GPUとは何か? 新人エンジニア向けに解説

こんにちは。ゆうせいです。今日は、エンジニアとして初めてGPU(Graphics Processing Unit)について学ぶ方向けに、基本的な知識から応用例まで解説します。GPUは近年、ゲームやグラフィックだけでなく、AIやデータ解析でも重要な役割を果たしています。でも、「そもそもGPUって何?」と感じる方も多いのではないでしょうか?

この記事を読めば、GPUの基本を押さえるだけでなく、エンジニアとしてどのように活用できるのか、その第一歩を踏み出せるようになります。それでは、始めましょう!


GPUとは何か?

まず、GPUとは Graphics Processing Unit の略称で、日本語では「グラフィックス処理装置」と呼ばれます。主に映像や画像処理を得意とするプロセッサで、パソコンやスマートフォンなど、多くのデバイスに搭載されています。

CPUとの違い

GPUを理解するには、まずCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)との違いを知ることが大切です。

項目CPUGPU
主な役割一般的な計算全般グラフィックや並列処理が得意
コア数少ない(2〜16個程度)非常に多い(数百〜数千個)
処理方法逐次処理(1つずつ順番に処理)並列処理(複数を同時に処理)
主な用途OSの動作、ソフトの実行3Dレンダリング、機械学習など

たとえば、CPUは「小さなカフェの1人店主」のような存在です。一人で注文を受けて、料理して、会計までこなします。一方、GPUは「大規模なファーストフード店の多人数スタッフ」のようなもので、一気に大量の注文を処理できます。


GPUの仕組みと特長

仕組み

GPUは数百から数千もの小さな「コア」を持っており、それぞれが並行して計算を行います。この「並列処理」がGPUの最大の特長です。

たとえば、ゲームでキャラクターや背景が滑らかに動くのは、画面のピクセルごとに計算を高速で行うGPUのおかげです。

特長

  • 高速な並列処理
    大量のデータを同時に処理するため、機械学習やデータ解析でも活躍します。
  • 高い電力消費
    性能は高いですが、消費電力も多め。省電力設計が求められる環境では注意が必要です。
  • 専門的なプログラムが必要
    GPUを活用するには、CUDAやOpenCLなどの専用言語でプログラミングを行うことが一般的です。

GPUの主な用途

ゲームやグラフィックス

GPUといえば、まず思い浮かぶのがゲームや映像処理。美しいグラフィックスやリアルな物理演算を実現するために使われます。

機械学習(AI)

最近では、ディープラーニングと呼ばれるAIの学習において、GPUが欠かせません。たとえば、画像認識や自然言語処理など、大量のデータを学習させる場合にその並列処理能力が生きます。

データ解析

科学分野や金融分野でも、GPUはビッグデータの解析に利用されています。シミュレーションや統計分析の速度を大幅に向上させることが可能です。


GPUプログラミングの基礎

CUDAとOpenCL

GPUを使いこなすための代表的なプログラミング言語には以下があります。

  1. CUDA
    NVIDIA製のGPU専用言語。C言語に似ており、非常に高い性能を発揮します。
  2. OpenCL
    他のメーカーでも使用可能な汎用的なフレームワーク。幅広いデバイスで使えます。

GPUプログラムの例

以下は、CUDAを使った簡単なプログラムのイメージです。

__global__ void add(int *a, int *b, int *c) {
    int index = threadIdx.x;
    c[index] = a[index] + b[index];
}

int main() {
    // CPU側での準備
    int a[10], b[10], c[10];
    for (int i = 0; i < 10; i++) {
        a[i] = i;
        b[i] = i * 2;
    }

    // GPU側にデータを転送して計算を実行
    add<<<1, 10>>>(a, b, c);
    return 0;
}

この例では、配列 ab の足し算をGPU上で並列計算しています。


GPUを学ぶための次のステップ

  1. 基本的な数学の復習
    ベクトルや行列など、線形代数の知識があるとGPUを使ったプログラムで役立ちます。
  2. CUDAやOpenCLの学習
    初心者向けの教材やチュートリアルを活用して、実際にコードを書いてみましょう。
  3. 応用事例の研究
    機械学習やデータ解析の実例を調べると、GPUの活用方法がより深く理解できます。

いかがでしたか?GPUはエンジニアにとって非常に強力なツールです。しかし、その分やることも多いですね!まずは基本をしっかり押さえ、少しずつステップアップしていきましょう。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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