新人エンジニアの皆さんに向けて「入るを量りて出ずるを制す」を解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、「入るを量りて出ずるを制す」という言葉について、新人エンジニアの皆さんにわかりやすく解説します。この言葉は、江戸時代の学者・石田梅岩が説いた**「正しいお金や資源の管理」**に関する考え方ですが、現代ではエンジニアとしての仕事にも応用できます。


「入るを量りて出ずるを制す」とは?

直訳すると、「収入をしっかり計算し、その範囲で支出をコントロールする」という意味です。

つまり、

  1. 自分が得られる収入や資源(入る)を把握する
  2. その範囲内で支出や消費(出ずる)をコントロールする

という考え方です。個人のお金の管理はもちろん、プロジェクトやチームのリソース管理にも通じる重要な教えです。


新人エンジニアがこれを学ぶ意義

この考え方は、エンジニアとして働く上で「お金」だけでなく、「時間」や「労力」、「システムのリソース」など、あらゆるものに応用できます。以下に具体例を挙げて解説します。


1. プロジェクトの予算管理

問題

  • 開発プロジェクトの予算が限られている中で、新しい機能やツールを次々に追加しようとすると、予算オーバーや納期遅れが発生することがあります。

解釈

「入るを量る」とは、プロジェクトの予算や工数(入る)を事前に把握し、計画を立てることです。そして、「出ずるを制す」とは、その範囲内で機能開発やリソースの割り当てを調整することです。

実践例

  • 予算が500万円のプロジェクトであれば、全体のコストを見積もり、優先度の低い機能や外注を減らす。
  • 無理に全部やろうとせず、「MVP(最小限の実用的な製品)」を目指してスコープを絞る。

2. システムリソースの管理

問題

  • サーバーやクラウドリソースの容量が限られているのに、不要なデータや過剰な処理を追加すると、システムがダウンしたり、コストが増えたりします。

解釈

「入るを量る」とは、サーバーのスペックやデータ転送量などの限界を把握することです。「出ずるを制す」とは、その範囲内で効率的にシステムを設計し、不要なリソースを削減することです。

実践例

  • クラウドサービスの課金モデルを理解し、コストが増えすぎないように設計する。
  • 古いデータや未使用なリソースを定期的にクリーンアップする仕組みを作る。

3. 個人のスキルと時間の使い方

問題

  • 新人エンジニアが「すべての仕事を完璧にこなそう」としすぎると、時間が足りなくなり、品質が下がることがあります。

解釈

「入るを量る」とは、自分のスキルや使える時間を現実的に把握することです。「出ずるを制す」とは、その範囲で達成可能な目標や優先順位を決めることです。

実践例

  • 1日に使える時間を考え、優先順位の高いタスクから取り組む。
  • わからない部分は早めに質問し、必要以上に悩む時間を減らす。

4. チームのリソース管理

問題

  • チームメンバーが過剰にタスクを抱えると、成果物の品質が低下したり、メンバーが燃え尽きてしまいます。

解釈

「入るを量る」とは、チームの能力や時間(リソース)を正確に見積もることです。「出ずるを制す」とは、その範囲内でタスクを割り振り、無理のないスケジュールを組むことです。

実践例

  • チームメンバーに過剰な負担がかからないよう、進捗を定期的に確認して調整する。
  • 外部リソース(外注や他部署の協力)を活用する。

入るを量るためのポイント

  1. 現状を正確に把握する
    • 予算、リソース、時間、スキルなど、利用可能な「入る」の量を正しく見積もります。
    • 例:プロジェクトの予算が500万円、サーバーの容量が1TB、自分の学習時間が1日2時間など。
  2. 余裕を持つ
    • 見積もりには必ず余裕を持たせます。リスクや予期せぬ問題が発生しても対応できるようにしましょう。
    • 例:スケジュールにバッファ(余裕時間)を追加する。

出ずるを制すためのポイント

  1. 優先順位を明確にする
    • 重要なタスクや機能に集中し、後回しにできるものは省きます。
    • 例:「この機能は必須だが、この改善は次回に回そう」。
  2. 無駄を減らす
    • 不要な作業やリソースの浪費を減らす工夫をします。
    • 例:自動化ツールを使って手作業を削減する。
  3. 適切な判断を行う
    • 無理にすべてを完璧にしようとせず、現実的な妥協点を探す。
    • 例:納期優先の場合は一部の機能を簡易化する。

最後に

「入るを量りて出ずるを制す」は、一見するとお金の管理だけに思えるかもしれませんが、エンジニアリングのあらゆる場面に応用できる重要な考え方です。

新人エンジニアの皆さんも、この考え方を意識しながら、リソースを効率よく使い、無理のない目標設定を心がけてみてください。この習慣が、将来のプロジェクト成功やチームの成長につながりますよ!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。