Pythonで何を作る?成果物から逆算するGoogle ColabとVS Codeの決定的な使い分け

こんにちは。ゆうせいです。

Pythonを学び始めた皆さんが、次に直面するのは「自分のやりたいことには、どのツールが適しているのか」という選択の問題ですね。

単にPythonの文法を覚えるだけなら、どのツールを使っても大差はありません。しかし、具体的なアプリケーションを作ろうとした瞬間、ツールの選択ミスは致命的な時間のロスに繋がります。

今回は少し視座を高めて、最終的に作りたい成果物(ゴール)から逆算した、Google ColabとVS Codeの使い分け戦略について詳しく解説していきます。

Google Colabが苦手とする「アプリ開発」の壁

Google Colabは、ブラウザ上でPythonを実行できる素晴らしいツールですが、実はWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションの開発には向いていません。

なぜだか分かりますか?

それは、Google Colabがあくまで「計算と結果の確認」に特化した、使い捨ての実験室だからです。

画面(GUI)を作ることができない

例えば、皆さんが普段使っている電卓アプリやメモ帳アプリのように、ウインドウが開いてボタンを押せるソフトを作りたいとしましょう。これをデスクトップアプリケーションと呼びます。

これを作るには、Pythonがパソコンの画面描画機能(GUI)を直接操作する必要があります。しかし、Google Colabはインターネットの向こう側にあるGoogleのサーバーの中で動いています。そのため、あなたのパソコンの画面に新しいウインドウを表示させる命令を送ることが非常に難しいのです。

常時稼働ができない

Webアプリケーション、例えばInstagramのようなサービスを作りたい場合も同様です。

Webアプリは、ユーザーがいつアクセスしてもいいように、24時間365日プログラムを動かし続ける必要があります。これをサーバーとして稼働させると言います。

しかし、Google Colabには「90分ルール」や「12時間ルール」といった制限があり、時間が経つと接続が切れてしまいます。せっかくWebアプリを作って起動しても、すぐに停止してしまうのでは実用的ではありませんよね。

データサイエンスとAIならGoogle Colab一択

では、Google Colabはどのような時に使うべきなのでしょうか。

答えは、データ分析とAI(人工知能)モデルの構築です。

ここでは、完成したアプリをユーザーに提供することよりも、その裏側にある「計算結果」や「分析データ」自体に価値があります。

例えば、大量の顧客データから売上予測をしたり、画像認識AIを学習させたりする場合です。

こうした処理には、膨大な計算パワーが必要です。Google Colabなら、高性能なGPU(画像処理やAI計算に特化した計算機)を無料で借りることができます。

数式で表すと、処理能力 P が必要な場合、手元のパソコンの性能 P_{local} では足りなくても、クラウド上の性能 P_{cloud} なら余裕で処理できる、というイメージです。

VS Codeが必須になる「モノづくり」の現場

一方で、Visual Studio Code(VS Code)は、システム開発やアプリケーション開発の現場における標準的なツールです。

「動くモノ」を作りたいなら、迷わずこちらを選んでください。

Webアプリ開発(Flask / Django)

WebサイトやWebサービスを作りたい場合、VS Codeのようなローカル環境(自分のパソコン内)での開発が必須になります。

自分のパソコンを擬似的なサーバーに見立てて、手元で動作確認をしながら開発を進めることができるからです。プログラムの修正が瞬時にブラウザに反映されるため、試行錯誤のスピードが段違いです。

業務効率化ツール・自動化スクリプト

「毎朝決まった時間にExcelファイルを集計してメールを送る」といった自動化ツールを作りたい場合もVS Codeが適しています。

Google Colabで作ったプログラムは、使うたびにブラウザを開いて実行ボタンを押す必要がありますが、VS Codeで作ったプログラムは、単体のファイル(.pyファイル)として保存できます。

これにより、ダブルクリックだけで実行したり、パソコンのスケジュール機能に登録して自動で動かしたりすることが可能になるのです。

目的別・最適ツール判断ガイド

これまでの話を整理して、どちらを使うべきかの判断基準をリストにしました。これから取り組もうとしている学習内容はどちらに当てはまりますか?

Google Colabを選ぶべきケース

  • データ分析: 表計算ソフトでは扱えない大量のデータをグラフにしたり分析したりする。
  • 機械学習・ディープラーニング: AIに画像を学習させるなど、重い計算処理が必要。
  • チームでのコード共有: ノートのようにコードとメモを書き残し、URLで友人に共有したい。
  • 数学的な計算実験: 複雑なアルゴリズムの挙動を一行ずつ確認しながら試したい。

VS Codeを選ぶべきケース

  • Webアプリ開発: 掲示板やSNS、予約システムなどを作りたい。
  • デスクトップアプリ開発: パソコン上で動く、ボタンや画面のあるツールを作りたい。
  • スクレイピング: 多くのWebサイトから情報を自動収集するロボットを作りたい。
  • ゲーム開発: Pygameなどのライブラリを使ってゲームを作りたい。

今後の学習の指針

まずは、自分が「何を作りたいのか」を明確にすることから始めましょう。

もし、まだ具体的な目標がなく、Pythonという言語そのものの仕組みや、AIの基礎を学びたいのであれば、環境構築の手間がないGoogle Colabで学習をスタートしてください。

そして、「こんなアプリを作って公開したい!」「日々の作業を自動化したい!」という具体的なアイデアが湧いてきたら、その時こそVS Codeをインストールして、本格的な開発環境を整えましょう。

目的が定まれば、道具選びで迷うことはなくなります。

さあ、あなたは今日、どちらのツールを開きますか?作りたいものに合わせて、最適な一歩を踏み出してください!

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。