知らないと損する?エンジニアを守る雇用保険の「数字」を完全ハック

こんにちは。ゆうせいです。

新人エンジニアのみなさん、毎月の給与明細を見て「雇用保険料」という項目が引かれているのに気づいていますか?

「なんか引かれているけど、自分には関係ないや」なんてスルーしているとしたら、それは非常にもったいないことです。

雇用保険は、あなたがキャリアの岐路に立ったとき、あるいはスキルアップしたいときに、強力な資金援助をしてくれる「最強のバックアップシステム」だからです。

でも、このシステムを使いこなすには、いくつかの「重要な数字(パラメーター)」を知っておく必要があります。

この数字を知らないと、いざというときに「えっ、給付金がもらえないの?」「思ったより金額が少ない!」というバグ(トラブル)に直面しかねません。

今回は、エンジニアとして自立するために絶対に押さえておくべき、雇用保険の重要数値を解説します。

そもそも雇用保険って何?

雇用保険とは、労働者が失業したときに生活を支えたり、再就職を支援したりするための制度です。

よく「失業保険」と呼ばれますが、実は失業したときだけでなく、育児や介護で休んだときや、資格取得のためのスクール代を補助してくれる機能もあります。

エンジニア的に言えば、サーバー(収入源)がダウンしたときの「UPS(無停電電源装置)」であり、同時にスペックアップ(教育訓練)のための「投資ファンド」でもあるのです。

加入するための数字「20」と「31」

まず、そもそも自分が雇用保険に入れているかどうかを確認しましょう。正社員ならほぼ間違いなく加入していますが、契約社員やパートタイムで働く場合は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 1週間の所定労働時間が「20時間」以上であること
  • 「31日」以上引き続き雇用される見込みがあること

この「20」と「31」が境界値です。もし、週19時間の契約で働いているとしたら、雇用保険には入れません。つまり、何かあったときの守りがない状態(ノーガード)ということです。

もらうための数字「12」

「仕事が合わないから辞めようかな」

そう思ったときに一番気をつけてほしいのが、この「12」という数字です。

自己都合(自分の意思)で退職した場合、失業給付(基本手当)をもらうためには、離職する日以前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が通算して「12ヶ月」以上必要です。

入社して半年(6ヶ月)で「やっぱりこの会社は違う」と辞めてしまった場合、原則として失業給付はもらえません。

「11ヶ月」で辞めてしまうと、あと1ヶ月頑張ればもらえたはずの数十万円の権利を捨てることになります。退職のタイミングを計るときは、この「加入期間12ヶ月」のフラグが立っているか、必ずログ(給与明細)を確認してください。

※ただし、会社の倒産や解雇などの「会社都合」の場合は、「6ヶ月」あれば対象になります。

待たされる数字「7」と「2」

会社を辞めてハローワークに行けば、すぐにお金がもらえるわけではありません。ここには厳しい待機時間(レイテンシ)が存在します。

7日間の待期期間

理由に関わらず、手続きをしてから最初の「7日間」は絶対に支給されません。これは「本当に失業状態か」を確認するためのシステム処理時間のようなものです。

2ヶ月の給付制限

ここが最大の落とし穴です。

「もっとスキルアップしたい」「人間関係が嫌だ」といった自己都合退職の場合、7日間に加えて、さらに「2ヶ月(場合によっては3ヶ月)」の間、給付金が出ない期間があります。

つまり、辞めてから実際にお金が振り込まれるまで、約3ヶ月近く無収入になる期間が発生するのです。

この期間を乗り切るためのキャッシュ(貯金)がない状態で安易に退職すると、生活が破綻します。

もらえる金額の数字「50」から「80」

では、無事に審査が通ったら、いくらもらえるのでしょうか?

給料の全額がもらえるわけではありません。在職中の給与(直近6ヶ月の平均)に対して、「50%から80%」の金額になります。

計算のイメージは以下の通りです。

1日あたりの給付額 = 退職前の1日あたりの賃金 \times 給付率(0.5〜0.8)

元々の給料が低い人ほど給付率が高く(80%に近く)、給料が高い人ほど給付率は低く(50%に近く)設定されています。

エンジニアのみなさんなら、だいたい手取り給与の6割から7割くらいになる感覚を持っておくと良いでしょう。生活レベルを少し落とさないと(スペックダウンしないと)、収支が合わなくなる可能性があります。

メリットとデメリット

雇用保険制度の良い点と注意点を整理しておきましょう。

メリット

  • 失業中の生活費が保証され、焦らずに次の職場を探せる。
  • 「教育訓練給付金」を使えば、プログラミングスクールや資格取得費用の20%〜70%が戻ってくる(これ、エンジニアにはめちゃくちゃ大きいです!)。
  • 育児休業中も給付金が出るため、ライフステージが変わっても安心。

デメリット

  • 毎月の給与から保険料が天引きされる(ただし金額は給与の0.6%程度と安いです)。
  • 給付を受けるには、ハローワークに定期的に通い、「求職活動の実績」を報告しなければならない(手間がかかります)。
  • 自己都合退職だと、振込までの待ち時間が長い。

今後の学習の指針

いかがでしたか?

雇用保険は、単に「仕事を辞めたときの保険」ではありません。キャリアアップのための「教育訓練給付」などは、在職中でも使える最強の機能です。

新人エンジニアのみなさんには、まず以下の数値を脳内のデータベースに保存しておいてほしいと思います。

  • もらう権利を得るには「12ヶ月」働くこと。
  • 辞めてからお金が入るまで「2ヶ月」以上のタイムラグがあること。

この2つを知っているだけで、不用意な退職による「資金ショート」を防ぐことができます。

まずは、自分の給与明細を見て「雇用保険料」がいくら引かれているか確認し、「これだけ払っているんだから、いつか元を取ってやるぞ(制度を使い倒すぞ)」という気持ちで、制度の詳細を調べてみてください。

自分の身を守る知識(防具)を装備して、エンジニアとしての冒険を続けていきましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。