VScodeの「編集」メニュー徹底解説!これぞエンジニアの三種の神器

こんにちは。ゆうせい。です。

前回はVScodeの「ファイル」メニューについて学び、特に「フォルダーを開く」ことの重要性をお伝えしましたね。

今回はそのお隣、「編集」メニューを見ていきましょう。

もし「ファイル」メニューが「作業の開始と終了」を司るなら、「編集」メニューは「作業そのもの」の効率を爆上げするための、まさにエンジニアの三種の神器が詰まった場所です。

ぶっちゃけ、ここのショートカットキーを使いこなせるかどうかで、あなたのコーディング速度は劇的に変わります!


なぜ「編集」メニューが重要なのか?

プログラムを書くという作業は、実はまっさらな状態から何かを生み出す時間よりも、

  • 既存のコードを少し変える
  • 別の場所からコードを持ってくる
  • 間違いを修正する
  • 特定の単語を探して、別の単語に置き換える

といった「編集」作業に費やす時間の方が圧倒的に長いんです。

「編集」メニューは、これら日常的な作業を「速く」「正確に」行うための武器庫。マウスでチマチマ操作するのではなく、キーボードだけで完結させるためのショートカットキーが並んでいます。


新人が絶対に覚えるべき「三種の神器」

では、画像のメニュー項目から、絶対に即戦力になる「三種の神器」をご紹介します。これはもう、今日中に指に覚えさせてください!

神器その1:元に戻す / やり直し (Ctrl+Z / Ctrl+Y)

  • 元に戻す (Ctrl+Z):説明不要かもしれませんが、最強の「保険」です。「あ、今間違えて消しちゃった!」「さっきの変更、やっぱりナシ!」という時に、押した回数だけ作業を遡って元に戻してくれます。新人エンジニアは失敗を恐れがちですが、VScodeにおいてはCtrl+Zがある限り、何も恐れる必要はありません。大胆にコードを書いて、試して、ダメなら戻せばいいんです!
  • やり直し (Ctrl+Y):「元に戻す」の逆です。「あ、戻しすぎた!やっぱりさっきの状態がいい」という時に使います。Ctrl+ZとCtrl+Yを行ったり来たりして、最適な状態を探ることもよくあります。

神器その2:切り取り / コピー / 貼り付け (Ctrl+X / Ctrl+C / Ctrl+V)

これも基本中の基本ですが、エンジニアの作業では少し意味合いが異なります。

  • コピー (Ctrl+C): コードを複製します。
  • 貼り付け (Ctrl+V): 複製したコードを貼り付けます。
  • 切り取り (Ctrl+X): コードを「移動」させます。

プログラムを書いていると、「あ、この処理、こっちのファイル(あるいは別の行)に移動させたい」という場面が頻繁に発生します。そんな時、Ctrl+Xで切り取り、移動先でCtrl+Vで貼り付ける。この「移動」作業を流れるように行えることが重要です。

VScodeの地味にすごい機能:

VScodeでは、何も選択していない状態でCtrl+CやCtrl+Xを押すと、なんと「カーソルがある行全体」がコピー(または切り取り)されます。

いちいち行頭から行末までドラッグで選択する必要がないんです! これが本当に便利で、作業効率が爆発的に上がります。ぜひ試してみてください。

神器その3:検索 / 置換 (Ctrl+F / Ctrl+H)

  • 検索 (Ctrl+F):「Find(見つける)」のFです。現在開いているファイルの中から、特定の単語(変数名や関数名など)を探したいときに使います。「あの変数、どこで使ってたっけ?」を瞬時に解決します。
  • 置換 (Ctrl+H):「検索」の強化版です。例えば「userNameという変数名を、やっぱりcustomerNameに変えたい!」と思ったとします。ファイル内にuserNameが50個あったらどうしますか? 手作業で50回も直しますか?いえ、Ctrl+Hを使えば、「userName」を検索し、「customerName」に「すべて置換」ボタン一つで、一瞬で50個すべてを修正できます。これは革命的に便利です。

ステップアップ:「フォルダーを指定して検索」を使いこなす

三種の神器をマスターしたら、次はこの「編集」メニューの真打ちとも言える機能を覚えましょう。

フォルダーを指定して検索 (Ctrl+Shift+F)

これが、前回の「ファイル」メニューで「フォルダーを開く」が重要だとお伝えした最大の理由の一つです。

Ctrl+F(検索)は、今開いている1つのファイルの中しか検索できません。

しかし、Ctrl+Shift+F(フォルダーを指定して検索)は、VScodeで開いているプロジェクト(フォルダ)内の全ファイルを対象に、横断的に検索をかけてくれます。

  • 使いどころ:
    • 「この関数、プロジェクト全体でどこから呼ばれてるんだろう?」
    • 「このCSSクラス名、他のファイルで使ってないかな?」
    • 「エラーメッセージに出たこの単語、どのファイルに書いてあるんだ?」

といった、プロジェクト全体を見渡す必要がある調査の際に、絶大な威力を発揮します。

(ちなみに Ctrl+Shift+H は、そのプロジェクト横断検索の結果を、すべて一括で「置換」する機能です。強力ですが、影響範囲が大きすぎるので、慣れるまでは慎重に使いましょう!)


プロへの第一歩:「コメントアウト」をマスターする

最後に、エンジニアらしい必須テクニックをご紹介します。

行コメントの切り替え (Ctrl+/)

専門用語解説:コメントアウト

「コメントアウト」とは、ソースコードの一部を一時的に「コメント(メモ書き)」扱いに変えることです。コメントにされたコードは、プログラム実行時には無視されます。

  • 使いどころ:
    • 「この行、本当に必要かな? ちょっと消して動作を確認したい」
    • 「今書いてるこの部分はエラーの原因かもしれないから、一時的に無効化して試したい」
    • 「(後でやる作業をメモとして残す)」

そんな時、いちいちコードを削除(Deleteキー)していたら、元に戻すのが大変ですよね。

そこでCtrl+/を使います。

カーソルがある行でCtrl+/を押してみてください。

HTMLなら `` のように、

JavaScriptやCSSなら // ... や /* ... */ のように、

その言語のルールに従ったコメント記号が自動で挿入され、その行が無効化されます。

もう一度Ctrl+/を押せば、コメントが外れて元に戻ります。

「一時的に無効化 ⇔ 有効化」を瞬時に切り替え(トグル)できる、超便利な機能です!


まとめと今後の学習指針

「編集」メニューは、あなたのコーディング効率に直結する機能の宝庫です。

  • 三種の神器: Ctrl+Z/Y(戻す/やり直す)、Ctrl+X/C/V(移動/複製)、Ctrl+F/H(検索/置換)は必須。
  • 行ごと操作: Ctrl+XCtrl+Cは、行全体に作用することを体感する。
  • プロジェクト横断: 「フォルダーを指定して検索」(Ctrl+Shift+F) のために「フォルダーを開く」。
  • プロの技: 「コメントアウト」(Ctrl+/) を使って、安全にコードの試行錯誤を行う。

これらの操作は、頭で覚えるのではなく「指」で覚えるものです。

今日からマウスに頼るのを少しやめて、意識的にショートカットキーを使ってみてください。1週間もすれば、見違えるほど作業が速くなっているはずですよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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