VSCodeのターミナル、どれが正解?Windows 11エンジニアの最適解を探る

こんにちは。ゆうせいです。

Windows 11にVSCode(ブイエスコード)をインストールして、さあプログラミングを始めよう!と思ったとき、ふと目に入る「ターミナル」の文字。

「ターミナルって何?」「なんだか黒い画面が出てきたけど、種類がたくさんあって選べない…」

そんな風に戸惑っていませんか?

プログラミング学習では、このターミナル(黒い画面)を使って、プログラムを実行したり、Git(ギット)というバージョン管理ツールを操作したりします。

特にWindows 11は、使えるターミナルの選択肢が豊富です。だからこそ、新人の皆さんは「どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。

安心してください!この記事では、Windows 11ユーザーのあなたがVSCodeでどのターミナルを選ぶべきか、その理由と設定方法を分かりやすく解説します。

そもそもVSCodeのターミナルとは?

まず大切なことをお伝えします。VSCodeは「ターミナルそのもの」を作っているわけではありません。

VSCodeのターミナル機能は、例えるなら「窓」のようなものです。

あなたのWindows 11パソコンには、すでに「コマンドプロンプト」や「PowerShell(パワーシェル)」といった、OS(オーエス)を操作するための「ターミナルソフト(専門用語ではシェルと言います)」がインストールされています。

VSCodeは、それらのソフトを「VSCodeというエディタの枠内(窓の中)」で呼び出して、便利に使わせてくれているに過ぎません。

ターミナルで何をするの?

この黒い画面、何のためにあるのでしょうか?

  • プログラムの実行(例: node app.jspython main.py
  • 開発に必要なツールのインストール(例: npm install react
  • Gitを使ったコードの管理(例: git commit -m "修正"

など、開発作業の「命令」を出す場所として使います。マウス操作ではなく、キーボードで命令を打ち込む、まさにエンジニアの「コックピット」ですね!

Windows 11の主なターミナルの選択肢

VSCodeのターミナル右上の「+」ボタンの隣にある「V」のような矢印を押すと、選択肢がズラッと出てきます。主な候補を見てみましょう。

  1. Command Prompt (cmd)昔からある、Windows標準のターミナルです。黒い画面といえばコレでした。
  2. PowerShell (powershell.exe)Command Promptの進化版として作られた、Windows標準のターミナル。青い画面が特徴です。
  3. PowerShell 7 (pwsh)「PowerShell」とは別物!新しく開発された、現代版の超強力なPowerShellです。(※別途インストールが必要な場合があります)
  4. WSL (Ubuntuなど)WSL(Windows Subsystem for Linux)は、「Windowsの中でLinux(リナックス)を動かす」ための仕組みです。
  5. Git BashGit for Windowsをインストールするとついてくる、Linux風のコマンドが使えるターミナルです。

結論:新人エンジニアが選ぶべきターミナルは?

さて、結論からいきましょう。あなたの目指す分野によって、おすすめが変わります!

Web系開発(React, Node.js, PHP, Pythonなど)を目指すなら

絶対に「WSL」を選んでください!

  • WSLとは?「Windows Subsystem for Linux」の略で、Windows 11の中でLinux(例えばUbuntuというOS)を丸ごと動かしてしまう技術です。
  • メリット(なぜ選ぶのか?)現代のWeb開発の現場(サーバーなど)は、そのほとんどがLinuxで動いています。学習中からWindows上でLinux環境に触れておくことは、将来の「環境の違いによるエラー」を減らす最強の対策になります!Docker(ドッカー)などの仮想化技術も、WSL(WSL2)を前提にしているものが多く、学習がスムーズに進みます。
  • デメリットWindows 11の機能からWSLを有効にし、Microsoft StoreからUbuntuなどをインストールする、という「ひと手間」がかかります。

Windows中心の作業や、特にこだわりがなければ

「PowerShell 7 (pwsh)」がおすすめです。

  • PowerShell 7とは?先ほど「PowerShell」とは別物、と言いました。Windowsに最初から入っている「Windows PowerShell(青い画面)」は少し古いバージョンです。「PowerShell 7(黒い画面、アイコンが紫っぽい)」は、新しく作り直された最新版で、非常に高性能です。
  • メリットWindowsの操作に強く、モダンな機能がてんこ盛りです。今後、Windows環境でエンジニアとして活躍するなら、必須のスキルとも言えます。
  • デメリットWeb系の解説記事や書籍は、MacやLinux(つまりWSL)を前提に書かれていることが多く、コマンドが微妙に違う(例えば ls が dir だったり)ことがあり、学習時に少し戸惑うかもしれません。

あの古いターミナルはダメなの?

  • Command Prompt (cmd)はっきり言って、今から選ぶ理由はありません。機能が古く、使いにくさが目立ちます。
  • Git BashWSLをセットアップするのが面倒な場合の「次善の策」としてはアリです。 ls や mkdir といったLinux風のコマンドが使えるので、Web系の学習初期には便利です。

VSCodeのデフォルトターミナルを変更する方法

「よし、WSL(あるいはPowerShell 7)を使うぞ!」と決めたら、VSCodeで「+」ボタンを押したときに、それが自動で開くように設定(デフォルトプロファイルの変更)しましょう。

  1. Ctrl + Shift + P (Macなら Cmd + Shift + P)を押して、コマンドパレットを開きます。
  2. 「Terminal: Select Default Profile」 (ターミナル: 既定のプロファイルを選択します) と入力して、選択します。
  3. 一覧が表示されるので、あなたがメインで使いたいターミナル(例: Ubuntu (WSL)pwsh)を選びます。

これで完了です!

次回から「+」ボタンを押すと、あなたが選んだ最強のターミナルが起動します。

今後の学習の指針

ターミナル(黒い画面)は、最初はとっつきにくく、怖いと感じるかもしれません。

ですが、エンジニアにとってターミナル操作は、料理人にとっての包丁さばきのような、基本かつ最も重要なスキルの一つです。

まずは、今日選んだターミナルで、フォルダを移動する(cd コマンド)や、ファイル一覧を見る(WSL/Git Bashなら ls、PowerShellなら dir)といった基本操作から慣れていきましょう。

VSCodeとターミナルを自在に操れるようになれば、あなたの学習速度は爆発的に上がりますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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