「設定型問題」でもなぜなぜ分析は有効なのか?

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「なぜなぜ分析」における「設定型問題」と「発生型問題」の取り扱いについて、一緒に考えていきましょう。「設定型問題にもなぜなぜ分析を使えるのか?」という疑問についても、しっかりお答えしていきますね!


まずは「設定型問題」と「発生型問題」を整理しましょう

発生型問題とは?

これは、すでに発生している問題のことです。
たとえば、「機械が故障した」「製品の品質に不具合が出た」など、具体的に目の前に起きている問題です。
この場合、なぜなぜ分析では原因を追究して再発防止を目指します。

例:

  • 問題:「部品Aが壊れた」
  • なぜ:「材料が脆弱だった」
  • なぜ:「仕様に合った材料を選定できていなかった」
  • なぜ:「設計基準が曖昧だった」

といった具合です。


設定型問題とは?

一方、設定型問題は、まだ明確に「問題」として発生していないものの、達成したい目標や理想と現状とのギャップが課題として捉えられる場合を指します。
たとえば、「生産効率を20%向上させたい」「顧客満足度を80%以上にする」といった目標がこれに該当します。

ここでは、どうすればその目標を達成できるのかという視点が重要です。

例:

  • 問題:「生産効率が現状50%だが、目標は70%」
  • なぜ:「ボトルネック工程での稼働率が低い」
  • なぜ:「設備の切り替え時間が長い」
  • なぜ:「標準化された手順がない」

このように、現状と目標のギャップを埋めるプロセスが設定型問題の特徴です。


「なぜなぜ分析」の取り扱いの違い

発生型問題の場合

発生型問題では、目の前の事象の根本原因を追究します。
具体的な出来事を起点に、なぜその現象が起きたのかを5回程度繰り返して掘り下げることで、再発防止策を考えます。

たとえば、「部品が壊れた」という問題では、「部品の設計」「使用条件」「製造工程」など、原因にアプローチする方法が明確になります。

設定型問題の場合

設定型問題では、解決すべき「目標」と「現状」の間のギャップを明確にし、ギャップを生む原因を掘り下げます。
単純な「なぜ」だけではなく、目標を達成するためのアイデアや手段を広く検討するプロセスが含まれる場合が多いです。

  • 問題:「生産性が目標値に届いていない」
  • なぜ:「ボトルネック工程が存在する」
  • なぜ:「設備の切り替え時間が長い」

こうして、現状の課題の原因を具体化しながら解決策を模索する形になります。


設定型問題にも「なぜなぜ分析」を行える理由

なぜなぜ分析は、単に過去の失敗原因を探るだけでなく、目標達成に向けた課題を明確化するプロセスとしても有効です。
目標と現状のギャップを「なぜ」と問うことで、そのギャップを生み出している要因を体系的に整理できます。

ポイント

  • 発生型問題では再発防止がゴール。
  • 設定型問題では目標達成への課題解決がゴール。

つまり、どちらの場合でも、原因を探る論理的なプロセスとしてなぜなぜ分析は有用です。


注意点とアプローチの工夫

設定型問題に対してなぜなぜ分析を行う際には、いくつか工夫が必要です。

  1. ゴールを明確化する
    設定型問題の場合、「なぜ」を問う前に目標と現状の差を明確にしておく必要があります。ゴールが曖昧だと分析がぶれてしまいます。
  2. 現状の具体的な課題を特定する
    現状を細分化し、「どこが課題か」を特定してから「なぜ」を深掘りします。
  3. 解決策を発想する段階で多角的に考える
    発生型問題と異なり、設定型問題では複数の解決策が考えられることが多いです。柔軟な視点でアプローチすることが重要です。

まとめと今後の学び方

発生型問題も設定型問題も、なぜなぜ分析の「根本原因を掘り下げる」プロセスは共通しています。ただし、それぞれのゴールに合わせたアプローチを意識しましょう。

これから取り組むべきこととしては、

  • 実際に発生型・設定型それぞれのケースで練習してみる
  • 分析結果を整理し、次のステップで何をするべきか考える
  • チームメンバーと意見を共有して新たな視点を得る

このような練習を重ねることで、問題解決能力がさらに高まるはずです!

セイ・コンサルティング・グループでは発生型と設定型の問題解決研修を提供しています

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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