Java研修講師のファシリテーション術

こんにちは。ゆうせいです。

Java研修の講師として、受講者にスムーズに学びを提供するには、ただ教科書通りに進めるだけでは足りません。特に、受講者の中にはプログラミング未経験者や、Javaに苦手意識を持つ人がいることもありますよね。そこで重要になるのが「ファシリテーション」です。これは、講義の進行をスムーズにするための技術や工夫を指します。

今日は、Java研修を成功させるためのファシリテーション術を解説します。具体例を交えながら進めますので、ぜひ最後まで読んでください!


ファシリテーションの基本とは?

ファシリテーションは、受講者が主体的に学べる環境を作ることが目的です。ただ講義を進めるだけでなく、理解を深め、意欲を引き出す工夫が求められます。

例えるなら、講師は「旅行ガイド」のような存在です。地図をただ見せるのではなく、「ここを曲がると絶景が見えますよ」と案内したり、途中で質問に答えたりする役割です。

では、Java研修に特化したファシリテーション術を見ていきましょう。


1. 最初の10分でつかむ!受講者の関心とレベル感

研修初日の冒頭は非常に重要です。この時間で受講者の期待やスキルレベルを把握し、今後の進め方を調整しましょう。

方法:

  • アイスブレイク
    「Javaに触れたことがある人は手を挙げてください!」などの質問を投げかけ、ざっくりと経験値を把握します。
  • 目標を確認する
    「今日のゴールはこの3つです」と具体的に伝えることで、受講者に学習の道筋をイメージさせます。

例:

たとえば、「クラスとオブジェクトがまだピンと来ない」という人が多ければ、後のセッションで図や具体例を多用することを意識しましょう。一方、「すでに基本文法は知っている」という人が多ければ、より応用的な内容に重点を置くべきです。


2. 「教える」ではなく「引き出す」問いかけ術

一方的に話す講義は退屈になりがちです。そこで、質問を通じて受講者の思考を促しましょう。

有効な質問の例:

  1. 振り返り型の質問
    「if文の役割を一言で言うと、何だと思いますか?」
  2. 発展型の質問
    「このコードにエラーが出るのはなぜでしょう?」
  3. 想像型の質問
    「もしこれを繰り返し処理したいとしたら、どんな構文を使うべきでしょう?」

質問に対する回答が間違っていても問題ありません。それをきっかけに正しい理解を共有することが重要です。


3. 「視覚」も活用する!効果的な図解とコード例

プログラミングは、文字だけで説明するよりも図やコード例を使うほうが直感的に理解しやすいです。

図の例:

  • クラスとオブジェクトの関係図:
    クラスを「設計図」、オブジェクトを「実際の家」と例えるイラスト。
  • メモリ構造の図解:
    変数がスタック領域に置かれる様子や、オブジェクトがヒープ領域に置かれる様子を描く。

コード例の工夫:

1つの概念につき、2~3行程度のシンプルなコードを示すことで理解を助けます。

// 設計図(クラス)
class Dog {
    String name;
    void bark() {
        System.out.println(name + "が吠えました!");
    }
}

// 実際の家(オブジェクト)
Dog myDog = new Dog();
myDog.name = "ポチ";
myDog.bark();  // 出力: ポチが吠えました!

こうした具体例は、「なるほど、そういうことか!」という納得感を与えます。


4. エラーを恐れさせない雰囲気作り

プログラミング研修では、受講者がエラーを経験するのは当たり前です。しかし、「エラー=失敗」と思わせると、受講者はコードを書くことに消極的になってしまいます。

対策:

  • 「デバッグタイム」を設ける
    意図的にエラーを含むコードを配布し、「どこがおかしいか」を考える時間を作る。
  • ポジティブな言葉を使う
    「エラーが出たら成長のチャンスですよ」と声をかける。

たとえば、「NullPointerExceptionが出た!」という場面では、エラーの意味や原因を一緒に確認し、解決策を導きます。


5. 定期的に振り返るチェックポイント

講義中に「理解できているかどうか」を確認する瞬間を設けることも大切です。

方法:

  • 小テスト
    簡単な問題をその場で解かせ、答え合わせをします。
  • コードレビュー
    自分で書いたコードを隣の受講者と見せ合い、フィードバックを与えます。

これにより、進捗を確認しながら次の内容へ移れるため、学び漏れが少なくなります。


まとめ:講師も受講者も楽しむことがカギ!

Java研修講師のファシリテーション術は、「受講者に寄り添う姿勢」と「わかりやすい工夫」の積み重ねです。一方的な講義にならないよう、質問や図解、エラー対応を通じて受講者が主体的に学べる環境を整えましょう。

最後に、あなた自身も研修を楽しむことを忘れないでください!講師が楽しんでいれば、そのエネルギーが受講者にも伝わりますよ。

これから講義を行う予定があれば、ぜひここで紹介したテクニックを試してみてください!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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