シュレディンガーの猫とは?

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「シュレディンガーの猫」という物理学の有名な例え話についてお話しします。この話は、量子力学という少し不思議な世界の性質を説明するために考案されました。猫が登場するため、一見するとシンプルに思えますが、その背景には深い科学的な議論が隠れています。一緒にわかりやすく解説していきましょう!


シュレディンガーの猫とは?

シュレディンガーの猫は、オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレディンガーが提案した思考実験です。思考実験とは、実際にやってみるのではなく、頭の中で仮想的な状況を想像して問題を考える方法です。この実験では、量子力学の「重ね合わせ」という現象を説明しつつ、その理論の奇妙さを際立たせようとしています。


実験の内容

以下のような状況をイメージしてください。

  1. 箱の中に猫を入れる
    もちろん、これは思考実験なので想像だけです。実際に猫を閉じ込めたりしません。
  2. 箱の中に特定の装置を設置する
    • 放射性物質:不安定な原子が含まれており、いつ放射線を放つかは確率的に決まります。
    • ガイガーカウンター:放射線を検知する装置。
    • 毒ガスの仕掛け:ガイガーカウンターが放射線を検知すると、毒ガスが放出されます。
  3. 1時間後、箱を開けない
    箱の外から中を見ることはできず、猫の状態(生きているのか、死んでいるのか)はわかりません。

ここで重要なのは、量子力学のルールによれば、放射性物質が崩壊するかどうかは「確率」でしか決まらないという点です。つまり、崩壊する場合もあれば、しない場合もあるのです。


猫の状態はどうなる?

箱を開けるまで、猫の状態は次の2つが重なり合っています。

  1. 放射性物質が崩壊して毒ガスが放出され、猫が死んでいる状態
  2. 放射性物質が崩壊せず、猫が生きている状態

このように、量子力学では「観測するまで状態が確定しない」という考え方があります。箱を開ける瞬間に初めて「生きている猫」または「死んでいる猫」という1つの状態が確定すると考えます。


重ね合わせとは?

この「生きている状態」と「死んでいる状態」が同時に存在するような状況を、「重ね合わせ」と言います。量子力学の特徴的な性質の一つで、例えば電子などの小さな粒子が2つ以上の状態を同時に持つことがあります。

ただし、この話を猫のような大きな物体に当てはめると、どうしても直感的に納得しにくくなります。その矛盾や奇妙さを示すためにシュレディンガーがこの実験を提案したのです。


この話のポイント

  • 観測の重要性
    量子力学では、観測することで初めて物体の状態が確定します。この観測の役割が「シュレディンガーの猫」の核心部分です。
  • 日常の感覚とは異なる世界
    普段の世界では、猫が「生きているか死んでいるか」は明確です。しかし、量子力学ではそれが同時に存在できるという不思議な理論が登場します。

この話が示すもの

シュレディンガーの猫は、量子力学の理論が日常の経験といかに異なっているかを考えさせる話です。一方で、「重ね合わせ」や「観測」という概念がどのように解釈されるべきかという哲学的な議論も引き起こしました。


いかがでしたか?少し量子力学に興味が湧いてきましたか?この分野はとても奥が深いですが、まずはこの「猫の話」を入り口に、さらに詳しく学んでみるのも面白いですよ!

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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