Ip,Adress

ネットワークエンジニアを本格的に目指すわけではないけれども、簡単なネットワークの構築やトラブル対応は自分でもできるようになりたい。

そんな新人ITエンジニアのための記事です。

DNS情報を取得するためのnslookupコマンド

nslookup」コマンドを使って指定したホスト名とIPアドレスの対応を見ることができます。 

DNS【Domain Name System】とは、その名の通りドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理する仕組みのことです。

ホスト名からIPアドレスを調べることを正引き、IPアドレスからホスト名を調べることを逆引きといいます。

もしも、DNSが無いと例えば当社のWebサイトにアクセスするのに「https://saycon.co.jp/」と入力するのではなく、「https://202.254.239.89/」のようにIPアドレスを入力しなければなりません。

しかし、IPアドレスは覚えにくく間違いやすいので、DNSは現在のwwwを成立させている重要な仕組みです。

例えば、次の様な時に「nslookup」コマンドが活躍します。

  1. ホスト名の解決に関する問題が発生した場合、nslookupコマンドを使用してDNSサーバーへのクエリと応答を確認できます。DNSサーバーへの接続性や正常な応答の有無を確認することができます。
  2. IPアドレスが判明すれば、そのアドレスに対してPINGを実行することもできます。ホストが到達可能であるかどうかを確認できます。

コマンド書式

>nslookup <ホスト名>

例:>nslookup saycon.co.jp

コマンドプロンプト上で、上記のコマンドを入力して[Enter]キーを押します。 

結果の見方

  • サーバーとAddress:DNSサーバのホスト名とIPアドレスが表示されます。
  • 権限のない回答:DNSキャッシュを使って回答しているという意味です。
  • 名前とAddress:ホスト名とIPアドレスが表示されます。

また、逆引き(IPアドレスからホスト名を取得する)を行いたい場合は、IPアドレスを指定してnslookupコマンドを使用します。

以下は逆引きの例です。

コマンド書式

>nslookup <IPアドレス>

例:>nslookup 202.254.239.89

コマンドプロンプト上で、上記のコマンドを入力して[Enter]キーを押します。 

nslookupコマンドの活用を深めるためのポイント

ここまでで「nslookup」コマンドの基本的な使い方について学びましたが、さらに応用的な活用法やDNSに関する知識も押さえておくと、ネットワーク関連のトラブルシューティングのスキルがより高まります。

1. nslookupのインタラクティブモード

「nslookup」にはインタラクティブモードという、複数のクエリを連続して実行できる便利な機能もあります。インタラクティブモードを使うには、コマンドプロンプト上で単にnslookupとだけ入力してEnterキーを押します。このモードでは、クエリごとにコマンドを入力することなく次々と異なるホストやIPアドレスを指定して解決結果を確認できます。

例えば、以下のようにして一度に複数のホスト名やIPアドレスを確認することができます。

> nslookup
> saycon.co.jp
> google.com
> 8.8.8.8

インタラクティブモードを終了するには、exitと入力します。

2. 特定のDNSサーバーを指定してクエリを実行

通常、nslookupコマンドはデフォルトで設定されているDNSサーバーに対してクエリを送りますが、トラブルシューティングの際には異なるDNSサーバーを指定したい場合もあります。その場合、次のようにDNSサーバーのIPアドレスを指定してクエリを実行できます。

> nslookup saycon.co.jp 8.8.8.8

この例では、GoogleのDNSサーバー「8.8.8.8」に対して「saycon.co.jp」の情報を問い合わせることができます。複数のDNSサーバーからの応答を比較することで、ネットワーク障害の原因がDNS設定にあるかどうかを判断しやすくなります。

3. nslookup以外のDNSトラブルシューティングツール

「nslookup」以外にも、DNSトラブルシューティングに役立つツールがあります。例えば「ping」コマンドや「tracert」コマンドです。「ping」コマンドはホストの到達可能性を確認でき、「tracert」コマンドは通信経路を辿り、ネットワークのどこで遅延や問題が発生しているかを可視化するのに役立ちます。これらのコマンドと組み合わせて使用することで、より精度の高いネットワークトラブル対応が可能になります。

今後の学習に向けて

ネットワークエンジニアとして本格的に活動する予定がなくても、基本的なDNSやトラブルシューティングコマンドの知識はIT業務全般で役立ちます。まずは今回紹介した「nslookup」の基本的な使い方をマスターし、次に他のネットワークコマンドも試しながら知識を広げていきましょう。

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