上料の2分の1以内、24時間当たり上限3,000円の補助があります。

ただし、この制度は一般的な社員旅行や企業の出張費を補助する制度ではありません。

対象となるのは、田原市外に住み、田原市への移住を具体的に検討している人です。観光、帰省、出張、通学などを目的とする場合は対象になりません。また、宿泊費補助の対象は素泊まり費用であり、お試し移住を始める7日前までに認定申請を行う必要があります。予算の範囲内で先着順となるため、利用を考える場合は田原市への事前確認が必要です。

人事施策として考える場合は、会社が実施する開発合宿に直接利用するというよりも、地方移住や二地域居住に関心を持つ社員へ情報提供する制度として捉えるのが適切です。

たとえば、次のような社員が対象として考えられます。

・フルリモート勤務を活用して地方移住を検討している社員
・サーフィンや釣りなど、海の近くでの暮らしを希望する社員
・子育て環境や自然環境を重視している社員
・都市部と地方の二地域居住を検討している社員
・将来的なサテライトオフィス勤務を希望する社員

企業が社員の暮らし方まで支援することは、福利厚生の充実だけでなく、人材の定着にもつながります。

最初はワーケーションで地域を訪れ、次にお試し移住で実際の生活を体験し、その後に移住や二地域居住を検討する。このように段階を踏むことで、社員と地域のミスマッチを減らすことができます。

伊良湖ホテル&リゾートを滞在拠点にする価値

出典:伊良湖ホテル&リゾート

渥美半島でワーケーションを行う場合、宿泊先の候補となるのが伊良湖岬にある「伊良湖ホテル&リゾート」です。

同ホテルは恋路ヶ浜に近く、客室から伊良湖の景観を楽しめる海辺のホテルです。公式サイトでは、客室をリニューアルし、恋路ヶ浜を望むバリ風スタイルの洋室や、ジャグジー付き露天風呂を備えたスイートルームなどを紹介しています。1階には、ウェルカムドリンクのコーヒーを楽しめるラウンジもあります。

ホテル内や関連施設には、創作フレンチを提供するレストラン「クランマラン」、鉄板焼の「グロット」、寿司・割烹料理の「伊良湖すし 岬」などがあります。また、天文クラブやアマチュア無線クラブもあり、食事と宿泊だけでなく、伊良湖ならではの体験を組み合わせられる点が特徴です。

私が宿泊した際には、レストラン「クランマラン」で創作和フレンチのコースをいただきました。

伊良湖の地魚を使ったお造りをはじめ、伊勢海老、鮑、イクラ、和牛フィレステーキ、フォアグラなどを取り入れた華やかな内容でした。洋食の技法をベースにしながらも、焼物、天ぷら、鯛茶漬けなどの和の要素が組み合わされており、最後まで食べやすいコースでした。

特に、和牛フィレステーキとフォアグラは満足感があり、最後の鯛茶漬けまでおいしくいただけました。

クランマランは、渥美半島の海を眺めながら、旬の食材や伊良湖産の海産物を使った料理を楽しめるレストランです。季節によって料理内容が変わるため、その時期ならではの食材を楽しめることも魅力です。

企業のワーケーションにおいて、夕食は単に食事を取る時間ではありません。

普段の職場では話しにくいことを共有したり、プロジェクトの振り返りをしたり、部署や役職を越えて交流したりするチームビルディングの機会になります。

ただし、夕食の席で正式な会議を行う必要はありません。

「今日、仕事をする場所を変えて気づいたことは何か」

「現在のチームで改善したいことは何か」

「半年後にどのような働き方を実現したいか」

といったテーマを一つだけ用意し、料理を楽しみながら自由に話してもらう方法がおすすめです。

2泊3日のワーケーションモデル

渥美半島でのワーケーションは、次のような2泊3日の構成にすると、仕事、対話、地域体験のバランスを取りやすくなります。

1日目:田原市内で集中して仕事をする

午前中に豊橋駅へ集合し、豊橋鉄道渥美線で三河田原駅へ移動します。

午後は、三河田原駅前のe-spaceで個人作業やオンライン会議を行います。仕事を終えた後に伊良湖方面へ移動し、ホテルで夕食を取りながら参加者同士の交流を深めます。

2日目:チームで考える時間をつくる

午前中は、ホテルや事前に確保した作業場所で集中作業を行います。

午後は、チームミーティング、企画会議、プロジェクトの振り返りなどを実施します。夕方以降は、恋路ヶ浜の散策、地域の食事、星空観察などを取り入れます。

3日目:成果を言語化する

午前中に、ワーケーションで得られた気づきを共有します。

単に「楽しかった」で終わらせず、次のような項目を記録します。

・普段より集中できた業務
・環境を変えたことで生まれたアイデア
・チーム内で新しく分かったこと
・職場に戻ってから実行すること
・今後もワーケーションを続ける価値

その後、田原市内で昼食や買い物を楽しみ、帰路につきます。

渥美半島を「働き方を試す場所」として活用する

渥美半島には、海や温暖な気候といった自然環境だけでなく、三河田原駅前のコワーキングスペース、伊良湖の宿泊施設、地域の食材、移住を支援する制度がそろっています。

つまり、単に景色のよい観光地なのではなく、次のような段階的な人事施策を設計できる地域です。

第1段階は、1泊2日や2泊3日のワーケーションです。

第2段階は、開発合宿、チームビルディング、管理職合宿などへの活用です。

第3段階は、地方移住や二地域居住に関心を持つ社員への情報提供です。

第4段階は、サテライトオフィスや地域企業との連携の検討です。

IT企業にとって重要なのは、社員に「自然の中で仕事をしてください」と伝えることではありません。

どこで仕事をすれば成果が上がるのか、どのような環境であれば社員が長く働き続けられるのかを、実際に試す機会をつくることです。

渥美半島でのワーケーションは、福利厚生、採用広報、チームビルディング、人材定着、地方移住支援を一つにつなげられる可能性があります。

まずは少人数で実施し、業務成果、参加者満足度、チーム内のコミュニケーション、費用、移動負担などを測定してみてください。

その結果を踏まえて、自社に合ったワーケーション制度へと改善していくことが大切です。