【入門】scikit-learnとは?機械学習の「家庭教師」を新人エンジニア向けに徹底解説!

こんにちは。ゆうせいです。

「機械学習を始めてみたいけど、何から手をつければいいか分からない…」

新人エンジニアのあなたも、そんな風に感じていませんか?

AIや機械学習という言葉が飛び交う中で、その複雑そうなイメージに圧倒されてしまう気持ち、とてもよく分かります。

しかし、もしあなたの学習を強力にサポートしてくれる、まるで「優秀な家庭教師」のようなツールがあるとしたら、どうでしょう?

今回は、そんなあなたの最初の相棒にぴったりなPythonライブラリ、「scikit-learn(サイキット・ラーン)」について、どこよりも分かりやすく解説していきますね!


scikit-learnとは?

まず、scikit-learnとは一体何者なのでしょうか。

一言でいうと、「Pythonで機械学習を実践するための、非常に人気のあるライブラリ」です。

ここで言う「ライブラリ」とは、便利な機能がたくさん詰まった「道具箱」のようなものだと考えてください。普通なら自分で何百行もコードを書かなければいけないような複雑な計算や処理を、scikit-learnはたった数行で実行できるようにしてくれます。

このライブラリはオープンソースで、誰でも無料で利用できるため、世界中のデータサイエンティストやエンジニアに愛用されているんですよ。


scikit-learnで何ができるの?

では、この便利な道具箱を使って、具体的にどんなことができるのでしょうか。代表的なものを3つ、身近な例えで見ていきましょう!

1. 分類(Classification)

これは、データをあらかじめ決められたグループに仕分ける作業です。

一番分かりやすい例は、メールの「迷惑メールフォルダ」への振り分けです。

受信したメールが「迷惑メール」なのか「通常のメール」なのかを、過去のデータから学習したルールに基づいて自動で判断してくれます。

他にも、画像に写っている動物が「犬」なのか「猫」なのかを判定したり、顧客が将来サービスを「解約する」か「継続するか」を予測したりするのも、この「分類」の技術が使われています。

2. 回帰(Regression)

これは、あるデータから未来の数値を予測する作業です。

例えば、不動産サイトで家の価格を予測するのが、まさしく回帰です。

部屋の広さ、駅からの距離、築年数といったデータをもとに、「この家なら大体〇〇万円くらいだろう」という連続した数値を予測します。

天気予報で明日の最高気温を予測したり、過去の売上データから来月の売上を予測したりするのも、回帰の得意分野です。

3. クラスタリング(Clustering)

これは、正解が分からないデータの中から、似た者同士のグループを自動で見つけ出す作業です。

例えば、オンラインショップの顧客をグループ分けするのに使えます。

購入履歴や閲覧履歴が似ている顧客を自動的にいくつかのグループに分けることで、「このグループの人たちは、きっとこの新商品も気に入ってくれるだろう」といったマーケティング戦略に繋げることができます。

分類と違うのは、「迷惑メール」のような正解ラベルを最初に与える必要がない点です。データそのものの特徴から、コンピュータが自律的にグループを発見してくれるのが面白いところですね!


scikit-learnのすごいところ!

数ある機械学習ライブラリの中で、なぜscikit-learnが初心者にとって最適なのでしょうか。そのメリットを解説します。

使い方がシンプルで一貫している

scikit-learnの最大の魅力は、その使い方の分かりやすさにあります。

どんなに複雑な機械学習の手法でも、

  1. モデルを準備する
  2. fit() でデータを学習させる
  3. predict() で予測する

という3ステップが基本になっています。まるで、どんな家電でも「電源を入れる」「ボタンを押す」「結果が出る」という手順が似ているのと同じ感覚です。この一貫性のおかげで、新しい手法を学ぶ際のハードルが劇的に下がります。

ドキュメントや具体例がとても親切

公式ウェブサイトには、非常に丁寧な説明書(ドキュメント)と、すぐに試せるサンプルコードが大量に用意されています。

何か分からないことがあっても、まずは公式サイトを見に行けば、大抵の答えが見つかるでしょう。これは、学習を進める上で本当に心強い味方になりますよ!

古典的な機械学習手法を幅広く網羅

先ほど紹介した分類、回帰、クラスタリングはもちろん、それ以外にも機械学習で必要とされる多くの機能が最初から含まれています。

scikit-learn一つあれば、基本的な機械学習のタスクはほとんどこなせてしまうのです。まさに「機械学習の万能ナイフ」と言えるでしょう。


scikit-learnが少し苦手なこと

もちろん、万能に見えるscikit-learnにも、少しだけ苦手な分野があります。

それは、ディープラーニング(深層学習)です。

ディープラーニングは、特に非常に複雑な画像認識や、人間のような自然な文章を作り出すといった分野で大きな成果を上げています。例えるなら、scikit-learnが優秀な家庭教師なら、ディープラーニングは特定の超難関分野を専門とする研究者のような存在です。

もしあなたがそういった最先端の分野に挑戦したいなら、将来的には「TensorFlow」や「PyTorch」といった、ディープラーニング専用のライブラリを学ぶことになるでしょう。

まずはscikit-learnで機械学習の基礎体力と思考法をしっかり身につけてから、次のステップに進むのが王道ルートです!


さあ、scikit-learnを始めよう!

ここまで読んで、少しワクワクしてきましたか?

scikit-learnを始めるのは、実はとても簡単です。

1. インストール

お使いのコンピュータのターミナル(黒い画面)で、以下のコマンドを一行入力するだけです。

Python

pip install scikit-learn

もしエラーが出る場合は、Pythonの環境が設定できていない可能性があるので、まずは「Python 環境構築」などで調べてみてくださいね。

2. 次のステップ

インストールが完了したら、まずはscikit-learnに最初から用意されている「お試し用データセット」で遊んでみるのがおすすめです。

特に「アヤメの花の分類(Iris dataset)」は、機械学習の入門として非常に有名です。

公式ウェブサイトのチュートリアルを真似しながら、実際にコードを動かしてみてください。

コードをただ書き写すだけでなく、「この一行は何をしているんだろう?」と考えながら進めることが、成長への一番の近道です。

恐れずに、どんどんエラーを出してください!その一つ一つが、あなたを確実に成長させてくれるはずです。

機械学習の世界は、まるで広大な海のようです。scikit-learnという頼れる船を手に入れたあなたは、今まさにその船出の時を迎えました。

この素晴らしい冒険を、心から楽しんでくださいね!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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