ベンサムの功利主義の考え方をメンタルヘルスに活かす

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、哲学者ジェレミー・ベンサムの功利主義(こうりしゅぎ)の考え方を、メンタルヘルスの向上にどう応用できるかについてお話ししたいと思います。「哲学がメンタルヘルスに役立つの?」と思うかもしれませんが、ベンサムの功利主義は意外と日常生活で使える考え方なんですよ。

ベンサムの功利主義とは?

まずは、ベンサムの哲学について簡単に説明します。彼は「功利主義」という思想を提唱しました。これは、行動や選択がもたらす「幸福」を基準に、良いことか悪いことかを判断する考え方です。

具体的には、「最大多数の最大幸福」を目指すべきだというのが功利主義の基本的なルールです。この「幸福」という言葉は、快楽や満足感を指します。一方で、不幸や苦痛を減らすことも重視します。

ここでの重要なポイントは、「結果」が重視されるということです。たとえ意図が良くても、結果的に苦痛が増えてしまえば、それは功利主義では良い行動とはみなされません。

では、この考え方がどのようにメンタルヘルスに役立つのでしょうか?


メンタルヘルスへの応用:幸福の測定と優先順位

1. 幸福の「計算」を取り入れる

ベンサムは、「幸福の計算」という概念を提案しました。これを現代のメンタルヘルスに応用してみましょう。

たとえば、何かを決断するときに、「これは自分にとってどれくらい幸福をもたらすか?」と考えるクセをつけることです。その際、以下のような要素を考慮します:

  • 強さ(幸福や快楽がどれくらい強いか)
  • 持続性(どれくらい長く続くか)
  • 確実性(実際にその幸福が得られる可能性)
  • 範囲(その行動が他人にも良い影響を与えるか)

これを紙に書き出してみると、意外と「自分にとって本当に大事なこと」が見えてきます。この練習は、日々の小さな選択でも役立ちます。


2. ネガティブな感情の「コスト」を見直す

ベンサムの哲学では、不幸や苦痛を減らすことも大切とされています。日常生活では、「自分を苦しめる要因」をリストアップしてみるのが良いでしょう。

たとえば:

  • 職場でのストレス
  • 他人の期待に応えようとするプレッシャー
  • 自分を責める癖

これらが「どれくらいのコスト(苦痛)」を生んでいるかを見極めます。そして、そのコストを減らす方法を考えるのです。たとえば、無理に他人に合わせるのをやめるだけで大きな幸福を得られることがあります。


3. 最大多数の最大幸福を考える:人間関係の向上

功利主義は、自分だけでなく他人の幸福も大切にする考え方です。この視点を持つと、人間関係がより良くなります。

たとえば、友人や家族と対立したとき、「自分にとっての幸福」だけでなく「相手にとっての幸福」も考えると、建設的な解決策を見つけやすくなります。


メンタルヘルスにおける功利主義のメリットとデメリット

メリット

  1. 明確な基準を持てる
    日々の選択や行動において、「幸福」を基準に判断することで、迷いが減ります。
  2. 他者との調和がとれる
    他人の幸福も考えるため、人間関係が良好になります。
  3. 感情の整理ができる
    自分が何に幸福を感じ、何に苦痛を感じているのかが明確になります。

デメリット

  1. 短期的な快楽に流されやすい
    功利主義を誤解すると、「すぐに得られる幸福」ばかりを求めてしまうことがあります。
  2. 計算が難しい
    幸福や苦痛は主観的なものなので、すべてを正確に計算するのは難しいこともあります。

日常生活で実践するには?

  1. 日記に「今日の幸福と苦痛」を記録してみましょう。
  2. 週末に「自分にとっての優先順位」を見直してみるのも効果的です。
  3. 他人と接するときに、「相手にとっても幸福な選択か」を考える習慣をつけてみましょう。

今後の学びの指針

功利主義を深く学ぶことで、日常生活や感情管理に役立つヒントをさらに得られます。また、ベンサムの考え方だけでなく、ジョン・スチュアート・ミルの「質的功利主義」など、関連する思想も学ぶとより視野が広がります。

いかがでしたか?哲学をメンタルヘルスに役立てるというのは意外な視点かもしれませんが、試してみると新しい気づきが得られるかもしれませんよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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