画像認識技術セマンティックセグメンテーションとは?仕組みと特徴を初心者向けに解説

こんにちは。ゆうせいです。

画像認識の技術は、スマートフォンの顔認証から自動運転まで、現代のさまざまなシステムで活用されています。その画像認識の分野において、非常に高度な処理を行う技術が「セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)」です。

今回は、セマンティックセグメンテーションの基本的な概念や他の画像認識技術との違い、メリットとデメリットについて、新人エンジニアの皆様向けに分かりやすく解説します。

セマンティックセグメンテーションとは何か

セマンティックセグメンテーションとは、画像内のすべてのピクセル(画素)に対して、それが何を指しているのかというカテゴリ(クラス)を割り当てる画像認識技術です。日本語では「意味領域分割」とも呼ばれます。

セマンティックセグメンテーションを高校生の身近な活動に例えてみましょう。

学校の集合写真を思い浮かべてみてください。写真に写っている要素を、色鉛筆を使って綺麗に塗り分けていく作業を行います。生徒の領域を青色、先生の領域を赤色、背景の校舎を緑色、足元のグラウンドを黄色で隙間なく塗りつぶします。

各領域をカテゴリごとに色分けして塗りつぶす作業が、まさにセマンティックセグメンテーションが行っている処理です。

他の画像認識技術との違い

画像認識にはいくつかの異なるアプローチが存在します。画像分類や物体検出とセマンティックセグメンテーションの違いを整理することで、より理解が深まります。

画像分類(Image Classification)

画像分類は、画像全体に対して「これは犬の画像である」というように、1つのカテゴリを特定する技術です。写真の中に何が写っているかは分かりますが、対象が画像のどこに、どのような形で存在しているかまでは分かりません。

物体検出(Object Detection)

物体検出は、画像の中に存在する特定の物体を見つけ出し、物体の位置を四角い枠(バウンディングボックス)で囲んで示す技術です。物体の位置とおおよその大きさは把握できますが、物体の正確な輪郭や形状までは特定できません。

インスタンスセグメンテーション(Instance Segmentation)

インスタンスセグメンテーションは、セマンティックセグメンテーションと同様にピクセル単位で領域を切り分ける技術ですが、同じカテゴリに属する個々の物体を区別する点が異なります。

例えば、道路上に3人の歩行者がいる場合、セマンティックセグメンテーションでは3人全員を「歩行者」として同じ色で塗りつぶします。一方で、インスタンスセグメンテーションでは、1人目の歩行者を青色、2人目を黄色、3人目を赤色というように、個体を区別して塗り分けます。

セマンティックセグメンテーションのメリットとデメリット

技術を選定する上で重要となる、セマンティックセグメンテーションの具体的なメリットとデメリットを示します。

メリット

  • 物体の境界線や詳細な輪郭をピクセル単位で正確に特定できるため、非常に精密な形状の把握が可能です。
  • 建物や道路、空といった、四角い枠で囲むことが難しい境界線の曖昧な対象に対しても、高い精度で領域を切り分けることができます。
  • 医療画像の診断において病変の位置を特定したり、自動運転において走行可能な道路の領域を検出したりする用途において、高い実用性を発揮します。

デメリット

  • 画像内のすべてのピクセルに対して分類処理を計算するため、処理が複雑になり、多くの計算資源(CPUやGPUなどのコンピュータの処理能力)と時間を必要とします。
  • 複数の同一物体が重なり合っている場合、それぞれの境界線を個別の物体として区別して数える処理には適していません。
  • モデルの学習に用いるデータ(教師データ)を作成する際、人間が手作業で画像内のピクセルを細かく色分けする必要があり、データの準備に膨大なコストと時間がかかります。

まとめと次の学習ステップ

セマンティックセグメンテーションは、画像のピクセル一つひとつに意味を与えることで、高度な空間把握を実現する画像認識技術です。

この技術について実用的な理解を深めるために、以下のステップに沿って学習を進めていくことをお勧めします。

  1. セマンティックセグメンテーションの評価指標である、領域の重なり度合いを表す指標「IoU(Intersection over Union)」の概念と計算方法を調べる。
  2. 代表的なモデルである「FCN(Fully Convolutional Network)」や「U-Net」「DeepLab」などの論文や解説記事を読み、それぞれの構造の違いを比較する。
  3. PyTorchなどのフレームワークに含まれる学習済みモデルを利用して、任意の画像に対してセマンティックセグメンテーションを実行し、出力されるカラーマップ(色分けされた画像)を確認する。

まずは評価指標や代表的なモデルの名称を知ることから始めてみてください。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。