新人エンジニアの皆さんに向けて「流動負債」を解説
こんにちは。ゆうせいです。
今日は「流動負債」について解説しますね。「流動資産」とセットで考えられることが多い言葉ですが、こちらも企業や個人の財務を理解するうえでとても重要です。一緒に学んでいきましょう!
流動負債とは?
流動負債とは、1年以内に支払う必要がある負債(借金や支払い義務)のことです。
会社や個人が短期的に返済や支払いを行う義務があるものが含まれます。
例えば、以下のようなものが流動負債に該当します:
- 買掛金:仕入先から商品を買ったけれど、まだ代金を支払っていないお金。
- 短期借入金:1年以内に返済する予定の借金。
- 未払金:まだ支払いが済んでいない光熱費や賃料など。
- 未払費用:従業員の給料やボーナスの未払い分。
- 預り金:お客様や従業員から一時的に預かっているお金(例:源泉徴収税)。
これらは「短期間で返済や支払いが必要なもの」という点で共通しています。
流動負債の具体例
それでは、流動負債に含まれる主な項目を具体的に見ていきましょう。
1. 買掛金(かいかけきん)
商品や原材料を仕入れたけれど、まだ支払っていない代金のことです。
これは多くの企業が日常的に発生させる負債です。
例:
- 仕入先Aに商品を注文し、納品済みだが支払いは翌月に行う。
2. 短期借入金
1年以内に返済しなければならない借入金です。主に、銀行や金融機関から借りたお金が該当します。
例:
- 事業運営のために銀行から借りた運転資金。
3. 未払金
商品やサービスを利用したけれど、まだ支払いが済んでいない費用です。
買掛金との違いは、「仕入れた商品」ではなく「サービスや設備費用」などが該当する点です。
例:
- 電気代や水道代などの未払い分。
- オフィスの賃料や設備のリース費用。
4. 未払費用
既に発生しているけれど、まだ支払っていない費用のことです。特に従業員の給料やボーナスが未払費用の典型例です。
例:
- 翌月支払予定の従業員の給与や賞与。
5. 預り金
会社が一時的に預かっているお金です。これは会社自身が使えるお金ではなく、特定の用途で外部に支払う義務があります。
例:
- 従業員から預かっている源泉徴収税や社会保険料。
- お客様から前払いで受け取った手付金。
流動負債と固定負債の違い
流動負債とよく比較されるのが固定負債です。この違いを表で確認しましょう。
項目 | 流動負債 | 固定負債 |
---|---|---|
返済・支払期限 | 1年以内 | 1年以上先 |
例 | 買掛金、短期借入金、未払金 | 長期借入金、社債 |
特徴 | 短期間で返済義務がある | 長期間にわたる返済義務がある |
流動負債が重要な理由
1. 短期的な支払い能力を示す
流動負債は、会社や個人が近い将来に支払わなければならないお金です。これを適切に管理しないと、資金繰りに問題が生じて経営が不安定になります。
2. 流動比率や当座比率の計算に使用される
財務分析では、流動負債を使って会社の短期的な支払い能力を評価します。たとえば以下の指標がよく使われます。
流動比率
流動資産が流動負債に対してどれくらいあるかを示す指標。これが高いほど、短期的な支払い能力が高いことを意味します。 流動比率=流動資産流動負債×100\text{流動比率} = \frac{\text{流動資産}}{\text{流動負債}} \times 100
当座比率
より現金化しやすい資産(当座資産)が流動負債に対してどれくらいあるかを示す指標。棚卸資産を除外して計算します。 当座比率=当座資産流動負債×100\text{当座比率} = \frac{\text{当座資産}}{\text{流動負債}} \times 100
流動負債を管理するポイント
- 支払い期限を意識する 流動負債は短期的に支払いが必要なものなので、支払い期日をしっかり把握しておく必要があります。
- 流動資産とのバランスを確認する 流動資産が十分に確保されていないと、流動負債を返済できずに資金ショートを起こしてしまいます。流動比率や当座比率を定期的に確認しましょう。
- 短期借入金を最小限に抑える 短期借入金に依存しすぎると、金利負担が増えるだけでなく、返済負担が短期的に集中してしまいます。固定負債とのバランスを考えましょう。
最後に
流動負債は、会社や個人の短期的な支払い義務を表す重要な要素です。これを正しく理解し、管理することで、健全な資金繰りが実現します。また、流動資産とセットで考えることで、より効果的な財務管理ができるようになります。これを機に、財務諸表の仕組みをもう一歩深く学んでみましょう!
セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク
投稿者プロフィール
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
最新の投稿
- 新入社員2025年1月15日新人エンジニアの皆さんに向けて「AI活用で気をつけるべき主なポイント」を解説
- 新入社員2025年1月15日プログラムの基本「変数」とは?
- 新入社員2025年1月14日新人エンジニアの皆さんに向けて「中選挙区制」を解説
- 新入社員2025年1月14日新人エンジニアの皆さんに向けて「比例代表制」を解説