今でもBERTは使われている?現役で活躍中のBERTベースモデルを徹底紹介!

こんにちは。ゆうせいです。

BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は2018年にGoogleから発表されて以来、自然言語処理(NLP)の世界を大きく変えました。

でも、最近ではGPTやGeminiのような生成系AIが話題を独占していますよね。

そこで出てくるのがこんな疑問です。

今でもBERTを採用しているモデルはあるの?
もうBERTは古い技術になってしまったの?

結論から言うと――

はい、BERTベースのモデルは今も広く使われています!
特に「分類」「検索」「意味理解」などのタスクでは今も現役バリバリです!

今回は、その理由と実際に使われているモデルたちを詳しく解説していきます!


なぜ今でもBERTが使われているのか?

まずBERTの強みを整理しておきましょう。

項目BERTの特長
モデル構造双方向の文脈理解(Encoderのみ)
学習方法Masked Language Modeling(MLM)
得意なタスク文分類・検索・文章の意味理解
強み軽量で高速。生成しないため誤情報リスクが低い

GPTのように「次の単語を生成する」モデルではありませんが、その分信頼性と処理速度に優れています


現在もBERTを採用している代表的なモデル

RoBERTa(Facebook/Meta)

  • 「Robust BERT」=より強化されたBERT
  • 学習データを10倍以上に増やし、マスク率やバッチサイズも最適化
  • 今でも多くのNLPタスクのベースラインとして活躍

DistilBERT(HuggingFace)

  • 軽量化されたBERT(元の約60%のサイズ)
  • 精度を落とさず、高速化・省メモリを実現
  • モバイルアプリやリアルタイム処理に多く採用

ALBERT(Google)

  • 「A Lite BERT」=パラメータ共有で超軽量
  • メモリ使用量が少なく、長文処理に強い
  • 多クラス分類などでのベースモデルに使われる

Sentence-BERT(SBERT)

  • 「2文間の意味的類似度」を高精度で計算できるBERT拡張
  • テキスト検索、FAQ応答、ドキュメントクラスタリングなどに活用
from sentence_transformers import SentenceTransformer
model = SentenceTransformer('all-MiniLM-L6-v2')
emb = model.encode("これはテスト文です。")

→ 今でも検索システムやレコメンドで現役採用!


BioBERT / ClinicalBERT

  • 医療・生物学に特化したBERT派生モデル
  • PubMedや臨床ノートなど、専門データで事前学習
  • 医療文書の分類・情報抽出・質問応答に使われる

Legal-BERT / FinBERT

  • 法律・金融など、業界特化型BERTが続々登場
  • GPTのような生成は不要な分野で、BERTの「理解力」が重宝される

実際に採用されている場面(用途)

分野用途採用例(BERT系)
Web検索クエリ理解、順位決定Google検索、Bing(BERT, RoBERTa)
チャットボット意図分類、FAQ検索Line Bot, Slack Botなど(SBERT)
ECサイト商品レコメンド、レビュー分類Amazon, Rakuten(DistilBERTなど)
医療診断補助、医学文書要約BioBERT, ClinicalBERT
法務契約書分類、条文検索Legal-BERT

GPT時代でもBERTが選ばれる理由

理由説明
生成ではなく理解だけでいい分類や検索では正確な意味理解だけでOK
高速で軽いGPTと比べて計算量が小さい・学習が早い
ハルシネーションなしGPTは間違ったことも“それっぽく”言ってしまうが、BERTは生成しないので安全性が高い
ファインチューニングしやすい小さなデータでも高精度な適応が可能

まとめ

  • BERTは今でも多くの派生モデルとして自然言語処理の現場で活躍中
  • GPTのような「生成型AI」が増えても、「理解型AI」であるBERTは用途が明確
  • 特に分類・検索・意味マッチングでは、BERT系がベストな選択になることも多い
  • Google検索や専門分野(医療・法律)ではBERT系が今も現役

今後の学習の指針

  • BERTの派生モデル(RoBERTa, DistilBERT, SBERT)を使って簡単な分類・検索を実装してみよう
  • GPTとBERTを同じタスクで比較し、速度・精度・使いやすさの違いを体感しよう
  • 専門用途に特化したBERT(BioBERTなど)を使って、現実の課題に応用してみよう
  • 将来的には、BERTをベースとしたマルチモーダルモデル低リソース学習への発展も視野に入れておくと良いですよ!

BERTは「過去の遺物」ではなく、今でも信頼されている現役の主力モデルです!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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