新人エンジニアの皆さんに向けて「地方税の仕組み」を解説
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「地方税の仕組み」について、新人エンジニアの皆さんに分かりやすく解説します。所得税などの「国税」とは別に、私たちは地方自治体に納める税金も負担しています。これが地方税です。会社員として給与を受け取る中で、地方税の仕組みを知っておくと、手取り額や社会の仕組みをよりよく理解できるようになりますよ!
地方税とは?
地方税は、地方自治体(都道府県や市区町村)が徴収する税金のことです。
これにより、私たちが住む地域の行政サービス(例えば道路整備、学校、ゴミ処理など)が支えられています。
地方税の種類
地方税は大きく分けて、以下の2つに分類されます。
- 都道府県税
- 都道府県が徴収する税金。
- 例:個人住民税(都道府県分)、事業税、自動車税など。
- 市区町村税
- 市区町村が徴収する税金。
- 例:個人住民税(市区町村分)、固定資産税、軽自動車税など。
エンジニアとして押さえておきたいポイント
地方税の中でも、特に「個人住民税」が新人エンジニアにとって身近です。この税金は、給与から自動的に天引きされるので、まずはこれを理解しましょう。
個人住民税とは?
個人住民税は、前年の所得に基づいて計算される税金です。
国税である所得税とは違い、所得が発生した翌年に支払います。
個人住民税の計算方法
個人住民税は次の2つから成り立っています。
- 均等割
- 誰でも一律に支払う部分。
- 2025年現在、多くの自治体で年間 5000円(都道府県分1500円、市区町村分3500円)。
- 所得割
- 所得に応じて支払う部分。
- 基本的には、課税所得に対して 約10%(都道府県分4%、市区町村分6%)の税率がかかります。
計算例
年収400万円のケース
- 所得を計算
年収400万円 → 給与所得控除110万円 → 所得290万円 - 課税所得を計算
所得290万円 - 基礎控除48万円 = 課税所得242万円 - 所得割を計算
課税所得242万円 × 10% = 24万2000円 - 均等割を加算
所得割24万2000円 + 均等割5000円 = 24万7000円
この場合、年間の住民税額は24万7000円、月額では約2万600円が給与から天引きされます。
所得税と住民税の違い
項目 | 所得税(国税) | 住民税(地方税) |
---|---|---|
課税対象 | 所得 | 所得 |
課税タイミング | 所得が発生した年 | 所得が発生した翌年 |
税率 | 累進課税(5~45%) | 一律10%(所得割) |
控除の適用範囲 | 控除の種類が多い | 控除は簡略化されている |
徴収方法 | 源泉徴収、確定申告 | 特別徴収(給与から天引き) |
住民税の徴収方法
住民税は以下の方法で徴収されます。
- 特別徴収
- 会社が従業員の給与から毎月住民税を天引きして、自治体に納付します。
- 多くの会社員はこの方法です。
- 普通徴収
- 個人で自治体に納付する方法。
- 自営業やフリーランスの場合、年4回に分けて納付します。
地方税が使われる場面
住民税を含む地方税は、私たちの生活を支えるために使われます。具体的には:
- 道路や公共施設の整備
- 地域の道路、図書館、公園などの維持管理。
- 教育や福祉
- 学校の運営、児童福祉、生活保護など。
- ゴミ収集や防災
- 日常生活に欠かせないサービスや防災対策。
地方税を意識するメリット
1. 手取り額を正確に把握できる
住民税は給与明細に記載されていますが、前年の所得を基に計算されるため、「どうしてこの額なのか」を理解することが大切です。
2. 転職や副業時の計画が立てやすい
前年の所得に基づいて住民税が決まるので、転職や副業で収入が増えた場合、翌年の住民税額が上がることを考慮しておく必要があります。
3. 引っ越し先での税負担を知る
住民税は自治体ごとに均等割の金額が異なる場合があります。引っ越しを検討するときに地方税負担の違いを知っておくと役立ちます。
最後に
地方税は、私たちの住む地域を支えるための大切な税金です。新人エンジニアの皆さんは、給与明細に記載されている住民税の額を一度確認してみてください。「前年の収入に基づいて計算されている」という仕組みが理解できると、収入や支出の計画が立てやすくなります。
次のステップとして、ふるさと納税などの制度を活用することで、住民税を賢くコントロールする方法も学んでみましょう!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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