誤差関数と損失関数の違いとは?初心者向けにわかりやすく解説!

こんにちは。ゆうせいです。

今回は「誤差関数と損失関数の違い」について解説していきます。

機械学習や統計の世界に入ると、やたらと目にするのが「誤差関数(error function)」と「損失関数(loss function)」という言葉。でもこの2つ、同じように思えて微妙に違うんですよね。

「一体、何が違うの?」
そんな疑問を持ったあなたのために、初心者でもしっかり理解できるよう、丁寧に噛み砕いてお話しします!


まずはざっくりと違いを一言で!

  • 誤差関数(error function)は「1つのデータに対する誤差の計算方法」
  • 損失関数(loss function)は「全体の誤差をまとめて評価する関数」

もう少し具体的に見ていきましょう!


誤差関数とは?

誤差関数は、予測値と正解値(教師データ)の差を数値化する関数です。
つまり「どれだけ外れたか」を表す道具です。

例えば、予測値が 10、正解値が 8 だったとします。
このとき、誤差の計算方法はたくさんあります:

  • 絶対誤差(absolute error)
    E = |y - \hat{y}|
  • 二乗誤差(squared error)
    E = (y - \hat{y})^2

ここで、

  • y は正解値(教師データ)
  • \hat{y} は予測値
    を表します。

高校生にもわかる例え

誤差関数は、テストの採点でいうと「1問あたり何点間違えたか」を表す感覚に近いです。


損失関数とは?

損失関数は、複数のデータに対する誤差をまとめて評価する関数です。
英語では Loss Function と呼ばれます。

例えば、100個のデータを使って学習するとき、それぞれに誤差を計算して、それらを平均または合計したものが「損失(loss)」になります。

よく使われる損失関数には次のようなものがあります:

  • 平均二乗誤差(Mean Squared Error, MSE)
    L = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^n (y_i - \hat{y}_i)^2
  • 平均絶対誤差(Mean Absolute Error, MAE)
    L = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^n |y_i - \hat{y}_i|

ここで、

  • n はデータ数
  • y_i は i 番目の正解値
  • \hat{y}_i は i 番目の予測値

たとえ話

損失関数は、テストの全体平均点のようなものです。
つまり、「全体的にどれくらい間違えているか」を表しているんですね。


図でイメージを整理しましょう!

以下の図は、誤差関数と損失関数の関係性を表しています:

[1つのデータの誤差] → 誤差関数
[すべてのデータの誤差をまとめる] → 損失関数

たとえば100人のテスト結果で「個人ごとの点数差(誤差)」を見て、それを「全体平均(損失)」にする、そんな流れです。


【比較表】誤差関数 vs 損失関数

項目誤差関数(error function)損失関数(loss function)
対象1つのデータ複数のデータ(全体)
目的個別のズレを評価全体のズレを評価
使用タイミング学習の途中経過や分析に使うことが多い学習の最適化に直接使われる
よく使う例二乗誤差、絶対誤差MSE(平均二乗誤差)、クロスエントロピーなど

よくある勘違い

Q. 誤差関数と損失関数って同じ意味じゃないの?

たしかに、文献やWebサイトによっては、誤差関数 = 損失関数のように書かれていることもあります。
ただし厳密には、「個々の誤差」か「全体の損失」かで役割が違うので、区別して理解しておくと、応用しやすくなります!


今後の学習の指針

誤差関数と損失関数の違いがわかったら、次は以下の内容を学ぶと良いでしょう!

  • コスト関数(cost function)との違い
  • 分類問題に使う損失関数(例:クロスエントロピー)
  • 勾配降下法と損失関数の関係
  • 誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)での扱い

どれも深く関係しているトピックなので、ステップアップに最適です。

それでは、引き続き学習がんばってください!応援しています!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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