新人エンジニアの方にプログラムの写経のススメ

こんにちは。ゆうせいです。

「写経」と聞くと、お寺や仏教の修行をイメージするかもしれません。しかし、エンジニア界隈での「写経」とは、既存のコードを書き写すことを指します。これが新人エンジニアのスキルアップに役立つ手法として、近年注目されています。

今日は、写経のメリットや具体的なやり方、そして注意点について解説します。一見シンプルなこの練習法が、どうして効果的なのか一緒に考えてみましょう!


写経とは?

エンジニアの「写経」は、既存のプログラムコードを一行一行自分の手で書き写すことです。ただし、単なるコピーではありません。理解しながら書き写すことが重要です。

例えば、サンプルコードを見ながら、それを自分のエディタに書き写していきます。その際に、「なぜこのコードが動くのか」「ここで何が行われているのか」を考えながら進めることで、知識が深まります。


写経のメリット

1. コードの流れを理解できる

写経の最大の利点は、コードの構造や流れを体感的に理解できることです。コードをただ読むだけでは、頭に入ってこない部分もありますが、書くことで記憶に定着します。


本で見た「if文」の書き方を、実際に書いてみることで「条件式の後に必ず括弧が必要なんだ!」と気づくことがあります。


2. 実際に手を動かすことで学習効果が高まる

エンジニアとして成長するには、手を動かすことが欠かせません。ただ「読んでわかった気になる」だけでは、いざ自分でコードを書くときに手が止まります。写経は「体で覚える」学習法です。


3. 良いコードの書き方を学べる

写経の対象となるのは、優れたサンプルコードが一般的です。それらのコードを何度も書くことで、「きれいなコードとは何か」が自然と身についてきます。


4. タイピングスキルも向上する

新人エンジニアは、タイピングやエディタの操作がまだぎこちないことが多いです。写経を繰り返すことで、これらのスキルも一緒に磨けます。

写経の方法


1. 簡単なJavaコードの例を写経する

元のコード

public class HelloWorld {
    public static void main(String[] args) {
        // コンソールにメッセージを出力
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

書き写しながら考えるポイント

  • public class HelloWorld: クラスを定義しています。このコードでは、HelloWorld というクラス名を使用しています。
  • public static void main(String[] args): プログラムのエントリーポイント(最初に実行される部分)です。
  • System.out.println("Hello, World!"): 標準出力(コンソール)に文字列を表示する命令です。

2. 実行して動作を確認する

写経したら以下のコマンドで実行してみましょう。

コンパイル

javac HelloWorld.java

実行

java HelloWorld

コンソールに Hello, World! と表示されれば成功です。


3. アレンジを加える

写経が終わったら、コードを少しアレンジしてみましょう。

アレンジ例

public class Greeting {
    public static void main(String[] args) {
        // 名前を出力
        String name = "Yusei";
        System.out.println("Hello, " + name + "!");
    }
}

アレンジポイント

  • HelloWorldGreeting に変更しました。
  • String name という変数を追加し、文字列を結合して挨拶を表示するコードにアレンジしました。

4. 複雑なコードに挑戦

慣れてきたら、条件分岐やループを含むコードを写経しましょう。

条件分岐の例

public class EvenOddChecker {
    public static void main(String[] args) {
        int number = 10;

        // 偶数か奇数かを判定
        if (number % 2 == 0) {
            System.out.println(number + " is even.");
        } else {
            System.out.println(number + " is odd.");
        }
    }
}

ループの例]

public class MultiplicationTable {
    public static void main(String[] args) {
        // 掛け算の九九を表示
        for (int i = 1; i <= 9; i++) {
            for (int j = 1; j <= 9; j++) {
                System.out.print(i * j + "\t");
            }
            System.out.println(); // 改行
        }
    }
}


5. エラーを直しながら学ぶ

実行中にエラーが発生した場合、エラーメッセージを読んで、何が間違っているのかを確認しましょう。写経中にミスを見つけて修正することも学びの一環です。

よくあるエラー

  • セミコロンの忘れ System.out.println("Hello") // セミコロンがない
  • クラス名の間違い public class Greeting { ... } // ファイル名が `HelloWorld.java` だとエラーになる

まとめ

Javaの写経を進める際は、以下の手順を意識して取り組みましょう。

  1. 基本的なコードから始める
    • HelloWorld のような簡単なコードを書き写します。
  2. コードの意図を理解しながら進める
    • public static void main など、各構造が何を意味しているのかを考えます。
  3. アレンジを加える
    • 変数を追加したり、条件分岐を使って機能を増やしてみましょう。
  4. エラーを学びに変える
    • エラーを経験することで、正しいコードの書き方が身につきます。

写経はシンプルですが、実践的なスキルを身につけるための強力な方法です。Javaのようなオブジェクト指向言語で写経を続けることで、基礎力と応用力がしっかり鍛えられます。ぜひ毎日の習慣にしてみてくださいね!のカギになりますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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