初心者エンジニア必見!Javaコレクションフレームワークがスッキリ理解できる
Javaコレクションフレームワーク第1章:データの入れ物のルールを知ろう
こんにちは。ゆうせいです。
いよいよ今日から、Javaのデータ管理の真打ち「コレクションフレームワーク」の冒険が始まります!プログラムを書いていると、1つの変数だけでは足りず、たくさんのデータをまとめて扱いたい場面が必ず出てきます。
そんなとき、ただバラバラにデータを置くのではなく、整理整頓された棚に収納できたら便利だと思いませんか?今回は、その棚の設計図にあたるインターフェースについてお話しします。
コレクションフレームワークって一体なに?
コレクションフレームワークとは、一言で言えば「データをまとめて扱うための共通の仕組み」のことです。Javaを作った偉い人たちが、私たちが楽をできるように「よく使うデータの入れ物」をあらかじめ用意してくれています。
もしこの仕組みがなかったら、私たちはデータの追加や削除をするたびに、複雑な計算式を自分で書かなければなりません。想像しただけで目が回りそうですよね!
コレクションを使うメリット
- データの数に合わせて入れ物の大きさが勝手に変わってくれる
- 並び替えや検索のプログラムを自分で一から書かなくて済む
- 誰が書いても同じルールで操作できるので、読みやすいコードになる
コレクションを使うデメリット
- 仕組みが巨大なので、最初は覚えることが多く感じる
- 適切な種類を選ばないと、動作が遅くなる原因になる
魔法の言葉「インターフェース」を理解しよう
コレクションを学ぶ上で絶対に避けて通れないのがインターフェースという考え方です。
専門用語:Interface(インターフェース)
これは、クラスが持つべき機能の「名前」だけを決めた約束事のことです。中身の具体的な作り方は決まっていませんが、「この名前のメソッドを必ず準備してね」というルールだけが示されています。
例えるなら、家電の「リモコン」です。
テレビのリモコンには「電源ボタン」がありますよね。中身が液晶テレビでも、有機ELテレビでも、私たちは「電源ボタンを押せばつく」というルールさえ知っていれば操作できます。
コレクションフレームワークも同じです。Listというインターフェース(ルール)を知っていれば、中身がどんな仕組みであっても、addというボタンを押せばデータを追加できるのです。
最初に覚えるべき3つの大きなルール
Javaのコレクションには、大きく分けて3つのグループ(インターフェース)があります。これらはすべて、Collectionという親玉のルールを引き継いでいます。
| ルールの名前 | 特徴 | 例え話 |
| List | 順番を大切にする。重複OK。 | 行列のできるラーメン屋の列 |
| Set | 重複を許さない。順番は気にしない。 | ビンゴマシンの数字の玉 |
| Map | キーと値のペアで管理する。 | ホテルのフロントにある鍵の棚 |
※厳密には、Mapだけは少し特殊な立ち位置ですが、仲間として一緒に覚えるのが定石です。
なぜ「型」を意識する必要があるの?
Javaでコレクションを使うときは、中に入れるデータの種類をあらかじめ決めておく必要があります。
専門用語:Generics(ジェネリクス)
入れ物に入れるデータの種類を指定する仕組みです。
例えるなら「卵パック」です。卵パックには卵しか入れませんよね?もし間違えてゴルフボールを入れようとしたら、パックが壊れる前に「それは卵じゃないよ!」と教えてくれるのがジェネリクスの役割です。
コードではこのように書きます。
List<String> list = new ArrayList<>();この <String> の部分がジェネリクスです。「このリストには文字列(String)しか入れませんよ」と宣言しているわけですね。
まとめと次回の指針
第1章では、コレクションフレームワークが「共通のルール(インターフェース)」に基づいた便利な道具箱であることを学びました。
まずは「List」「Set」「Map」という3つの大きなグループがあること、そしてそれらはインターフェースという共通の操作ルールで動いていることだけを頭の片隅に置いておいてください。
さて、ここまでの話で、どのグループが一番自分のプログラムに使えそうですか?
次回は、いよいよ実践編です。一番人気のある List の代表格、ArrayList について、実際にどうやってデータを追加したり取り出したりするのかを詳しく見ていきましょう!
Javaコレクションフレームワーク第2章:最強の配列?ArrayListをマスターしよう
前回は、コレクションフレームワークの全体像とインターフェースというルールについてお話ししましたね。今回は、実務で最も頻繁に登場する主役、ArrayList(エーアールリスト)を深掘りしていきましょう!
普通の配列を使っているときに「もっと自由に要素を増やせたらいいのに!」と思ったことはありませんか?その願いを叶えてくれるのが、このArrayListなんです。
ArrayListってどんなもの?
ArrayListは、一言で言うと「サイズが自動で変わる配列」です。
普通の配列は、最初に「10個分」と決めたら、後から11個目を入れることはできません。しかし、ArrayListは中身がいっぱいになると、Javaが裏側で自動的に大きな入れ物を用意して引っ越しさせてくれます。
ArrayListを使うメリット
- データの追加や削除がとても簡単
- 何番目にどのデータがあるかを探すのが非常に速い
- データの数(size)をいつでも正確に把握できる
ArrayListを使うデメリット
- リストの「最初」や「途中」にデータを割り込ませると、後ろのデータをすべてずらす必要があるので時間がかかる
- 大量のデータを扱うとき、引っ越し作業(リサイズ)が何度も起きると動作が重くなることがある
実際にコードを書いてみよう
ArrayListを使うときは、まず「何を入れるリストか」を宣言します。
import java.util.ArrayList;
import java.util.List;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// String(文字列)を入れるリストを作成します
List<String> fruits = new ArrayList<>();
// データを追加する
fruits.add("りんご");
fruits.add("バナナ");
fruits.add("オレンジ");
// 2番目(インデックスは1)を取り出す
String secondFruit = fruits.get(1);
System.out.println("2番目は: " + secondFruit);
// リストのサイズを確認する
System.out.println("今の果物の数は: " + fruits.size());
}
}
大切な専門用語:Index(インデックス)
ArrayListを操作するときに絶対に忘れてはいけないのがインデックスです。
専門用語:Index(インデックス)
リストの中のデータの住所のようなもので、必ず0から始まります。
例えるなら「マンションの部屋番号」です。1階の最初の部屋は0号室、次が1号室……というルールです。
3つのデータが入っているとき、最後のデータのインデックスは2になります。3番目だからといって「3」を指定してしまうと、「そんな部屋はありません!」とエラー(例外)が出てしまうので注意してくださいね。
なぜArrayListは「検索」に強いのか?
ArrayListの内部構造は、メモリ上にデータが「一列に、隙間なく」並んでいます。
専門用語:Random Access(ランダムアクセス)
どの位置にあるデータでも、インデックスさえわかれば一瞬で直接アクセスできる機能のことです。
例えるなら「学校の出席名簿」です。先生が「出席番号50番の人!」と呼べば、1番から順番に確認しなくても、50番の人が誰かすぐにわかりますよね。この「指名打ち」ができるのがArrayListの最大の強みです。
まとめと次回の指針
第2章では、ArrayListが「サイズを気にせず使える便利な配列」であることを学びました。
- addで追加し、getで取り出す
- インデックスは0から始まる
- データの検索や読み取りが得意!
というポイントを押さえておけば完璧です。
さて、ArrayListは非常に便利ですが、もし「同じデータを二度と入れたくない!」という状況になったらどうしますか?ArrayListだと、addを2回呼べば同じものが2つ入ってしまいます。
次回は、そんな「重複」を魔法のように防いでくれる、第3章:Set(セット)の世界を覗いてみましょう!
Javaコレクションフレームワーク第3章:重複を許さない!Setの不思議な世界
前回は、データの順番を大切にするArrayListについて学びましたね。でも、プログラムを作っていると「同じデータを二度と入れたくない」「すでにあるデータなら無視したい」という場面に出くわします。
例えば、アンケートの回答者リストを作る時、同じ人が2回回答しても1人として数えたいですよね?そんな時に大活躍するのが、今回紹介するSet(セット)です!
Setってどんなもの?
Setを一言で言うと「重複を許さない、ユニークな値の集まり」です。
ArrayListとの最大の違いは、同じ値を2回入れようとしても、Setが「それはもう持ってるよ!」と断ってくれる点です。ただし、その代わりに「何番目に入れたか」という順番の概念が基本的にはありません。
Setを使うメリット
- 自動で重複を排除してくれるので、データのクリーンアップが不要
- 特定のデータが含まれているかどうかの確認が、ArrayListより圧倒的に速い
- 数学の「集合」と同じ操作(和集合や積集合など)が得意
Setを使うデメリット
- インデックス(背番号)がないので、「3番目のデータを取り出す」といった操作ができない
- 入れた順番がバラバラになることがある(HashSetの場合)
実際にコードを書いてみよう
Setの中で最もよく使われるHashSet(ハッシュセット)を使ってみましょう。
import java.util.HashSet;
import java.util.Set;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// Stringを入れるSetを作成します
Set<String> colors = new HashSet<>();
// データを追加する
colors.add("赤");
colors.add("青");
colors.add("黄色");
// もう一度「赤」を追加してみる
colors.add("赤");
// 中身を確認する(赤は1つしか表示されません!)
System.out.println("色の種類: " + colors);
// 特定の色が含まれているか確認する
if (colors.contains("青")) {
System.out.println("青はリストに含まれています!");
}
}
}
なぜ一瞬で「重複」を見抜けるの?
ArrayListの場合、新しいデータを入れる時に「すでにあるかな?」と調べようとすると、端から順番に見ていく必要があります。100万件あったら大変な作業ですよね。
ところが、Set(特にHashSet)は魔法のような仕組みを使っています。
専門用語:Hashing(ハッシュ化)
データの内容を元に、一意の「整理番号」を計算で導き出す仕組みです。
例えるなら、巨大なショッピングモールの「下駄箱」です。靴を預ける時、名前から計算した特定の番号の箱に直接入れます。次に同じ名前の人が来たら、その番号の箱だけを見れば「あ、もう入ってるな」と一瞬でわかりますよね。他の箱を一切見なくて済むのが、速さの秘密です!
順番を保持したい時はどうする?
「重複はさせたくないけど、入れた順番も守りたい!」というわがままな(?)要求に応える道具もちゃんと用意されています。
専門用語:LinkedHashSet(リンクドハッシュセット)
HashSetの「重複なし」という特徴に、「入れた順番を記録する」という機能を付け加えたものです。
少しだけメモリを多めに使いますが、表示する時に順番が崩れてほしくない場合にはこちらを選びましょう。
まとめと次回の指針
第3章では、Setが「ダブりを許さない、スピード重視の入れ物」であることを学びました。
- 同じ値は1つしか保持されない
- インデックスによる指定はできない
- ハッシュという仕組みのおかげで、検索がめちゃくちゃ速い!
この特徴を理解していれば、データの整理がぐっと楽になります。
さて、これまでは「単体のデータ」を扱ってきましたが、実務では「名前」と「電話番号」のように、2つのデータを関連付けて管理したいことが非常に多いです。
次回は、コレクションフレームワークの中でも「最強」と名高い、第4章:Map(マップ)の世界へご案内します!
Javaコレクションフレームワーク第4章:最強の検索ツール!Mapでデータを紐付けよう
これまでは、単体のデータを詰め込む「リスト」や「セット」を見てきましたね。でも、実際のプログラムでは「出席番号と名前」「商品コードと価格」のように、2つのデータをセットにして管理したい場面が山ほどあります。
そんな時に真価を発揮するのが、今回紹介するMap(マップ)です!これを使えるようになると、データ管理の効率が劇的に上がりますよ。
Mapってどんなもの?
Mapを一言で言うと「キー(鍵)と値(中身)をペアにして保管する辞書」です。
最大の特徴は、インデックス(0番、1番…)ではなく、自分で決めた「キー」を使ってデータを取り出せることです。
Mapを使うメリット
- 膨大なデータの中から、特定のキーワードで一瞬に中身を探し出せる
- 意味のある名前(キー)で管理できるので、コードが読みやすくなる
- データの更新が簡単(同じキーで上書きするだけ!)
Mapを使うデメリット
- 1つのキーに対して、値は1つしか持てない(同じキーで2回入れると、古い方は消えてしまう)
- データの「順番」を保持しないものが多い(HashMapなど)
実際にコードを書いてみよう
最もよく使われるHashMap(ハッシュマップ)を使って、ユーザーのIDと名前を管理してみましょう。
import java.util.HashMap;
import java.util.Map;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// キーがInteger(数値)、値がString(名前)のMapを作ります
Map<Integer, String> userMap = new HashMap<>();
// データをペアで追加する(putを使います)
userMap.put(101, "佐藤さん");
userMap.put(102, "鈴木さん");
userMap.put(103, "高橋さん");
// キーを指定してデータを取り出す(getを使います)
String name = userMap.get(102);
System.out.println("ID 102番の人は: " + name);
// 存在しないキーを指定すると、nullが返ってきます
System.out.println("ID 999番の人は: " + userMap.get(999));
}
}
大切な専門用語:Key-Valueペア
Mapを理解する上で欠かせないのが、この「ペア」の考え方です。
専門用語:Key(キー)
中身を取り出すための「合言葉」や「名札」のことです。
例えるなら、ホテルの「部屋番号」です。キーは絶対に重複してはいけません。もし同じ番号の部屋が2つあったら、どっちに行けばいいか迷ってしまいますよね。
専門用語:Value(バリュー / 値)
キーに紐付けられた「実際の中身」のことです。
例えるなら、その部屋に「泊まっているお客さん」です。値の方は、別々の部屋に同じ名前の人が泊まっていても(重複していても)全く問題ありません。
なぜMapは検索がこんなに速いの?
第3章のSetで「ハッシュ化」という魔法のお話をしましたね。HashMapもその魔法を使っています。
キーを計算式にかけることで、メモリ上のどこにデータがあるかを瞬時に割り出します。100万件のデータがあっても、1番目から順番に探す(線形探索)必要がありません。「これだ!」と指を差すようにデータを見つけられるのが、Mapが「最強」と言われる理由です。
まとめと次回の指針
第4章では、Mapが「キーと値をセットにして、超高速で検索できる辞書」であることを学びました。
- putでペアを入れ、getでキーから値を取り出す
- キーは重複NG、値は重複OK!
- 順番ではなく「意味のある名前」でデータを管理したい時に使う
さて、ここまで「データの入れ物」を学んできましたが、入れたデータを「名前順に並べたい」とか「点数が高い順に並べたい」と思ったことはありませんか?
次回は、バラバラのデータを美しく整列させる技術、第5章:並び替え(ソート)のルールについて解説します!
Javaコレクションフレームワーク第5章:バラバラなデータを整列!ソートのルールをマスターしよう
前回は、最強の検索ツールであるMapについて解説しました。たくさんのデータを保管できるようになると、次にやりたくなるのが「並び替え」ですよね。
「点数の高い順に並べたい」「名前のあいうえお順にしたい」といった要望を叶えるのが、ソートという技術です。Javaではどうやってコンピュータに「並び替えのルール」を教えるのか、その仕組みを覗いてみましょう!
ソートってどんなもの?
ソートを一言で言うと「特定の規則に従ってデータを並び替えること」です。
数字であれば「1, 2, 3...」と小さい順に並べるのは簡単ですが、自分で作った「社員クラス」や「商品クラス」を並び替えるときは、コンピュータは「何に注目して並べればいいの?」と迷ってしまいます。そこで、私たちがルールを教えてあげる必要があります。
ソートを学ぶメリット
- データを読みやすく整理できる
- 「ランキング」や「最新順」などの機能を簡単に作れる
- 自分で並び替えのアルゴリズム(手順)を書かなくていいので、バグが減る
ソートを学ぶデメリット
- 並び替えのルールを指定する方法が複数あり、最初は使い分けに迷う
- 大量のデータを何度も並び替えると、プログラムの動作が重くなる
1. 自然な順番を決める「Comparable」
まずは、そのデータ自身に「自分はこう並ぶのが普通ですよ」というルールを持たせる方法です。
専門用語:Comparable(コンパラブル)
クラスそのものに「比較機能」を持たせるためのインターフェースです。
例えるなら「身長順に並んでください」と言われた時の「自分自身の身長」です。自分が他人と比べて高いか低いか、自分自身が答えを知っている状態ですね。
import java.util.ArrayList;
import java.util.Collections;
import java.util.List;
// Comparableを実装して、比較ルールを決めます
class Student implements Comparable<Student> {
int score;
String name;
Student(int score, String name) {
this.score = score;
this.name = name;
}
// ここで比較のルールを書きます
@Override
public int compareTo(Student other) {
// 自分の点数と相手の点数を引き算して、順序を決めます
return this.score - other.score;
}
}
2. 自由にルールを変える「Comparator」
次に、データの外側から「今回はこのルールで並べて!」と指示を出す方法です。
専門用語:Comparator(コンパレータ)
データそのものではなく、第三者が決める「並び替えのルール(比較器)」のことです。
例えるなら「審査員」です。同じ生徒たちを並べるにしても、ある時は「テストの点数順」、ある時は「足の速い順」と、審査員(Comparator)を入れ替えることで自由自在に並び順を変えられます。
import java.util.Comparator;
// 点数が高い順(降順)にするための審査員を作ります
Comparator<Student> highScoreOrder = new Comparator<Student>() {
@Override
public int compare(Student s1, Student s2) {
return s2.score - s1.score;
}
};
// これをCollections.sort(list, highScoreOrder); のように使います
どっちを使えばいいの?
使い分けの基準はとてもシンプルです!
- 自然な順序(数字の大小や辞書順など)が1つだけ決まっているなら:Comparable
- 状況によって「名前順」や「日付順」と切り替えたいなら:Comparator
実務では、元々のデータはそのままにしておき、Comparatorを使って柔軟に並び替える方法がよく好まれます。
まとめと次回の指針
第5章では、データの並び替え(ソート)を制御する2つの方法を学びました。
- Comparable:データ自身に備わっている「基本の並び順」
- Comparator:外から指定する「特別な並び順」
これで、データをただ入れるだけでなく、美しく整列させることができるようになりましたね!
さて、これまでは「入れた後の整理」の話でしたが、中には「入れる時から特別な順番待ちをさせたい」というデータ構造もあります。
次回は、レジの行列やスタックなど、データの「出入り」を管理する、第6章:Queue(キュー)とDeque(デック)の世界へ進みましょう!
データの出口と入口をコントロール!第6章:QueueとDequeで順番待ちを管理しよう
前回は、バラバラのデータをきれいに並べ替えるソートの技術を学びましたね。でも、世の中には「後から並べ替える」のではなく、「入ってきた順番を守って処理する」ことが何より大切な場面があります。
例えば、人気ラーメン店の行列や、スマホアプリの「戻る」ボタンの動作などです。こうした「データの出入り」をスマートに管理するのが、今回紹介するQueue(キュー)とDeque(デック)です!
Queueってどんなもの?
Queueを一言で言うと「先入れ先出しの行列」です。
専門用語:FIFO(フィフォ / First-In First-Out)
最初にコレクションに入れたデータが、最初に取り出される仕組みのことです。
例えるなら「チケット売り場の列」です。一番早く並んだ人が、一番早くチケットを買って出ていきますよね。割り込みは禁止です!
Queueを使うメリット
- 処理待ちのデータを、届いた順番通りに正確にさばくことができる
- サーバーへのアクセス集中など、一時的にデータを溜めておきたい時に役立つ
Dequeってどんなもの?
Deque(Double Ended Queue)を一言で言うと「両端から出し入れできる自由な列」です。
Queueは出口と入口が決まっていましたが、Dequeは前からも後ろからもデータを入れたり出したりできます。
専門用語:LIFO(リフォ / Last-In First-Out)
最後に入れたデータが、最初に取り出される仕組みのことです。これをスタックと呼びます。
例えるなら「机に積み上げた本」です。一番上に置いた(最後に入れた)本を、一番最初に取り出しますよね。ブラウザの「戻る」ボタンも、最後に見たページを最初に出すので、この仕組みが使われています。
実際にコードを書いてみよう
Dequeの中でもよく使われるArrayDeque(アレイデック)を使って、Queue(行列)としての動きを確認してみましょう。
import java.util.ArrayDeque;
import java.util.Deque;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// DequeをQueue(行列)として使います
Deque<String> queue = new ArrayDeque<>();
// データを後ろに追加する(行列に並ぶ)
queue.addLast("お客さんA");
queue.addLast("お客さんB");
queue.addLast("お客さんC");
// 先頭からデータを取り出して削除する(お会計!)
while (!queue.isEmpty()) {
String person = queue.removeFirst();
System.out.println(person + "の処理が終わりました");
}
}
}
注意点:間違った出口から出さないで!
Dequeは自由度が高い反面、使い道をしっかり決めておかないと混乱の元になります。
Dequeを使う時のデメリット
- 前からも後ろからも操作できるため、ルールを決めずに使うとデータの順番がぐちゃぐちゃになる
- 内部構造によっては、特定の操作(真ん中のデータを消すなど)が苦手な場合がある
「これはQueueとして使う(FIFO)」「これはStackとして使う(LIFO)」と、自分の中でルールを明確にしてから使い始めましょう!
まとめと次回の指針
第6章では、データの「入り方」と「出方」を管理するQueueとDequeを学びました。
- Queueは「先入れ先出し(FIFO)」の行列
- Dequeは「両端OK」の万能選手
- スタック(LIFO)を作りたい時もDequeが推奨される
さて、ここまで全6回にわたって様々な「データの入れ物」を紹介してきました。でも、結局どれを使えばいいのか、まだ迷うことはありませんか?
次回はいよいよ最終回。実務で差がつく!コレクションの選び方と変換、そしてこれからの学習の進め方についてお話しします!
Javaコレクションフレームワーク最終章:実務で迷わない!最適な道具の選び方と卒業検定
全7章にわたるコレクションフレームワークの旅も、ついにフィナーレを迎えました!ここまで読み進めてきたあなたは、Javaのデータ管理に関する基礎体力がしっかり身についているはずです。
最後は、これまでの知識を総動員して「結局、いつどれを使えばいいの?」という疑問に白黒つけていきましょう。プロの現場で役立つ、判断の「ものさし」を伝授します。
迷った時のための「最強の選択フローチャート」
明日からコードを書くとき、どの入れ物を使うべきか迷ったら、自分に次の3つの質問を投げかけてみてください。
1. キー(合言葉)で中身を取り出したい?
- はい → Map(HashMapなど)を使いましょう。
- いいえ → 次の質問へ。
2. 重複したデータが入ると困る?
- はい → Set(HashSetなど)の出番です。
- いいえ → 次の質問へ。
3. 基本的なリストとして使いたい?
- はい → List(ArrayList)を選べば間違いありません。
実務で差がつく「変換」のテクニック
実は、一度リストに入れたデータをセットに入れ替えたり、その逆を行ったりすることもよくあります。
例えば、「重複があるかもしれないArrayList」を「HashSet」にガバッと放り込むだけで、一瞬で重複が消え去ります!
import java.util.ArrayList;
import java.util.HashSet;
import java.util.List;
import java.util.Set;
public class Main {
public static void main(String[] args) {
List<String> list = new ArrayList<>();
list.add("りんご");
list.add("りんご"); // 重複!
// リストをそのままセットの材料にする
Set<String> set = new HashSet<>(list);
System.out.println("セットの中身: " + set); // りんごは1つだけ!
}
}
このように、それぞれの道具の「メリット」を組み合わせて使うのがプロの技です。
コレクションフレームワークのメリットとデメリット(総括)
メリット
- 自分で複雑なデータ構造を設計しなくて済む。
- 標準的なルール(インターフェース)に従うため、他の人が書いたコードもすぐに理解できる。
- 大規模なデータでも高速に処理できるクラスが揃っている。
デメリット
- クラスの種類が多く、それぞれの内部構造(メモリの使い方など)を理解していないと、意図しない速度低下を招く。
intやdoubleなどの基本型をそのまま入れられず、Integerなどのクラスに変換(オートボクシング)されるため、極限のパフォーマンスを求める場面では注意が必要。
今後の学習の指針
ここまでマスターしたあなたへ、次に挑戦してほしい3つのステップを提案します。
- Stream APIを学ぼうコレクションのデータを「点数が80点以上の人だけ抽出する」「全員の名前を大文字にする」といった操作を、たった1行で書けるようになる魔法のような機能です。
- 計算量(Big O記法)を意識しよう「なぜArrayListは検索が速くて、データの挿入が遅いのか?」を、コンピュータのメモリの仕組みから理解すると、エンジニアとしての格が一段上がります。
- 自分でミニプロジェクトを作ろう「図書管理システム(Map)」や「SNSのタイムライン(List)」など、学んだコレクションを実際に組み合わせて動くものを作ってみてください。
おわりに
全7回、本当にお疲れ様でした!
最初は「なんだか難しそう」と思っていたコレクションも、こうして整理してみると、それぞれが役割を持った頼もしい仲間たちに見えてきませんか?
Javaの世界にはまだまだ面白い仕組みがたくさんあります。でも、このコレクションという「武器」を手に入れた今のあなたなら、どんなに複雑なデータが襲ってきても、スッキリと片付けられるはずです。
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。

