「予定調和をあえて崩す」ことが新人エンジニア研修になぜ必要か?
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「予定調和をあえて崩す」というテーマについて、新人エンジニア研修の講師として、どのようにこれを説明し、実践に活かすかを考えていきましょう。
予定調和という言葉は、一見すると安定や安全を意味する良いものに感じられるかもしれません。しかし、エンジニアリングにおいては、予定調和に頼りすぎると、進歩が止まったり、予期しないトラブルに対応できなくなったりする危険性もあるのです。
予定調和とは何か?
まず、「予定調和」とは何でしょうか?
簡単に言えば、「みんなが予想している通りに物事が進むこと」です。ドラマや小説では、この予定調和が崩れると驚きや感動を生むことがあります。一方、エンジニアリングの現場では、予定通りに物事が進むことは重要でありながら、同時にその枠を超える視点や挑戦が求められる場合も多いのです。
たとえば、新人エンジニアのコードレビューを想像してください。講師としては、基礎をしっかり教え、全員が同じ結果を得ることが理想のように思えるかもしれません。でも、そこであえて「もっと効率的な方法はないか?」と問うたり、「仕様を少し変えてみよう」と条件を付けたりすると、新人の思考が広がり、学びの質が深まることがあります。
なぜ予定調和を崩す必要があるのか?
エンジニアリングの現場では、予想外の事態に直面することが日常茶飯事です。システム障害、想定外のユーザー行動、新しい技術への対応など、予定調和の枠内では対応できない問題が多々あります。これを乗り越える力を育むためには、「予定調和をあえて崩す」練習が必要です。
例:自転車の補助輪を外す
新人研修に例えると、自転車の補助輪をつけて走る状態が「予定調和」です。補助輪を外すと、最初はバランスを取るのが難しく、転ぶこともあります。しかし、その過程でバランス感覚を学び、自立して走れるようになります。
同じように、新人エンジニアにとって、予定調和を崩される体験は「成長のきっかけ」になるのです。
具体的にどう教えるか?
新人エンジニア研修で予定調和を崩すためには、段階的かつ計画的に進める必要があります。以下に具体的な方法を示します。
1. 基礎の反復と応用
まず基礎をしっかり教えます。基礎が身についていない状態で予定調和を崩すと、ただの混乱になってしまいます。
例:
- 基本的なアルゴリズム(ソートや検索など)のコーディング課題を出す。
- 完成した後に「異常値を処理するにはどうすれば良いか?」という追加条件を提示する。
2. グループでのディスカッション
新人同士で意見を交わす場を設けます。予定調和的な解決方法をグループ全員で模索するのも良いですが、そこに「あえて異なる視点」を持ち込むよう誘導します。
例:
- 「この機能はユーザーにどんな悪影響を及ぼす可能性がある?」と問いかける。
- 「全員が正解だと思う方法以外の解決策を探してみてください」と指示する。
3. ハプニングを仕込む
予定調和を崩す演習を実際に行います。意図的にエラーや障害を仕込み、それを解決させるようにします。
例:
- 既存コードに隠れたバグを埋め込む。
- 「このAPIが突然使えなくなった場合、どう対処する?」という課題を出す。
メリットとデメリット
予定調和を崩す教育方法には、メリットとデメリットがあります。それぞれを理解して、適切なバランスを取ることが重要です。
メリット
- 応用力がつく
予想外の状況に強くなることで、実務でのトラブル対応能力が向上します。 - 発想力が伸びる
決まった枠を超えたアイデアを生み出す力が育ちます。 - チームでの議論力が高まる
異なる視点を共有することで、より良い解決策を見つけられるようになります。
デメリット
- ストレスがかかる
新人にとって、予定調和を崩されることは大きなプレッシャーになる可能性があります。 - 時間がかかる
慣れるまでに時間を要するため、短期間の研修では効果が薄い場合があります。 - 混乱を招く恐れがある
基礎が固まっていない場合は逆効果になることもあります。
研修講師としての心構え
講師として重要なのは、新人エンジニアの成長段階を見極めることです。予定調和を崩すタイミングや内容を誤ると、学びが逆効果になる場合もあります。基礎が固まっているか確認しつつ、適切なレベルで課題を提供しましょう。
また、「予定調和を崩すことは悪いことではない」という前提をしっかり伝え、受講者が積極的にチャレンジできる環境を整えることが大切です。
まとめ:次のステップは?
新人エンジニア研修では、予定調和を崩すことで応用力や発想力を鍛えることができます。最初は戸惑うかもしれませんが、適切なサポートとフィードバックを提供することで、大きな成長が期待できます。
次のステップとしては、以下のことを意識してみてください。
- 研修プログラムの中に、あえて予定調和を崩す課題を取り入れる。
- 実務に近いハプニングを体験できる演習を企画する。
- ディスカッションやフィードバックを活用して、多様な視点を引き出す。
新人の視点を尊重しつつ、彼らの可能性を引き出すサポートをしていきましょう!
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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