SQL文でバッククオートを使う理由

SQL文でバッククオートを使う理由は、主にテーブル名やカラム名に予約語や特殊文字が含まれている場合に、その名称を識別子として使用できるようにするためです。

例えば、SQLには多くの予約語があります。SELECTWHEREFROMなどが代表的ですね。通常、こういった予約語は命令として解釈され、カラム名やテーブル名として使うことはできません。しかし、もしこれらの単語がカラム名やテーブル名に含まれている場合は、バッククオートで囲むことで、予約語ではなく識別子(テーブル名やカラム名)として解釈してもらうことができます。

例を挙げて説明

例えば、「select」という名前のカラムを持つテーブルがあるとしましょう。この場合、通常のSQL文では次のように書くとエラーになります。

SELECT select FROM my_table;

ここで「select」はSQLの予約語のため、構文として解釈され、混乱が生じます。この場合、バッククオートを使って「select」がカラム名であることを明示する必要があります。

SELECT `select` FROM my_table;

バッククオートで囲むことによって、「select」がカラム名であると指定でき、エラーを回避できます。

他にバッククオートが必要なケース

バッククオートは、予約語以外にも次のようなケースで有用です。

  1. 特殊文字を含む名前
    例えば、「user-id」のようにハイフン(-)を含む名前を使いたい場合、通常のSQLではエラーになりますが、バッククオートで囲むと利用できます。
   SELECT `user-id` FROM users;

  1. スペースを含む名前
    カラム名やテーブル名にスペースを含むのは一般的ではありませんが、バッククオートで囲むことで対応できます。
   SELECT `first name` FROM employees;

大小文字の区別
一部のデータベースでは、バッククオートを使うことで、名前の大文字小文字を区別させることも可能です。バッククオートを使うことで、明確な名前区別ができるようになります。

    バッククオートの使用におけるメリットとデメリット

    メリットデメリット
    予約語を識別子として使えるコードが読みづらくなる場合がある
    特殊文字やスペースを含む名前も使える一部のデータベースでのみサポートされている(例:MySQL)
    名前の大文字小文字を区別できる(場合による)他の開発者と共有する際に注意が必要

    バッククオートは、特にMySQLで頻繁に使用されますが、全てのデータベースでサポートされているわけではありません。SQL ServerやPostgreSQLなど、他のデータベースでは二重引用符(")を使って同様の機能を提供することが多いです。

    今後の学習の指針

    SQLの標準構文と、データベースごとの構文の違いについて理解を深めることは、SQLを効果的に使う上でとても大切です。バッククオートや二重引用符のように、データベースに依存する記述方法を理解しておくと、SQL文を書く際の柔軟性が上がり、他のデータベースに応用するときも役立つでしょう。また、カラム名やテーブル名に特殊な名前をつけることの利点やリスクも考慮し、識別子の設計を慎重に行うことも重要なポイントです。

    投稿者プロフィール

    山崎講師
    山崎講師代表取締役
    セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
    岐阜県出身。
    2000年創業、2004年会社設立。
    IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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