「給料が減った」と嘆く新人に教えたい!厚生年金保険が「最強の投資」である理由
こんにちは。ゆうせいです。
研修講師のみなさん、新入社員が初めて給与明細を見たときの反応、面白いですよね。
額面の金額を見て喜んだのも束の間、手取りの金額を見て「えっ、こんなに引かれるの」と愕然とする。これは誰もが通る道です。
特に金額が大きくて目の敵にされやすいのが「厚生年金保険(こうせいねんきんほけん)」です。
「どうせ僕たちがじいちゃんになる頃にはもらえないんでしょ」
「自分で貯金したほうがマシだよ」
そんなふうに思っている若手社員は少なくありません。
でも、そう思わせたままにしておくのは、講師として少し寂しいですよね。
実は、厚生年金は会社員だけに許された、民間の保険商品ではあり得ないほど有利な「最強の投資」なのです。
今回は、新入社員の不満を納得に変える、厚生年金の賢い教え方をご紹介します。
年金は「2階建て」の家だとイメージさせる
まず、日本の年金制度の全体像をサクッとイメージしてもらいましょう。
よく使われる例えですが、「2階建ての家」の話が一番わかりやすいです。
1階部分:国民年金(基礎年金)
これは、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が入る、建物の土台です。
自営業の人も、学生も、フリーターも、みんなここに入ります。
全員共通の「ベーシックな年金」です。
2階部分:厚生年金
これが、会社員である彼らだけが乗っかれる「2階部分」です。
1階の土台の上に、さらに追加で部屋があるイメージですね。
将来もらえるお金は、1階部分 2階部分 になります。
つまり、会社員になったということは、自営業の人たちよりも「将来受け取るお金が増える権利」を手に入れたということなのです。これだけでも少し特別な感じがしませんか。
老後だけじゃない!3つの変身機能
次に、多くの若者が勘違いしている「年金=老後の小遣い」という認識を覆しましょう。
厚生年金には、人生のリスクに備える3つの顔があります。
老齢年金(ろうれいねんきん)
これはみんなが知っている、おじいちゃんおばあちゃんになってからもらうお金です。「長生きするリスク」に備える保険ですね。
障害年金(しょうがいねんきん)
ここを強調してください。もし明日、事故に遭って車椅子生活になったり、病気で働けなくなったりしたらどうしますか。
そんなとき、現役世代であっても国からお金がもらえます。しかも、厚生年金に入っていれば、国民年金だけの人よりも手厚いサポートが受けられるのです。
遺族年金(いぞくねんきん)
もし自分に万が一のことがあったとき、残された家族(妻や子など)にお金が支払われます。
自分が独身だとピンとこないかもしれませんが、将来家族を持ったときに、非常に強力な生命保険の代わりになります。
つまり、厚生年金とは「老後の貯金」であると同時に、「最強の障害保険」であり「生命保険」でもあるのです。これを民間の保険で全部まかなおうとしたら、とんでもない金額になりますよ。
会社が半分払う「労使折半」の魔法
さて、ここからが一番の説得ポイントです。
なぜ厚生年金がお得なのか。それは「労使折半(ろうしせっぱん)」というルールがあるからです。
みなさんの給与明細から引かれている保険料、あれは実は「半額」だということを教えてあげてください。
残りの半額は、誰が払っているのか。そうです、会社です。
計算のイメージはこんな感じです。
本来納めるべき保険料 給料の額
保険料率
この金額を、
本人 2
会社 2
で分け合って払っているのです。
これを投資として考えてみましょう。
あなたが1万円を積み立てると、会社が勝手に1万円を足して、合計2万円として国に積み立ててくれるのです。
利回りで言えば、いきなり の利益が出るようなものです。
こんなに割のいい金融商品は、世界中どこを探してもありません。会社員であるというだけで、この恩恵を受けられるのです。
メリットとデメリット(不安)に向き合う
もちろん、良いことばかりではありません。新人の不安にも正直に答えましょう。
メリット
将来もらえる額が増える
国民年金だけの人に比べて、老後の受取額が断然多くなります。
インフレに強い
現金の貯金は物価が上がると価値が下がりますが、年金は物価や賃金に合わせて支給額が調整される仕組み(スライド制)があります。
デメリット(不安要素)
手取りが減る痛みが大きい
保険料率は給料の約 です。その半分、約
が引かれるので、給料が高くなればなるほど引かれる額も増えます。これは確かに痛いです。
「もらえる額が減る」というニュース
少子高齢化で、将来の受給水準が下がる可能性は否定できません。
しかし、ここで重要なのは「ゼロにはならない」ということです。
年金は「長生きすればするほど得をする」終身年金です。90歳、100歳まで生きたとき、貯金は尽きるかもしれませんが、年金は死ぬまで振り込まれ続けます。この安心感は、何物にも代えがたいものです。
研修での教え方のアドバイス
講義の最後には、こう伝えてみてください。
「給与明細を見て『引かれた』と思うと損した気分になります。でも、実は会社が同額を上乗せしてくれている『プレゼント』だと思って見てみてください。未来の自分を守るために、会社も一緒に負担してくれている。そう考えると、少しだけありがたく思えませんか」
このように視点をリフレーミング(枠組みを変えること)してあげるのが、講師の腕の見せ所です。
今後の学習の指針
いかがでしたか。
厚生年金は、強制的に徴収される税金のようなものではなく、働く人を生涯にわたって支えるパートナーです。
これからの学習の指針として、ぜひ一度「ねんきんネット」というサイトにアクセスしてみるよう促してください。将来自分がどれくらい年金をもらえるのか、シミュレーションができます。
まだ若い彼らにとっては遠い未来の話かもしれませんが、自分の未来を具体的に想像することは、キャリアを考える上でも良い刺激になるはずです。
新入社員のみなさんが、給与明細を自信を持って受け取れるよう、素敵な講義をしてあげてくださいね。