Spring BootにおけるSpring Webの役割とは?初心者向けに仕組みと利点を解説
こんにちは。ゆうせいです。
新人研修中に受講者から以下の質問をいただきました。
Spring BootのSpring Webの役割はなんですか?
今回はこの質問に答えたいと思います。
Spring Bootを利用してWebアプリケーションを開発する際、必ずと言ってよいほど導入される機能がSpring Webです。この記事では、プログラミング初心者の方に向けて、Spring Webがシステム内でどのような役割を果たしているのか、具体的な仕組みと導入のメリットおよびデメリットを事実に基づいて解説します。
Spring Webの基本的な役割
Spring Webとは、WebアプリケーションやRESTful APIを構築するために必要なツール群を一つにまとめたパッケージのことです。システムの窓口として、外部からの要求を受け取り、結果を返すという役割を担います。
Spring Webの役割を具体的な比喩で説明します。Spring Webは、企業の受付窓口と社内連絡システムのようなものです。外部のお客様(ユーザーが操作するブラウザやスマートフォン)から「特定の情報をください」という要求(HTTPリクエスト)が届きます。受付担当(Spring Webの機能)は要求を受け取ると、適切な社内部署(プログラムの処理部分)へ案内します。部署が情報を準備すると、受付担当が情報を適切な形式に整え、お客様へ返答(HTTPレスポンス)します。
Spring Webを導入することで、開発者は受付の仕組みを一から構築する手間を省き、システム独自の処理の作成に集中できます。
Spring Webを構成する主要な要素
Spring Webの内部には、Web通信を実現するための複数の専門的な機能が組み込まれています。主要な要素は以下の3点です。
1. Spring MVC
Spring MVCは、Model(データ)、View(画面)、Controller(制御)の3つの役割に分けてシステムを設計するための枠組みです。ユーザーがアクセスしたURLに応じて、どの処理を実行するかを振り分ける交通整理の役割を果たします。
2. 組み込みTomcat
Tomcatは、作成したプログラムをインターネット上で動かすためのWebサーバーと呼ばれるソフトウェアです。Spring WebにはTomcatがあらかじめ内蔵されています。例えるなら、企業が入居するためのオフィスビルが最初から用意されている状態です。自分でサーバー環境を構築する作業が省略されます。
3. Jackson(データの自動変換)
Jacksonは、システム内部のデータを、インターネット通信で扱いやすいJSONという文字列データの形式に自動で変換するツールです。日本語しか話せない部署の資料を、世界共通語に自動翻訳して外部に提供するような役割を持ちます。
Spring Webを利用するメリットとデメリット
Spring Webを利用することには、開発効率を上げる利点がある一方で、注意すべき点も存在します。客観的な事実に基づいたメリットとデメリットを挙げます。
メリット
- サーバー設定の自動化による工数削減Spring Webを追加するだけで組み込みTomcatが機能するため、外部サーバーのインストールや初期設定の手間が省けます。
- JSON変換の標準対応RESTful APIを開発する際、手動でデータを文字列に変換する処理を書く必要がなくなり、コードの記述量が減少します。
- 関連ツールの自動収集Web開発に必要な複数のライブラリ(プログラムの部品)が最適なバージョンでまとめて提供されるため、互換性の確認作業が不要になります。
デメリット
- 内部構造のブラックボックス化設定が自動化されているため、初学者がHTTP通信の基礎やサーバーの構築手順を理解しないまま開発を進めてしまう可能性があります。
- メモリの消費量Web機能に特化した多くのツールが読み込まれるため、Web通信を必要としない単純な定期処理などのプログラムにSpring Webを導入すると、不要なメモリを消費する原因になります。
プログラムの記述例
Spring Webを利用して、画面に文字を表示する単純なプログラムの例を記載します。
import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RestController;
@RestController
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String sayHello() {
return "こんにちは";
}
}
提示したコードでは、アットマークから始まる記述(アノテーション)を使用することで、指定したURLへのアクセスを受け付ける設定を行っています。
まとめと次の学習ステップ
Spring Webは、Webアプリケーションや外部と連携するAPIを開発するための根幹となる機能です。通信の受付から結果の返答、データ形式の変換、Webサーバーの起動までを包括的にサポートし、開発者が独自の処理の作成に専念できる環境を提供します。
Web開発の仕組みをより深く理解するために、今後は以下のステップで学習を進めることを推奨します。
- Javaの基礎的な文法(クラス、メソッド、変数の扱い)を復習する。
- Spring Webのプロジェクトを作成し、ブラウザに任意の文字列を表示するプログラムを実際に動かす。
- インターネット通信の基本であるGETリクエストとPOSTリクエストの違いと用途を学習する。
- 画面に表示するデータをデータベースから取得するために、Spring Data JPAという別の機能の基礎を学ぶ。
順を追って学習することで、安全で機能的なWebアプリケーションの構築が可能になります。
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。

