「企業会計原則」 について、新人エンジニア向けにわかりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は 「企業会計原則」 について、新人エンジニア向けにわかりやすく解説していきます。エンジニアとしてシステム開発やデータ分析に関わると、企業の会計データを扱うことが出てくるかもしれません。そんなとき、「企業会計原則って何?」という疑問を解決できるようにしましょう!


企業会計原則とは?

企業会計原則(きぎょうかいけいげんそく)とは、日本の企業が会計処理を行うときに守るべき基本的なルールのことです。

簡単に言うと、「お金の動きをどうやって記録すればいいの?」という共通の決まりごとですね。例えば、売上や経費をどう記録するか、利益をどう計算するかといったルールが定められています。

企業会計原則は、企業が 財務諸表(ざいむしょひょう) を作成するときに基準となる考え方を示しています。財務諸表とは、企業の経営成績や財政状況を示す書類のことです。


企業会計原則の7つの原則

企業会計原則には7つの基本原則があります。これを理解すると、会計がどんなルールに基づいているのかが見えてきます。

① 真実性の原則

👉 「ウソをつかないこと!」 財務諸表は 事実に基づいて正しく作成 しなければなりません。企業が粉飾決算(ふんしょくけっさん)をしてしまうと、投資家や取引先を騙してしまうことになります。

例えば、実際には100万円しか売り上げていないのに、150万円の売上と記録したらダメですよね?こうした 不正を防ぐための原則 です。


② 正規の簿記の原則

👉 「ルールに沿って記録すること!」 企業の会計処理は、正しい方法(正規の簿記)で記録しなければならない という原則です。

ここでいう「簿記(ぼき)」とは、お金の流れを記録するためのルールのこと。例えば、「複式簿記(ふくしきぼき)」と呼ばれる記録方法が一般的に使われています。

🔹 複式簿記とは?

  • お金の出入りを「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」に分けて記録する方式。
  • 例えば、「現金が100万円増えた」なら、それに対応する「売上が100万円発生した」ことをセットで記録。

③ 継続性の原則

👉 「コロコロ変えないこと!」 一度決めた会計処理の方法は 毎期(まいき)継続して適用 しなければなりません。

例えば、去年は「売上を現金主義で記録」し、今年は「発生主義で記録」すると、経営状況を正しく比較できなくなります。これを防ぐため、同じルールを継続して適用するのが重要です。


④ 保守主義の原則

👉 「慎重に見積もること!」 会計では、利益を大きく見せるよりも 損失を大きく見積もる ことが推奨されます。

例えば、

  • 商品の価値が下がりそうなら、早めに評価損を計上する
  • まだ確定していない収益は、慎重に扱う

これは、企業が突然倒産したり、投資家を騙したりしないようにするためのルールです。


⑤ 単一性の原則

👉 「1つの基準で作ること!」 企業の財務諸表は、利害関係者(投資家、取引先、税務署など)にとって 共通の基準で作られるべき という原則です。

例えば、社長向けには利益を多めに計算し、税務署向けには利益を少なめに計算する……といったやり方はNGです。


⑥ 重要性の原則

👉 「小さいことは無視OK!」 細かすぎる情報をいちいち会計処理していたら、企業の負担が増えすぎます。そこで、「重要でないことは省略してもOK」というルールです。

例えば、会社の文房具(ボールペンやノートなど)の購入を 資産として記録する必要はなく、経費として一括計上してもOK という感じですね。


⑦ 明瞭性の原則

👉 「誰が見てもわかるように!」 財務諸表は わかりやすく作成するべき という原則です。

もし、財務諸表が複雑すぎて意味がわからないと、投資家や取引先が 企業の経営状態を正しく判断できなくなります


企業会計原則とエンジニアの関わり

「エンジニアなのに会計の知識が必要なの?」と思うかもしれません。でも、以下のような場面では知識が役立ちます。

💡 ① 経理・財務システムの開発

  • 企業の売上や経費を管理するシステムを作るとき、企業会計原則を理解していないと、誤ったデータ処理をしてしまう可能性があります。

💡 ② BI(ビジネスインテリジェンス)やデータ分析

  • 企業の財務データを分析する際に、企業会計原則を知らないと 「なぜこの数値がこうなるのか?」 を理解できません。

💡 ③ スタートアップや副業の管理

  • 将来的に 起業や副業 を考えているなら、会計の知識は必須。財務諸表を正しく作れないと、資金調達や経営判断に困ることになります。

まとめ

企業会計原則は、企業が会計処理をするための基本ルール です。特に次の7つの原則が重要でした。

  1. 真実性の原則(ウソをつかない!)
  2. 正規の簿記の原則(決まった方法で記録!)
  3. 継続性の原則(コロコロ変えない!)
  4. 保守主義の原則(慎重に評価!)
  5. 単一性の原則(1つの基準で作る!)
  6. 重要性の原則(小さいことは無視OK!)
  7. 明瞭性の原則(誰が見てもわかるように!)

エンジニアとしてシステムを開発したり、データを分析したりするとき、会計のルールを知っておくと役に立ちます。特に 経理システムの開発や、財務データの分析をするときには必須 ですね。

これを機に、会計の知識をさらに深めてみてください!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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