MAE・MSE・RMSEの違いについて

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、回帰モデルの評価指標としてとてもよく使われる
MAE・MSE・RMSEの違いについて、丁寧に、でもやさしく解説していきます!

「全部“誤差”っぽいけど、どう違うの?」
「どれを使えばいいの?」
そんな疑問を持ったことがある方に向けて、それぞれの意味・特徴・違い・使いどころを、例え話や図を交えながら説明していきます。


結論を先に!3つの違いをざっくり言うと

指標日本語名特徴
MAE平均絶対誤差誤差の平均の大きさを素直に見る
MSE平均二乗誤差大きい誤差をより強くペナルティ
RMSE平方根平均二乗誤差MSEを元の単位に戻したバージョン

それぞれの数式と意味を解説!

MAE(Mean Absolute Error)

 MAE = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} |y_i - \hat{y}_i|

日本語にすると:

すべての「実際の値 y_i」と「予測値 \hat{y}_i」の絶対値の平均

特徴:

  • すべての誤差を“同じ重み”で扱う
  • 外れ値(大きな誤差)にあまり敏感ではない
  • 解釈がわかりやすい(単位は元のデータと同じ)

MSE(Mean Squared Error)

 MSE = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i - \hat{y}_i)^2

日本語にすると:

すべての「誤差を2乗」して、その平均を取る

特徴:

  • 誤差が大きいと、さらに大きくなる(2乗だから)
  • 外れ値に敏感
  • 単位が元の値の2乗になる(ちょっと解釈しにくい)

RMSE(Root Mean Squared Error)

 RMSE = \sqrt{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i - \hat{y}_i)^2}

つまり:

MSEの平方根を取ったもの → 単位を元に戻すために使われることが多い

特徴:

  • MSEと同じく大きな誤差に敏感
  • 単位が元のデータと同じで、人間にとって直感的

たとえ話で理解しよう!

例:テストの点数を予測!

実際の点数:90点
モデルの予測:

  • Aさん:88点(-2点)
  • Bさん:70点(-20点)

このとき、MAE・MSE・RMSE を計算してみます。

MAE:

 \frac{|−2| + |−20|}{2} = \frac{22}{2} = 11

→ 平均11点ずれていた。

MSE:

 \frac{(−2)^2 + (−20)^2}{2} = \frac{4 + 400}{2} = 202

→ 大きな誤差(20点)に強いペナルティがかかる!

RMSE:

 \sqrt{202}

→ 約14.2 解釈しやすくするために、平方根をとった。


どれを使えばいいの?選び方のポイント

目的・状況向いている指標
大きな誤差を強く罰したいMSE / RMSE
全体の誤差を素直に見たいMAE
単位を直感的に理解しやすくしたいRMSE
外れ値が多い・気にしたくないMAE

今後の学習の指針

これらの評価指標を理解したら、次はこんなステップに進んでみましょう:

  1. 実データでMAE・MSE・RMSEを比較してみる
  2. R²(決定係数)との違いを学ぶ
  3. 損失関数として使うとき、勾配の違いが学習にどう影響するか?を実験する

指標の違いをしっかり理解すると、「モデルの性能をどう見るべきか?」という視点が広がりますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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