Eclipse に組み込まれた EGit(Eclipse Git) の右クリックメニューを紹介します。

Eclipse に組み込まれた EGit(Eclipse Git) の右クリックメニューを紹介します。

当社の新人エンジニアの方々がよく使うものだけを解説します。

基本的なGitの操作(コミット・プッシュ・プル・マージ・リセットなど)がメニューから実行できるため、GUIベースでGitを扱いたい場合に便利です。

初学者にとって重要なGitメニューと詳細解説

EclipseのGitメニューの中でも、特に初学者が頻繁に使う重要な項目を以下に絞って詳しく解説します。


1. コミット(C)...

概要

  • 変更をローカルリポジトリに記録(保存)する
  • ステージングエリア(索引)に追加された変更を確定する。

使い方

  1. Eclipseでファイルを編集する。
  2. パッケージエクスプローラーで変更したファイルを選択。
  3. 右クリック → チームコミット(C)...
  4. コミットメッセージ を入力(例:「バグ修正 #123」)。
  5. コミット ボタンを押す。

ポイント

  • 変更をこまめにコミットすると、履歴を追いやすくなる。
  • 分かりやすいコミットメッセージをつける(何をしたのか明確に)。
  • コミットしただけではリモートリポジトリ(GitHubなど)には送られない。

2. アップストリームへプッシュ(P)

概要

  • ローカルの変更をリモートリポジトリへ送信する
  • git push に相当する操作。

使い方

  1. コミットを完了しておく。
  2. 右クリック → チームアップストリームへプッシュ(P)
  3. リモートリポジトリのブランチを選択し、プッシュ を実行。

ポイント

  • リモートに送ることで他のメンバーと共有可能
  • プッシュする前に、プル して最新の状態にしておくと コンフリクト(競合) を防げる。

3. プル(U)

概要

  • リモートリポジトリの最新状態を取得し、ローカルに適用する
  • git pull に相当する操作。

使い方

  1. 右クリック → チームプル(U)
  2. 自動的に最新の変更が取り込まれる。

ポイント

  • チーム開発では頻繁にプルする必要がある。
  • コンフリクトが発生したら手動で解決する必要がある。

4. マージ(M)...

概要

  • 異なるブランチの変更を統合する
  • git merge に相当する操作。

使い方

  1. マージ先のブランチに切り替えておく。
  2. 右クリック → チームマージ(M)...
  3. マージしたいブランチを選択し、実行。

ポイント

  • ブランチを使うプロジェクトでは頻繁に使う
  • コンフリクトが発生したら、手動で修正が必要

5. 切り替え(W)

概要

  • ブランチを切り替える
  • git checkout に相当する操作。

使い方

  1. 右クリック → チーム切り替え(W)ローカルブランチ
  2. 使用したいブランチを選択。

ポイント

  • 開発を並行して進める際にブランチを使う
  • 変更をコミットせずに切り替えると 警告が出る(変更を失わないように注意)。

6. リセット(R)...

概要

  • リポジトリの状態を過去のコミットに戻す
  • git reset に相当する操作。

使い方

  1. 右クリック → チームリセット(R)...
  2. 戻したいコミットを選び、ハードリセット または ソフトリセット を実行。

ポイント

  • 「ハードリセット」は取り消しができないため注意
  • 誤って重要な変更をリセットしないようにする

7. 索引に追加(A)

概要

  • コミットする前にファイルをステージングする
  • git add に相当する操作。

使い方

  1. 変更したファイルを右クリック → チーム索引に追加(A)
  2. コミット前にステージングエリアに追加する。

ポイント

  • すべての変更を一度にコミットせず、関連する変更ごとにコミットするのが良い

8. ヒストリに表示(O)

概要

  • リポジトリの変更履歴を確認
  • git log に相当する操作。

使い方

  1. 右クリック → チームヒストリに表示(O)
  2. 過去の変更履歴がリスト表示される。

ポイント

  • 誰が・いつ・どんな変更をしたのか確認できる
  • 問題が起きたら、変更履歴をさかのぼって原因を特定するのに便利

9. 無視(I)

概要

  • Gitに管理させたくないファイルを .gitignore に追加
  • gitignore の設定をGUIでできる。

使い方

  1. 右クリック → チーム無視(I)
  2. 選択したファイルが .gitignore に追加される。

ポイント

  • 一時ファイルや環境依存のファイルをGitの管理対象から外すのに有用
  • 誤って必要なファイルを無視しないように注意

10. リポジトリー・ビューで表示(V)

概要

  • Gitリポジトリの全体構成を確認
  • git statusgit branch に相当する情報をGUIで確認できる。

使い方

  1. 右クリック → チームリポジトリー・ビューで表示(V)
  2. ブランチやファイルの状態が一覧表示される。

ポイント

  • 初心者はGitの状態を視覚的に把握しやすくなるので便利
  • ブランチの管理やマージ状況を確認できる

まとめ

初学者が特に重要なGit操作:

  1. コミット(C)...(変更をローカルに記録)
  2. アップストリームへプッシュ(P)(リモートリポジトリへ送信)
  3. プル(U)(リモートの変更を取得)
  4. マージ(M)...(ブランチの統合)
  5. 切り替え(W)(ブランチの切り替え)
  6. リセット(R)...(過去の状態に戻す)
  7. 索引に追加(A)(コミット前のステージング)
  8. ヒストリに表示(O)(変更履歴の確認)
  9. 無視(I)(管理しないファイルを設定)
  10. リポジトリー・ビューで表示(V)(リポジトリの全体を確認)

これらを覚えれば、EclipseのGit機能を十分に活用できます!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。