新人エンジニアの皆さんに向けて「取締役の役割」を解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は「取締役会の役割」について解説します。取締役会という言葉は耳にしたことがあるかもしれませんが、その具体的な役割や機能については知らない方も多いのではないでしょうか?
取締役会は会社の経営において重要な位置を占めています。今回はその役割を分かりやすく説明していきます!


取締役会とは?

取締役会は、取締役が集まり会社の重要事項を決定する場のことです。日本の会社法では、取締役会を設置するのは原則として「大会社」(資本金5億円以上または負債200億円以上の会社)や公開会社が対象とされています。

簡単に言うと、取締役会は会社の「意思決定機関」であり、会社全体の方針を決めるリーダーの集まりです。


取締役会の主な役割

取締役会には、以下のような役割があります。

1. 会社の基本方針を決定する

取締役会は、会社の経営に関する基本的な方針を決定します。具体的には以下のような内容です。

  • 中長期的な経営戦略の策定
  • 大規模な投資や資金調達の承認
  • 事業の多角化や縮小、撤退の判断

例えば、新たな市場に進出するかどうか、大規模な工場を建設するかどうかなど、会社の未来に関わる重要な意思決定が行われます。


2. 業務執行の監督

取締役会のもう一つの重要な役割は、会社の経営陣や各部門が適切に業務を遂行しているかを監督することです。

  • 具体例:
    • 代表取締役(会社を代表するトップ経営者)の活動をチェック
    • 遵法性(法律やルールに従っているか)の確認
    • 事業計画の進捗状況のレビュー

監督機能を果たすことで、会社が不正や経営ミスを防ぎ、健全に運営されるようサポートします。


3. 代表取締役の選任・解任

取締役会は、代表取締役を選任し、必要に応じて解任する権限を持っています。代表取締役は会社の顔であり、会社を代表して契約や交渉を行う重要な役割を担っています。

  • ポイント: 代表取締役が適切に職務を遂行していない場合、取締役会はその立場から解任することができます。

4. 株主の利益保護

取締役会は、株主の利益を守るために設置されています。株主総会では会社の方向性を大まかに決定しますが、その具体的な実行方法や監督は取締役会の役割です。

  • 具体的な方法:
    • 配当政策を議論し、適切な配当を行う。
    • 企業価値を向上させるための経営方針を決定する。

5. 法令順守の管理

取締役会は、会社が法令や社会規範に従って運営されるよう監督します。これには、以下のような内容が含まれます。

  • 内部統制システム(会社内部でのチェック機能)の整備
  • コンプライアンス(法令順守)体制の構築

例えば、不正会計や労働基準法違反といった問題を未然に防ぐために、監査部門の活動状況を確認することも取締役会の役割です。


取締役会の仕組み

取締役会は、通常以下のような仕組みで運営されています。

1. 定期的な開催

  • 取締役会は、通常毎月または四半期ごとに開催されます。
  • 必要に応じて臨時取締役会も開かれます。

2. 議決の仕組み

取締役会での決定事項は、取締役の「過半数の賛成」で成立します。議案ごとに議論を行い、最終的に投票で意思決定します。

3. 参加メンバー

取締役会には、社内取締役だけでなく、社外取締役も参加します。社外取締役は、外部の客観的な視点を持つメンバーで、ガバナンス(企業統治)の強化に役立ちます。


取締役会と株主総会の違い

取締役会と株主総会は、どちらも会社の重要な意思決定機関ですが、役割が異なります。

項目取締役会株主総会
構成メンバー取締役株主
役割経営の具体的な方針を決定・監督経営の基本方針を決定
主な議題業務執行の承認、代表取締役の選任など配当金の承認、取締役の選任など

株主総会は「会社の大枠を決める場」、取締役会は「具体的な運営を決める場」と考えると分かりやすいです。


取締役会のメリットと課題

メリット

  • 会社の重要な意思決定を迅速に行える。
  • 監督機能を果たし、不正やミスを防止できる。
  • 社外取締役の参加でガバナンスを強化できる。

課題

  • メンバー間で意見が対立すると、意思決定が遅れる可能性がある。
  • 社外取締役が形骸化すると、監督機能が十分に発揮されない。
  • 形式的な会議に終わることがあり、実質的な議論が行われない場合がある。

まとめ

取締役会は、会社の経営における重要な意思決定を行い、業務執行を監督する役割を持つ機関です。会社の方向性を決め、株主や従業員、社会全体の利益を考慮しながら運営を行うために欠かせない存在です。

取締役会の仕組みや役割を理解することで、会社の意思決定プロセスについて深く知ることができます。将来、経営に携わることを目指している方は、ぜひ今日の内容を覚えておいてくださいね!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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